シフト制の仕事で脳の機能が低下
シフト制の仕事によって、脳の機能が低下することが分かった。
仏トゥールーズ大学とフランス国立科学研究センターのジャン・クロード・マルキー氏らの研究グループが、労働分野の国際誌であるオキュペーショナル&エンバイロンメンタル・メディシン誌で2014年11月3日に報告している。
回復に少なくとも5年
シフト制の仕事は体内時計を乱すものとして知られており、がん、心臓の病気、メタボリックシンドロームのような健康障害と結びつけられてきた。今回、記憶力や処理速度のような脳の機能に及ぼす影響について検証された。
研究グループは、さまざまな業種において現役で働いているか、定年退職した3000人を対象として、長期記憶、短期記憶、処理速度、認識能力を1996年、2001年、2006年の3回にわたり追跡。調査開始時の年齢は32歳、42歳、52歳、62歳とし、最終的に1197人が3回評価された。
現役で働いている人の18.5%と定年退職した人の17.9%は、シフト制で働いていた。
シフト制で働く経験のある人は、通常の勤務時間で働いている人よりも、記憶力、処理能力、全般的な頭脳のスコアが低かった。
また、10年以上シフト制で働いた経験のある人は、シフト制で働いたことのない人よりも認識力と記憶力が低く、これは年齢による認識力低下の6.5歳分に相当した。シフト制の仕事をやめると認識力の改善が可能であることが認められた。しかし、改善には少なくとも5年かかった。
認識力の低下には、日光を浴びる量が少ないことによるビタミンD不足も関係している、と考える研究者もいる。
文献情報
Marquié JC et al. Long term shift work linked to impaired brain power. Occupational & Environmental Medicine. 2014 Nov 3.
http://oem.bmj.com/content/early/2014/10/08/oemed-2013-101993
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