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職場は楽しくあらねばならない 驚きの米国職場体験

サウスウエスト航空についてさらに詳細を知りたい方は次の書籍がおすすめです。

『破天荒!―サウスウエスト航空 驚愕の経営』ケビン&ジャッキー・フライバーグ著 日経BP社
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/140124.html

別のことを紹介します。「本当に使える 実践ビジネス英会話」*3 の不明点についてノアにいくつか質問をしている際に、転職時の面接についての話題になりました。その話題は“My biggest fault is……”、つまり自分の短所について話すことです。

私はその場では正直に「私は考えずに働くことが苦手です」と言いました。ノアは私が最初何を言っているのか理解できませんでした。補足説明すると、「上司からその仕事をする意味が分からない無駄な作業を与えられた際に、もくもくとそれに従って仕事をすることが苦手です」ということです。例えば、新卒一年目にやらされたひたすら伝票にハンコ押し続けさせれる作業、またひたすらダンポール箱を作り続ける作業をしました。これらの業務は結局2年目以降の仕事において全く役に立ちませんでした。

*3:「【職場】職場で実際に使われている英語を学ぶ “本当に使える 実践ビジネス英会話”」 2010年3月22日 『The Wisdom of Crowds – JP』
http://wisdomofcrowdsjp.wordpress.com/2010/03/22/e055/

こういう業務をするくらいならもっと会社に貢献できるような業務があるだろうにと、当時は、そして今でもおかしいと思っています。さらに補足説明をすると「自分で工夫することが許されない仕事が苦手です」と言いました。具体例には『Excel』の単純作業を省力化するためのマクロを組むことを禁止されるようなことは受け入れがたいことです。これが冗談なら良いのですが、実際に私も似たような経験をしたことがあるので、全く笑えません。

参考:「マクロを組んで作業するのは実力ではないですか?」『OKWave』
http://okwave.jp/qa/q5419623.html

この時、ノアからは「日本では上司と意見交換をすることはないの? なら上司が明らかに間違っている指示を出した場合はどうするの?」と聞かれました。私はその時思わず黙りこんでしまいました。私は前職の日系企業時代には「明らかに上司の指示が間違っている場合でも、反論したことはありませんでした」。これはノアの会社と違って上司にモノを言える雰囲気が全くなかったからです。

私はよく会社の先輩から「自分のやりたいように仕事をするためには40歳になるまで待て」と言われていました。こんなことを何度も言われるうちにばかばかしくなって、その会社は辞めてしまいましたが。だって40歳になったころには自分よりも優秀な20代の若者たちが会社に入ってきています。そしてそのころの若者たちが今の自分と同じように自分の意見が言えないということを想像すると……なんという不幸の世代間連鎖 *4 なのでしょうか。サウスウエスト航空とまるきり正反対の方針をとっている日本企業、職場を自ら面白くない場所にしている日本企業は社員のやる気を著しく低下させます。

*4 :「不幸の世代間連鎖を断ち切ることの大切さ」2009年07月09日『女と男の心のヘルス-癒しの心理学』
http://www.556health.com/archives/2009/07/post_367.html

この話を聞いたアメリカ人たちは全員「日本人はおかしい。私なら絶対“Fxxk you!”と言って会社を辞めてる」と言っていました。日系企業では自身の管理する業務を改善する“改善提案”は許されても、部署全体を改革するような“改革提案”は決して許されないし、口にしてもいけないのかもしれません。

一方ノアの場合はというと、「上司が間違った事を言えばその場で反論するし、普段から『Wii』で遊んでいたり、『facebook』で友人関係にあるから別に雰囲気が悪くなるなんてことないよ」と言っていました。転職が当たり前で一見冷たく思えるアメリカ企業、でもこの風通しの良さはなんなのでしょうか。そして、「社員は家族だ。大事にしないといけない」という日本企業の方が社員同士言いたいことを言えない閉塞感( へいそくかん)漂う職場環境が多いというのはなんとも皮肉な現実だと思います。

また、アメリカ企業の場合は“転職が当たり前なので、前任者の業務内容を否定しやすい”という環境もあります。既存の制度/仕組みが時代遅れなったり現状に合わなくなれば、全てを否定することができます。一方、多くの日本企業の場合は“時代遅れの制度”を作った張本人が社内にまだいて、おまけに出世して社内で偉くなったりしている場合があります。そういう場合にその制度を「もう時代遅れだから辞めてしまおうか」と口に出せない雰囲気があります。だからこそ、転職が当たり前でない日本においては「定期的に制度を廃止していくことが必要」だと思います。そうしなけばいつまでも時代遅れの非効率的な制度に苦しみ、仕事の生産性は落ち続けます。流れない水はよどみ、腐敗します。

参考:「流れない水は淀むー私はなぜ43歳の若さで社長を辞めたのか」『SOFTBRAINco.,Ltd』
http://www.softbrain.co.jp/new/detail.php?462

“社会の厳しさ”の9割は「社会は厳しくあらねばならない」という妄想を持った人たちによって作られている。日本社会はこの言葉を文字通りに実行している人が多いのだと思います。社会が厳しくなければいけないなんてだれが決めたのでしょうか。仕事が暇な時に職場で同僚同士、会議室の大きなテレビを使って『Wii』でゲーム大会をしてはなぜいけないのでしょうか。“職場は楽しい場所であるべき”という考えに基づくアメリカ人たちはこれを現実に実行しています。そして彼らの職場は毎日笑いが絶えません。笑いながら楽しそうに働いている、そして労働時間は1日8時間、かつ給料は私たちの数倍以上もらっている。現にアメリカでこういう会社があるのだから、「アメリカはアメリカ、日本では実現不可能」と言って現実から目を背けることなく、その差を埋めるためには何をすべきなのか考えるべきだと私は思います。

以上で「職場は楽しくあらねばならない。驚きのアメリカ職場体験」について終ります。日本人にとっては eye opening(目が見開かれる)で、jaw dropping(あごが落ちる)な驚きの内容でしたでしょうか。

注意 関連記事の紹介
この記事と次の記事「世界的な人材獲得競争」の内容は密接に関わっているため、両方の記事を合わせて読んでください。

「世界的な人材獲得競争」 2010年5月6日『The Wisdom of Crowds – JP』
http://wisdomofcrowdsjp.wordpress.com/2010/05/06/a075/

世界的な人材獲得競争にてアメリカ企業はなぜ社員に居心地の良い職場環境を提供しているのか、その背景となる理由について書いています。世界的な人材獲得競争を読まないと、この記事の内容は半分しか理解できません。

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ブログにて『はてなブックマーク』を2200以上獲得した(獲得数で歴代100位以内)「実用的な英語を習得する方法」、TOEIC860点を取得、かつ日本の英語教育で欠けている“話す”、“書く”ための英語学習方法を紹介しています。なおこの「実用的な英語を習得する方法」は書籍化が決まりました。
「実用的な英語を習得する方法」
http://wisdomofcrowdsjp.wordpress.com/sitemap/english/

また、地球の歩き方には載っていない“とんでもないアメリカ社会”を紹介した「米国体験記」をブログにて公開しています。こちらもぜひご覧ください。
「米国体験記」
http://wisdomofcrowdsjp.wordpress.com/sitemap/us/
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執筆: この記事はHALさんのブログ『The Wisdom of Crowds – JP』からご寄稿いただきました。

文責: ガジェット通信

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