鬼才・坂口恭平の最新刊は、アン・ファッショニスタの着こなし研究~マガジンハウス担当者の今推し本『ズームイン、服!』

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こんにちは、マガジンハウスです。今日は雑誌『POPEYE』の連載をまとめた、ちょっと変わった本をご紹介したいと思います。著者はあの坂口恭平さん。もう何かビンビンきますね。連載時の担当だったWさんに、色々とお話を聞いてみましょう。

――――あれ、背表紙に、いつものおうちマークがありませんよ!
W 「はい、これは“POPEYE BOOKS”第一弾なんです。これから、POPEYEの連載をまとめて単行本化したり、単発でも出したりしますよ」

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POPEYE BOOKSは、ホウレンソウの缶詰が描かれたマークが目印。

――――そんな記念すべき一冊目にふさわしい、濃密な本ですね。まずは、坂口恭平さんという人物が、どんな方なのかを教えていただけますか。
W 「うーん、難しいですね……。簡単に言えば、何でもできる人。そして、何か普通じゃない変なことをやらかしている人、でしょうか」

――――実際にお会いしたらどうでした?
W 「僕は坂口さんの描かれる絵が好きなんです。とても繊細でしょう。あと、お会いする前に原稿のやりとりを何回かしていたんですが、書かれる文章も、無駄がなくて困るぐらい完璧なんですよ。ちょっと文字数削るにも、ご本人に相談しないとならないぐらい緻密な仕上がりで……」

――――ほほう。
W 「ですが、ご本人は“繊細”とか“緻密”からイメージするような神経質そうなところはまったくなく、どっちかというと“気のいい兄ちゃん”という感じだったんです」

――――ややこしいタイプじゃないんですね。では、編集者泣かせでもない?
W 「あ、締切は守りませんよ」

――――あ、やっぱり?(笑)
W 「この連載は、人選も取材も坂口さんが決めて進められてて、イラストと原稿ができあがった状態で送ってくださってたんです。なので途中経過がわからない」

――――それは……ハラハラしますね。
W 「いつも坂口さんのTwitterをチェックしてましたね。見てると、取材するまでに時間をかけてくださっていて、書き始めるとむしろ早いということがわかったり(笑)」

――――そんなふうに吟味した取材対象者30人(うち1人は坂口さんご自身)の、服バナシをまとめたのがこの本ですが……。
W 「読んでいただくとわかりますし、坂口さんも書かれてますが、服というよりは人なんですよね。服単体ではなく、その人の着こなしや思考を見ているんです」

――――この29人の中で、Wさんはどの方に興味を持ちましたか?
W 「猟師の千松信也さんですね。かっこいいです。詳しくは本で(笑)」

――――猟師って肩書きがもう期待ですよね。他にも、古着再生師、発見家、洋蘭屋店主など、気になる職業が並んでます。
W 「社会の論理や日本の仕組みにとらわれていない、面白い方々ばかりです。単行本化にあたり、改めてご連絡差し上げたんですが、“私なんて取り上げてくれて…すみません”なんて仰る方もいました。そういう人達の色濃い部分を引き出しちゃうのが、坂口さんならではだと思います」

――――この本を、どんな人に読んでもらいたいですか?
W 「うーん……。……どう思います?」

――――逆にきましたか。そうですね、中学生とかそれぐらいの年頃の子かなあ。その後の人生が変わりそうで面白い。
W 「そうですか?」

――――そうじゃないですか? こんな濃い人たちの存在を知ったら、普通に学校出て新卒で会社勤めするという選択肢はなくなりそう……。
W 「ですね……確かに……」

――――……と、リーマン同士の沈黙はここらへんにして、最後に一言、お願いします。
W 「この本には面白い人がいっぱい出ています。ネットで見る人だけがすごい人じゃないですよ!」

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連載担当のW氏。今は異動してTarzan編集部に在籍中。マッスルマッスル。

今週の推し本

■ズームイン、服!(坂口恭平 著)
ジャンル : エッセイ
ISBN : 9784838727315
定価 : 1620円 (税込)
発売 : 2015.02.10
[http://magazineworld.jp/books/paper/2731/]

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