伊勢神宮―“日本人の心の礎”を感じる旅に出掛けませんか (ガジェ通旅ライター:chakana)

内宮宇治橋

仕事柄、日本各地を飛び回っているchakanaです。

 今回は、伊勢神宮への旅についてご紹介したいと思います。伊勢神宮では20年に一度の神様のお引っ越し「式年遷宮」が行われました。平成17年に始まり、平成25年にはクライマックスとも言える外宮・内宮の正宮の遷御(せんぎょ=社のお引っ越し)を経て、つい先日、平成27年3月15日に行われた外宮の風宮の遷御をもって、全ての社のお引っ越しが終了したのです。

 この式年遷宮のおかげで、テレビや雑誌で伊勢神宮の特集が組まれたり、ニュースなどでも話題になったことで興味を持ち、初めて伊勢を訪れた方も多いのでは……。かくいう私も仕事柄、式年遷宮のクライマックスともいえる遷御(せんぎょ=外宮・内宮の正宮のお引っ越し)が行われた平成25年10月をピークに、平成23年からいまに至るまでほぼ毎週、多いときには週に2回も伊勢神宮へ足を運んでいました。もともと神社・仏閣好きではあったものの、行けば行くほど「伊勢神宮は別格」ということを肌身でヒシヒシと感じるようになり、いまでは伊勢の魅力にどっぷりとハマっています。全ての社が生まれ変わった伊勢を、改めて訪れてみるというのはいかがでしょうか?

 伊勢神宮とは正式名称を「神宮」といい、皇室の祖となる天照大御神をお祀りし、日本人の総氏神と言われている神社です。(日本には明治神宮などさまざまな神宮があるため、便宜上「伊勢」を付けているだけ。記事でもわかりやすくするために、伊勢神宮と表記します)神社本庁の本宗だとか、神階が授与されたことのない神社だとか、小難しい話はさておいておいて、とにかく唯一無二、日本人にとって特別な場所。式年遷宮という制度が生まれた意味にはいろいろな説がありますが、そもそもは「日本文化と伝統技術の伝承」が大きな位置を占めていたと言われています。飛鳥時代に天武天皇が制度を定め、20年に一度、125もある全ての社を作り変え、装束・神宝なども新しくしていく……1300年もの間、受け継がれてきた日本の文化・技術の原点をこの目で見、感じることができる貴重な場所でもあるのです。

【伊勢詣では外宮から】

 そんな伊勢神宮を参拝する際は、外宮をお参りしてから内宮をお参りするのが古くからの決まりごと。外宮には、天照大御神の食事を司る神様・豊受大御神が祀られています。1500年も前から、朝夕2回、欠かすことなくこの外宮で神様の食事=御饌(みけ)が作られ、内宮に奉納されているのです。

 外宮を参拝するには、だいたい40~50分ほどの時間が掛かります。表参道火除橋を渡るとすぐ目の前に一の鳥居が見え、手前の左手に手水舎があります。一の鳥居をくぐれば、あとはまっすぐ進むだけ。5分も歩かないうちに二の鳥居をくぐり、右手に神楽殿が見えてきます。

→伊勢神宮 外宮MAP
http://www.isejingu.or.jp/gemap.pdf[リンク]

地図は表参道火除橋横の衛士見張所に置いてあります。

 神楽殿ではお守り、お札、御朱印をいただくことができます。外宮・内宮にはそれぞれ「開運鈴守」というお守りがあり、外宮は勾玉形、内宮は巾着形と異なります。対で揃える参拝者も多いとか。そして、いまの時期、ぜひ手に入れたいのが「木守り」。式年遷宮で使われた用材(お宮や鳥居などに使われる材木)の余り部分で作られた木札で、数量限定なので無くなっている可能性も……。

 神楽殿を通り過ぎると、右手に「古殿地(こでんち)」「正宮(しょうぐう)」が見えてきます。「古殿地」は元々の正宮があった場所。まったく同じ大きさの敷地を隣り合わせて用意し、同じ寸法で、同じ配置で社を新たに作り、古い社は数ヶ月で解体され「御柱」を覆おう小さな社だけが残されて更地となるのです。

