犬種神話にハマらないように
現在、世界には非公認犬種を含めて700~800の犬種があるといわれています。タイプも様々であり、ワーキングドッグではジャーマン・シェパードやドーベルマン、家庭犬ではトイプードルやチワワなどが人気なようです。皆さんご存知のように体格も様々で体重で見ると小型で3kgほど〜100kgを超える犬まで幅広く改良されていることが解ります。私の元に相談に来られる飼主さんの中には「小型犬はしつけをしなくても良い」や「日本犬に服従訓練は無理or必要ない」と思っている方もいるようです。果たして本当にそうなのでしょうか。
いやいや、犬種が何であれ、共通して皆おなじ犬であるわけです。体重3kg程のチワワも100kgを超えるセントラルアジアンシェパードであっても同じ犬です。サイズや気質の違いがあっても根本は同じ種類の動物です。
犬種の前に種としての犬
犬が精神的にも肉体的にも健康でいるためには生理的な欲求を満たしてあげる必要があります。生理的な欲求とは探索、縄張り、運動、睡眠、健康管理、飲食、安全な環境の保持などがあります。これらの生理的欲求はすべての犬に当てはまります。もちろん雑種でもです。これらの欲求が満たされていないと、問題行動に発展しやすくなると言われています。
すべての犬は社会性動物
どんな犬種であっても、犬はすべて社会性動物です。集団で群れをなして暮らす特徴は我々ヒトと同じです。個では弱い存在なので、集団で縄張りを守り、チームワークで生活します。生物が集団で暮らすには規律や規則が必要になってきます。犬の場合はヒトがチームのメンバーとなります。人間の社会でも規則がなければ暮らせません。犬でも同様に規則となる規律が必要になります。
犬同士でもしつけをする
犬の群れ(2頭以上)になると犬同士でもしつけをします。共に暮らすためにはお互いに尊重しあわないと、どちらか一方が我慢するハメになります。なので犬同士でもお互いが健やかに暮らすためにルールが必要になってきます。仮にヒトが何も躾をしなくても犬が犬をしつけます。しかしこれは犬社会の規律なので、ヒトは犬に人間の社会での規律も教えないと人間が住む環境に適応できなくなりストレスを溜めることに繋がります。
ヒトの社会で暮らす犬
ヒトの社会で暮らす犬は、犬の世界の規律だけでは不十分です。道路に飛び出したり、例え遊びでもヒトを噛んだら事件にもなりかねません。そのためにしつけは必要になります。犬を飼ったら飼主には犬の事を知る義務があります。犬の事をよく知り、適切なしつけを行って人間社会でも犬が安心して暮らせるようにする必要があります。
犬種に合わせたアクティビティをする
基本的な規律はどの犬にも必要だと先述しました。適切に規律を与えると犬の精神も安定します。その上で犬種の特性に合わせたアクティビティを行いましょう。例えば小型犬の中でもダントツの活発なジャック・ラッセル・テリアなどは散歩だけでは運動不足になりやすいので、別途運動をたっぷりとさせる必要があります。またワーキングドッグなどは運動だけではなく、アジリティーなどを使って、何か任務を与えるととても喜んで取組みます。
個性を大切に
犬種が何であっても、個性は様々であり、1頭として同じはいません。原始犬に近いとされる日本犬でもアジリティーが大好きな犬もいます。もちろんアジリティーを楽しんでこなせるという事は服従訓練なども見事に身に付けた証明になります。「小型犬は◯◯だ」や「日本犬は◯◯だ」などという迷信や偏見に惑わされずに、犬という動物の事を知り、目の前にいる愛犬の個性を大切にしてあげたいものです。愛犬が得意な事は積極的に延ばしてあげられればクオリティー・オブ・ライフの向上に大いに役に立ちます。画像の甲斐犬もコテコテの日本犬です。服従訓練も大得意です。犬種の特性として活発な部類なのでアジリティーのような技も簡単にこなします。
我々の人間の偏見で犬の可能性を潰してしまうのはとてももったいないことではないでしょうか。
TOP画像は著者撮影のもの。
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(執筆者: MASSAORI TANAKA) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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