ももクロちゃんサイコーだよ! 舞台版『幕が上がる』のゲネプロを観劇してきたゼーット
2月28日の公開以降、アイドル映画の枠を超えて大ヒットとなった“ももいろクローバーZ”の主演映画『幕が上がる』。日本が誇る劇作家・平田オリザ氏の小説を原作に、『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督がメガホンを務めた作品が、5月1日(金)より、今度は舞台となって幕が上がります!
前日に行われた初日開幕直前会見には、舞台版でも主演を務めるももクロの5人(百田夏菜子、玉井詩織、佐々木彩夏、有安杏果、高城れに)と、演出を務める本広克行氏が登壇。マスコミ向けに公開されたゲネプロの様子とあわせて、公演の見どころなどをネタバレなしで紹介します。
どんなストーリーなの?
原作小説は、地区大会すら勝ったことのない弱小演劇部が、かつて“学生演劇の女王”と呼ばれた新任教師と出会って全国大会を目指す物語。映画でもストーリーはそのままに、原作のキャラクターがももクロをイメージした“あて書き”だったのではないかと思えるほどピッタリのキャスティングで見事に映像化されました。
「私が演じた中西さんにはこんなエピソードがあったんだと驚きました」(有安杏果)と語るように、舞台版は原作の“ある期間”に焦点を当て、小説や映画では描かれていない彼女たちの心情を丁寧に描き出すという内容。少しだけヒントをお伝えすると、この舞台を観れば彼女たちがどのように苦難を乗り越え、なぜ最後の大会であのような成績を残すことができたのかが理解できるようになっているのです。
映画を観てないと楽しめないの?
今回の舞台版は、映画における彼女たちの関係性や葛藤を深く掘り下げていくものです。物語を100パーセント楽しむためには、予め映画を観ておくのが良いでしょう。少なくとも、小説で5人が演じる役柄だけでも把握しておくことを強くオススメします。
ももクロの演技はどうなの?
映画の上映時間約120分の間で主人公たちが演劇的成長を遂げていく姿は、本業は“アイドル”であるももクロが女優として成長していくドキュメンタリー要素と非常にマッチしていました。しかし今回は、経験を積んだ彼女たちが“舞台女優”として堂々たる演技を披露しています。
舞台上では、劇中劇として登場する『銀河鉄道の夜』を繰り返し練習する姿が描かれます。夏菜子演じる部長は、部員の演技を指導し、より良い演劇に修正していく“という演技”をする役。頭がクラクラするほどの多重構造でハイレベルな演技力が求められる役柄ですが、彼女が演出家として厳しく指導する姿は、まるで想田和弘監督のドキュメンタリー映画『演劇1・2』で映し出された平田オリザ氏を観ているかのよう。本人も、ワークショップを通じてその姿を学んだと語っています。
ほかの4人も同じく高い演技力を発揮し、「いろんな所でいろんな会話が繰り広げられているので、私たちだけじゃなくてお客さんも大変かも」(佐々木彩夏)と語るように、舞台上で同時多発的にさまざまな会話が進行するという平田オリザ氏特有の高度な脚本に対して見事に立ち向かっていました。
ももクロは歌うの?
この舞台はミュージカルではなく、もちろんコンサートとも違います。しかし、劇の重要な演出として、一部彼女たちの歌声が聞ける場面があります。今や全国のドーム会場でコンサートを開催するももクロですが、“Zepp ブルーシアター六本木”に響き渡る“とある楽曲”に、思わず涙してしまうファンも多いことでしょう。
演出の本広氏は、「モノノフの方もたくさん来ると思いますが、サイリウムは禁止します」と冗談まじりで語っていましたが、全力でサイリウムを振りたくなる場面があるのは確かです。
チケットが手に入らなかったけど、どうすればいいの?
舞台を観に行きたいけど、どうしても足を運べない! という人のために、うれしい情報が発表されました。5月24日(日)の千秋楽公演では、全国39か所の映画館にてライブビューイングが決定。上映館やチケットの入手方法については、公式サイトをチェックしましょう。
さらに、8月5日(水)には映画『幕が上がる』と、彼女たちの稽古の様子を収めたドキュメンタリー映画『幕が上がる、その前に。彼女たちのひと夏の挑戦』のBlu-ray&DVDが発売決定。というワケで、モノノフも映画ファンも舞台ファンも、一連の『幕が上がる』プロジェクトをまとめて楽しんじゃいましょう!
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https://getnews.jp/archives/809934[リンク]
舞台『幕が上がる』公式サイト:
http://www.parco-play.com/web/play/makugaagaru/
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