外宮古殿地

 正宮の参拝には、もう1つ小さな鳥居をくぐります。(この鳥居のなかから奥は撮影ができませんので、御注意を)正面には白い布で覆われた賽銭入れがあり、一般の神社と同じ「二拝二拍手一拝」で参拝します。このとき、注意したいのが「正宮では感謝の気持ちを述べる」こと。お願い事をする場ではないということを覚えておいてください。

外宮正宮

 正宮の参拝が終わったら、ぜひ池の方へ足を運んでみてください。注連縄のようなロープで囲まれた「三ッ石」が目に入ると思います。人の頭ほどの石が3つ固まった三ツ石は、川原祓所を行う際の目印として置かれている石。何かの神様が宿っているわけではありませんが、この石に手をかざすとほのかに温かく感じる人もいるとか……。

 三ツ石を通り過ぎ、池を右手に見ながら進んでいくと小さな川に掛かる大きな岩の上を通ります。この岩は「亀石」と呼ばれ、知る人ぞ知るパワースポット。その昔、外宮の裏にある高倉山の古墳の入口にあった岩とも、天岩戸が飛んできた際に岩戸を運んだ亀が岩になったとも伝えられているのです。池の側から岩を見てみると、きちんと頭と手(足?)があるのがわかります。

 亀石を渡ると、左手に風宮、右手に土宮があり、正面には石段が見えてきます。この90段ちょっとある石段を登ると「多賀宮(たかのみや)」という社があります。多賀宮は正宮と対になる社で、正宮が豊受大御神の「和魂(にぎみたま)」を祀っているのに対し、「荒魂(あらみたま)」を祀っています。荒魂とは神様が特別な働きをする状態、もしくは神様がこの世に現れている状態を指すため、この多賀宮でお願い事をすると神様に届きやすいと言われています。

 多賀宮を参拝したあとは、風の神様を祀る風宮と、もともとこの地をお守りしていた神様を祀る土宮をお参りし、神楽殿の方向へと戻ります。このまま元来た道を戻って表参道へ出てもいいですし、神楽殿の横から北御門へ進んでも構いません。北御門の近くには「御厩」があり、運が良ければ神馬と出会えるかもしれません。神馬は皇室から献上された白馬で1の付く日に神宮を参拝して御厩にいるのですが、神馬の体調が優れなかったり、行事などの関係でいたりいなかったりします。もし出会えたら、気品のある佇まいとおっとりとした雰囲気に癒されるはず。写真撮影はOKですが、フラッシュを焚いて神馬を驚かさないようにご注意を。

【新しくなった外宮参道も楽しもう】

 表参道から横断歩道を渡ると、伊勢市駅まで参道が続いています。式年遷宮に合わせて改修され、新しいお店もたくさんオープンしました。いろんなお店がありますが、私の独断と偏見でおススメをご紹介します!
(追加予定あり)

→外宮参道MAP
http://isekikuichi.com/wp/wp-content/uploads/2013/04/gekusando-map.pdf[リンク]

◆ 浜与本店……海の幸が豊富に採れる、鳥羽・答志島の水産会社直営のお店。牡蠣佃煮や生しらす丼は絶品!

◆ 赤福……言わずと知れた、赤福のお店。赤福はもちろん、冬季の赤福ぜんざい、夏季の赤福氷は食べ逃さないように!!

◆ ぱんじゅう……赤福の軒先に「なのか」の小さなブースが出ています。ぱんじゅうは古くから伊勢参拝者に愛されたおやつで、薄い皮に餡がギッシリ詰まっています。小豆餡の他に、胡桃入りや抹茶餡、カスタード餡など種類も豊富。

◆ 伊勢角屋麦酒……伊勢の地ビール直売店。スッキリと喉越しがよく飲みやすい、ラガータイプの「伊勢ピルスナー」をはじめ、神都麥酒や伊勢志摩限定の神楽麥酒が人気。デザインも伊勢らしく、お土産にも喜ばれます。

伊勢地ビール

◆ 若松屋……伊勢を代表する練り物・かまぼこの店。あの福山雅治さんが大好物だという「ひりょうず」を作っています。揚げかまぼこ棒などの定番商品だけでなく、外宮店限定の「かまコルネット」(白身魚のすり身と玉ねぎなどを食パンで包んで揚げた物)も人気。角屋麦酒と並んでいるので、ビールと合わせて味わうのがおススメ!

 さて、お次はいよいよ内宮へ……。

※この記事はガジェ通ウェブライターの「chakana」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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