「風俗に行こうかなと思って」 中卒作家、芥川賞受賞の喜びを語る

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 第144回目となる芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)が、2011年1月17日、東京都内で発表され、芥川賞には「きことわ」(朝吹真理子さん)と「苦役列車」(西村賢太さん)、直木賞には「漂砂のうたう」(木内昇さん)と「月と蟹」(道尾秀介さん)のそれぞれ2作品が選ばれた。中でも会場の注目が集まったのは、中卒のフリーターで、親子二代の逮捕歴を持つという芥川賞受賞者・西村賢太さんだ。

 発表会後に行われた西村賢太さんの個人会見において、記者からの「(芥川賞の)受賞の報を受けたときは何をされていましたか?」との質問に、西村さんは、

「自宅にいて、そろそろ風俗に行こうかなと思っていました 」

と答えると、会場には笑い声が上がった。続いて投げかけられた「自分の作品が読者に伝えられることは何だと思いますか?」との質問には、

「僕の本を読んで、自分よりダメな奴がいるんだなあと、ちょっとでも救われた気分になってくれたら嬉しいです。それで僕も、かろうじて社会にいていいんだと自覚できるような気がします」

と自らの小説を、自分と同じ「ダメな奴」にも読んでほしいと語った。

 西村さんは他にも

「昼に起きて、お金あればサウナに行く無為無策の生活をしています」「ダメだなコイツと思いながら楽しく書いているんですが、いつもどこかで『コイツはオレじゃないか』と気付いて落ち込み、結局お酒に逃げるんです」「普段誰ともしゃべらないんです。友達もいないし。だから話さないぶん、文章に(感情が)こもるんじゃないかと思います」

など芥川賞の受賞作家とは思えないコメントを連発。この模様を中継していたニコニコ動画では、視聴者から「おもしれー」「これなんて俺ら?」「読みたくなった」といった多くのコメントが寄せられていた。

 また、作品の解説や選評の楽しみ方などを解説していた歌人の枡野浩一さんも、西村さんが画面に映るたびに「(同時受賞した)朝吹さんとは対照的ですね」「どんな風俗に行こうとしていたんでしょうかね」などと話し、その人柄に興味津々の様子だった。

第144回 芥川龍之介賞・直木三十五賞 受賞者記者会見 生中継
「西村賢太さんの個人会見」部分より再生
http://live.nicovideo.jp/watch/lv37392022#2:14:17
(番組はタイムシフト機能で2011年1月24日まで視聴できる)

村井克成

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