痴呆高齢者の連絡先がわかるQRコードバッジ 行方不明問題を地域行政で防止する取り組み 

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日本では高齢化社会が非常に大きな社会問題となっている。年金運営のような経済的側面だけでなく、高齢者の徘徊や行方不明といった、より身近な地域の問題でもある。

13億人を超える人口を有する中国でもまた、高齢者の増加が問題視されてきているという。年老いてくると、身体能力だけでなく、記憶力や判断力も衰えてくる。特に痴呆症やアルツハイマー症のような病気を患っている高齢者は、しばしば混乱を来たしたり、戻り道がわからなくなってしまう。

QRコードをスキャンして、高齢者の情報にアクセス

そこで、中国の政府機関がQRコードのバッジを試験的に導入したという。安徽省(あんきしょう)管轄の定襄県(ていじょうけん)という地域の、50人の高齢者に試験的に使用してもらった。このバッジにはQRコードとともに、「家に連れ帰ってください。コードをスキャンしてください」というテキストが記載されている。QRコードにはIDカードナンバーや、家族の連絡先、居住地域の情報が含まれていて、道に迷っている老人を見かけた通行者は、スマートフォンでQRコードをスキャンして、本人を特定する情報にアクセスできる。

衣服に貼り付けられるタイプの開発も

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現在は、耐久性のあるプラスチック製のバッジだが、衣服に貼り付けられるバージョンの開発も進められているという。この区域には60代以上の高齢者が1400人以上住んでおり、テスト運用の後、プロジェクトを拡大推進していく見込み。QRコード方式ならコストはあまりかからず、かつ大量生産もしやすい。行政が高齢者の行方不明者防止に取り組むことの意義は大きいだろう。わが国でもこういったITを生かした取り組みが待たれる。

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