元フランス外人部隊のスーパーバイザーがレクチャー! “アップルシード アルファ的”超クールな銃の撃ち方
2004 年にその革新的映像世界で国内外に衝撃を与えた「アップルシード」シリーズ待望の最新作『アップルシード アルファ』 が 2015年1月17日(土)より、新宿バルト9他にて全国公開。「攻殻機動隊」で知られる士郎正宗による原作の世界観を、荒牧伸志監督をはじめとするスタッフが再集結し、完全再現したSFアクションで、美しい映像と大迫力な戦闘シーンは観る者を驚かせます。
実はこのリアルな戦闘シーンの裏には本作ならではのこだわりが。フランス外人部隊出身のスーパーバイザーを起用しハリウッドクラスの超リアルなガンアクションを追求。実戦経験を通して、培われたリアル・スキルからの斬新な発想や高度な技術を持つ、元フランス外人部隊兵・細川雅人さんを起用しています。モーションキャプチャー時のガンアクション・スパーバイザーとしてだけでなく、今回は特別にアクション俳優としても参加。
今回は細川さんにアクションシーンのこだわりから、フランス外人部隊兵時代のお話などをインタビュー。格闘ゲーム実況者のせんとすさんが、実際に撮影に使われた道具を用いて“アップルシード アルファ的”、超クールな銃の撃ち方を体験してきました!
元フランス外人部隊兵・細川雅人さんインタビュー
―本作が戦地経験のある方をアドバイザーに迎え、ガンアクションを作っているという話を聞いて驚いたのですが、細川さんは以前よりこうした指導をしてきたのでしょうか?
細川:これまでのインディーズの作品などでガンアクションを指導するといった経験はあるのですが、こうしたビッグ・バジェットの作品は初めてでした。
―「アップルシード」の現場に参加してみていかがでしたか?
細川:士郎先生は昔から大ファンでした。1991年にフランス外人部隊に入隊して4年間いたんですが(中途除隊)、1992年に夏休みをいただいて日本に帰ってきたんですね。その時に、士郎先生の作品を出版している「青心社」が大阪にあると知って「士郎先生いらっしゃいますか?」と電話して。その時に対応してくださったのが、士郎先生の担当編集の方で、実際にお会いしたんですね。それから20年来の仲です。そして、実は今回『アップルシード アルファ』に僕が関わる事になったのも、その担当編集の方の力添えなんです。「そろそろ細川使えるんじゃないか」というノリで荒牧監督に話してくださって……。監督に会って、プレゼンをして。
―では、その時に電話しなかったら今回のお仕事も無かったかもしれないという。現場では実際どんな事をしたのですか?
細川:モーションキャプチャーの現場に呼んでいただいて、外国の俳優さんたちに指導していたら、荒牧監督に「細川さんが直接やってみましょう」と言われて、デュナンや兵士の動きをやらせていただきました。
―大好きな作品の主人公の動きを演じる。本当に素晴らしい経験ですよね!
細川:そのとおりですね。僕が外人部隊に入った理由は色々あるのですが、『エイリアン2』と『アップルシード』があったからというのも一つで。なので、今回デュナンの動きをやらせていただいて、感無量ですね。原作本がボロボロになって色が変わるまで読んでいたので。
―特にこだわったのはどんな事ですか?
細川:僕は野戦専門で、大きな荷物を持って野原をかけめぐるという訓練をしていたのですが、『アップルシード』も荒々しい戦いの印象があったのでそこはピッタリだなと思いました。後はモーションキャプチャーをする際、俳優さんの演技が外国の方らしく大きく動いてチャーミングだったので、そのチャーミングさと荒々しさのギャップを出せると面白いかなと思い、戦闘シーンでの動きは思い切り荒々しくやってみました。
―完成した作品をご覧になっていかがですか?
細川:カッコ良い戦闘シーンはありつつも、ミリタリー色が強いわけでは無いので、多くの方に楽しんでもらえる作品だなと思いましたね。映像がものすごくキレイなのでまるで実写の様な空気感があって。もちろん「アップルシード」ファンも大興奮だと思います。
せんとす:僕は格闘技が好きで、格闘家の中にも軍隊出身の方がいらっしゃいますが、細川さんの様な実際に軍隊にいた方から見た格闘技っていかがですか?
