テレビマンが本当によく使う「業界用語」~面白いか面白くないか編~
先日、学生時代の友人たちと集まっていると、それぞれの働く業界で様々な表現や言い回し、所謂「業界用語」が存在することに気付き盛り上がった。
そこで、テレビ業界では日常的に使われるが、他業界ではあまり使われていないのではないかと思われる言葉を解説していく。今回はテレビにおいて極めて大切な、「面白いか、面白くないか」を表現する業界用語を紹介したい。
◆「弱い」「ネタが弱い」、「19時台でやるには弱い」、「うーん弱いなぁ」、などのように使う言葉。「面白い」というレベルまで到達していない、というような意味。基本的に“インパクトが弱い”の略だと思って良い。
◆「見える・見えない」若手がネタをプレゼンしたが相手の反応がイマイチだった時、「ちょっと見えないですかねぇ…?」などと使う。「その企画やネタが放送された時、お茶の間の人たちが喜んでいる未来が見えるか、見えないか」、もしくは「その企画やネタを進行した時、面白くなっている未来が見えるか、見えないか」、というニュアンス。しかし、「いやーまぁ面白いんだけどね、でも俺は見えないなー」などという使い方もあるので、よくわからない。
◆「これ自体は面白いんだけど…」先ほども登場した、「これ自体は面白いんだけど」。これも非常によく使われている。この言葉の意味を大袈裟に言えば「面白くない」ということ。はっきり面白くない、と言い切るよりも「これ自体は面白いんだけど、今回の企画には合わないかも」とか「これ自体は面白いんだけど、今の時期はなぁ…」などと表現することによってオブラートに包んでいる。
◆「俺は好き」「これ自体は面白い」にニュアンスは近いが、こちらの方がもう少しポジティブ。「面白い!」と言い切るには少し自信が無い時、「俺は好き!」と使う。つまり、「俺は好きだけど、他の人や、視聴者も面白いと思うかどうかは知らないよ」といった感じ。
◆「これが面白いか面白くないかは置いといて」絶対に置いておいてはいけないのだが、今説明しようとしている例が面白くないことによって、話し手自身や言っていること自体が面白くないと判断されては困る時に使われる。「青いものっていいよね!」と言いたいのに、目の前にはリンゴしか無かった時「これが青いか青く無いかは置いといて」と言ってしまう感じ。
まとめA「このネタ自体は弱いけど、こういう系はアリじゃない?」。B「うーん、まぁ俺は好きだけどね」C「これが面白いか面白くないかは置いといて考えればアリだと思うよ」D「いやー、これ自体は面白いんだけど、俺は見えないなあ」一同「うーん…」
こんな感じで、面白いことを考えることを生業としているテレビマン達は、「面白くない」という身も蓋もない言葉を極力使わないためにいろいろな表現を使っている。テレビ業界以外の業界の方で、何かあなたの業界用語があれば面白いか面白くないかは置いといてコメント欄にでも書いて欲しい。
(Photo by Hideya HAMANO)
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