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世界遺産のある白川村と、KDDIが築いてきた"いい関係"。 通信の力で、村はますます魅力ある場所になる

日本には、北は北海道から南は鹿児島・沖縄まで、18の世界遺産がユネスコのリストに登録されている(2015年4月現在)。2015年5月4日にはユネスコの諮問機関であるイコモスより、福岡県の官営八幡製鉄所や「軍艦島」の通称で知られる長崎市の端島炭坑などの23施設が「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産に登録することがふさわしいとの勧告があり、6月28日から開かれる世界遺産委員会で登録が決定されれば、日本の世界遺産はさらに増える見込みだ。auは、どの世界遺産でも快適な通信が楽しめるよう、通信エリアの整備に努めている。

そのなかのひとつ、「白川郷・五箇山の合掌造り集落」は、1995年の世界遺産登録以来、国内外の観光客に人気が高く、毎年150万人ほどが訪れる(そのうちおよそ1割を海外からの観光客が占める)。去る2月23日、白川郷のある白川村(岐阜県大野郡)とKDDIが、白川村の「地域活性化を目的とした連携に関する協定」を結んだことは、さまざまなメディアで報じられ話題となった。

協定締結から2カ月ほど経ち、両者の連携が具体的な形になり始めている。「TIME & SPACE」編集部は、KDDIの担当者と白川村のキーパーソンのひとりに、改めて協定の意義や具体的な取り組みについて話を聞いた。

白川郷の合掌造りの家屋。集落にある家屋の多くは、屋根が東西を向くように建てられている。集落の風向きにあわせて風の抵抗を減らすとともに、日の出から日の入りまで屋根に日の光が多く当たるようにして、屋根に積もった雪を少しでも溶かすためだという。なお、「合掌造り」とは、屋根が2つの平面からなる「切妻造」と呼ばれる構造の家屋で、屋根が茅葺きのものを指す。この形状の家屋はきわめて珍しく、白川郷のほかには、白川郷とともに世界遺産に登録されている五箇山(ごかやま:富山県南砺市)でしか例がない。いずれも岐阜県北部から富山県西部を流れる庄川流域の集落だ。家屋の素材の多くは周辺地域でとれる植生のもので、「合掌造り」は地域に根ざした生活文化と言える

冬になると深い雪に覆われる白川郷。夜は合掌造りがライトアップされて幻想的な光景に(写真提供:白川村役場)

世界遺産の村の新たなチャレンジ

白川村では、白川村とKDDIの協定締結のきっかけをつくったキーパーソン、「白川村地域おこし協力隊」の大倉 暁さんに話を聞いた。

「白川村地域おこし協力隊」の大倉 暁さん。背景に映る合掌造りの家屋は、協定締結の舞台ともなった「旧寺口家」。今は大倉さんの生活の拠点にもなっている

つなぎの背中には「ひだ白川郷」の文字が。協力隊お揃いのコスチュームだ

「地域おこし協力隊」というのは総務省が2009年から実施している取り組みのこと。人口減少や高齢化の進展が著しい地方において、地域外の人材を積極的に誘致し、地元の人は見落としがちな地域資源を外部の視点で掘り起こして地域の活性化を目指す。都市から地方に生活拠点を移した人を地方自治体が「地域おこし協力隊」として委嘱し、隊員の地域への定住・定着も図る。隊員には、官の立場の自治体だと手がけにくい地場産品や地域ブランドの開発・PRなど、官と民、あるいは地方と都市をつなぐ役割が期待されている。

白川村では2014年1月からこの取り組みに参加し3名が隊員として着任、2015年4月からは新たに4名が加わって、総勢7名で地域資源の開発やSNSを使った情報発信、そして空き家対策や地域活性化などに力を入れている。大倉さんは、昨年から隊員を務めている。

話を聞いたのは、協定締結の舞台となった合掌造りの「旧寺口家」。江戸時代後期に建てられた家屋で、築200年ほどになるという。現在は、歴史的な建築や景観を保全する公益財団法人日本ナショナルトラストが所有し、この3月末からは大倉さんが借り受けて生活を始めた。

白川村の世界遺産集落には合掌造り家屋を「売らない、貸さない、こわさない」という住民憲章があり、大倉さんが借り受けたのは異例のケースと言えるが、人が住まない家屋は維持管理が難しいのも事実。大倉さんが住みながら家屋を管理し、村民が集うコミュニティスペースとして運営していくことになった。大倉さんいわく「村にとっても新たなチャレンジ」だ。


築200年ほどという「旧寺口家」を背景に。集落にある家屋は、古いものは江戸時代中頃に、新しいものでも明治時代に建てられたものだという


大倉さんはこの旧寺口家に生活の拠点を構えながら、コミュニティスペースとして村の人たちが集える場所づくりを行なう

村の魅力をとことん発信する「協力隊」の活動

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