円安で一部の人間だけが得をしているという人たち(メカAG)

円安で一部の人間だけが得をしているという人たち

今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

円安で一部の人間だけが得をしているという人たち(メカAG)

円安だと一部の輸出企業だけが得をすると批判してる人って、自己矛盾を感じないのだろうか。裏を返せばいままで円高で得をしてた人がいるわけだ。「大多数の庶民」が得をするならOKということなのだろうか。

んで、その得をしてた分がなくなって、怒ってるということを自覚してるんでしょうかね。庶民はいままで得をしてたんだよ?

でもね、為替レートがちょっと変わっただけで、得をするって変だと思わないんですかね。2008年のリーマン・ショックの頃1ドル=120円だったのが、2012年には1ドル=75円になった。日本人はなにもせずに1.5倍金持ちになったわけだ。おかしいだろう。

「急激な為替変動は良くない」とか言ってる人たちは、急激な円高を招いた当時の日本の金融政策こそ批判すべき。

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いままで日本人は「おいしい」思いをしてたわけだよ、なにもせずに資産が1.5倍になった。そんな虫のいい話はないよね?生み出している価値はたいして変わらないのに一夜にして給料が1.5倍になるなんて。

その代償として経済がガタガタになった。無能なオッサンの給料を会社が突然1.5倍に上げたようなもの。そんなことしたら倒産するよね。

この代償は払うのをあとにすればするほど辛くなる。経済活動は沈滞し、新製品開発は行われなくなり、過去の資産を切り詰めて食いつないでいる状態。新製品開発が行われなくなると技術力が衰えて行き、開発しようとしてもできなくなる。円高で日本の技術が海外へ随分流出したよね。

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早くそういう過去は精算し、経済を健全な状態に戻し、再び技術力を蓄えるしかない。基礎技術力を維持する土壌が完全になくなってしまった後に立て直しを始めても遅いんだよ。国民は危機感がない。

繰り返しになるが現状をこのまま維持することはできない。日本が海外から食料や燃料を輸入しなくてもすむなら、このまま清貧の社会を続けることも不可能じゃないが、食料や燃料を輸入するには、国際市場の輸出競争で勝ち残らなければならない。そうしないと食料や燃料の代金を払えない。先延ばしにするか、いま立てなおすしかない。立て直しは辛いが、先延ばしにするともっと辛くなるよ、と。

「日本はこのままでもいいんだ」「必死の競争なんて今時流行らない」と甘い誘惑をする人たちがいるけど、それって「円天」みたいなもの。使っても減らないお金ってあったよね(笑)。貿易収支が赤字なのに、いくら為替レートで円高にして資産の額面を増やしたところで、実態が赤字なんだから、最終的には円天と同じく、化けの皮が剥がれて破綻する。

よくアベノミクスを「経済にフリーランチ(タダ飯)はない」と批判する人がいるけど、フリーランチを食ってるのは、いま(円高)なわけだよ。当然つけは払わされる。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2015年01月08日時点のものです。

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