細川:僕は「RINGS」が好きでした。目に見えてムキムキな人よりもインナーマッスルが発達している選手が好き。一見普通っぽいんだけどめちゃくちゃ強いっていう人に惹かれます。例えば大学教授と八百屋のおじさんどちらが知識があるか? といったら、普通大学教授を選ぶと思うんですけど、実際に野草を食べてサバイバルな生活をしなければいけないとしたら? どちらに軍配が上がるか分からないですよね。知識は工具だと思っているので、使う必要と技術が無かったら役にたたない。
せんとす:おっしゃるとおりですね。今回お話を伺って、本物の戦地を経験されている細川さんにもっと色々教えていただきたいなと思いました。
細川:では今からちょっとやってみましょうか!
“アップルシード アルファ的”、超クールな銃の撃ち方
細川:では、自分なりに銃をかまえてみてください。
せんとす:こんな感じでしょうか?
細川:(銃の先に手をあてて、垂直に押す)
せんとす:(よろける)
細川:軸がしっかりしていないので、少し押しただけでもよろけて体制が崩れてしまいましたね。それは銃をちゃんとかまえられていないという事です。
細川:ストック(銃床の底の部分)を右肩にあてて安定させます。
細川:右の頬を銃に押し当てて、水平に。重心を低く、反動に備えて上半身を前加重に。
せんとす:銃を水平にしようとすると姿勢が崩れて、右の頬が銃から離れて……。一度にいくつものポイントを意識するのが本当に大変ですね。
※写真のせんとすさんは姿勢が崩れて上半身が立っているので、銃の構え方としては失敗です。
細川:実際の戦闘ではこの膝撃ちと、立ち撃ちを繰り返したり、一瞬で体制を作らなければいけません。
せんとす:モーションキャプチャーに使う銃ってもっと軽く作られていると思っていたのに、実際にしっかりと重さがあって(銃によっても違うが、これは約5kg)、今数分教えていただいただけでも腕が相当疲れました。これを何時間も、何日もやり続ける俳優さんも大変ですね。
細川:実際の戦場では銃だけではなく、大きな荷物を背負って、荒れた地をズンズン歩いていかなくてはいけません。ウェイトをつけすぎた体の大きな人は途中で動けなくなってしまうんですよね。先ほどの格闘技の話の様に、インナーマッスルを鍛えて一見すると普通の体型、という人の方が野戦向きという事です。
せんとす:今日は貴重な経験をありがとうございました!
この様に、戦地を実体験している細川さんのアドバイス、ガンアクションのモーションキャプチャーによって生まれた『アップルシード アルファ』のリアルなアクションシーン。この迫力はぜひ大スクリーンで!
どのシーンに細川さんのアドバイスや動きが活かされているの? インタビュー動画公開中!
https://www.youtube.com/watch?v=XvXqH5ck2tc
【細川雅人プロフィール】
1969年京都生まれ 1991年 フランス外人部隊 入隊。約4年間従軍(中途除隊)東アフリカ ジブチ共和国、ソマリア共和国、旧ボスニア・ヘルツェコビナなど派遣国多数。『アップルシード アルファ』ではミリタリーアドバイザーとして、銃器の取り扱い、アクション指導など経験に基づいたリアルな動きの指導で本作をバックアップしている。
【せんとすプロフィール】
ゲーム実況とかラジオ放送とか番組MCとかやってます。格闘技、格闘ゲームファン。
ニコニコチャンネル:http://ch.nicovideo.jp/upnushinger
『アップルシード アルファ』1月17日より全国公開!
Blu-ray劇場限定版1月17日(土)発売
Blu-ray完全生産限定版2月18日(水)発売
発売元:アニプレックス
Motion picture (C)2014 Lucent Pictures Entertainment Inc./Sony Pictures Worldwide Acquisitions Inc., All Rights Reserved.Comic book (C)2014 Shirow Masamune/Crossroad
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