カナダ エボラ熱流行国からの入国制限を施行

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10月31日、カナダ政府は、過去3ヶ月以内に、エボラ熱が流行している西アフリカ諸国に滞在した外国人へのビザ発給を一時的に停止すると発表し、即日実施に踏み切りました。

これにより、過去3ヶ月以内に西アフリカのエボラ熱流行地域に滞在した外国人は、カナダへ入国が出来なくなりました。

ただし、カナダ政府は、西アフリカ諸国で医療従事活動をしているカナダ国籍の医療関係者や、西アフリカ在住のカナダ国民の帰国については、問題なく入国を認めるとしています。

カナダ政府の今回の措置は、カナダ国内へエボラ熱を持ち込まないための「水際作戦」でしょう。
ですが、西アフリカから帰国するカナダ国籍の市民を入国させる際に、エボラ熱に罹患している市民がメディカルチェックをすりぬけるケースはじゅうぶん考えられます。

また、エボラ熱流行地域にいた外国人の入国について慎重になるのはよく理解できますが、過去3ヶ月以内に滞在した人を、一律入国させない措置をとるというのは、科学的根拠に乏しいと思います。

エボラ熱は、潜伏期間が3週間程度とされています。したがって、3週間以前にエボラ熱の流行国から出国して発熱していない場合、エボラウイルスに感染していないと考えるのが通例です。

したがって、過去3ヶ月以内に西アフリカの感染流行国にいたことを根拠に、ビザを発給しないのは、科学的にみて合理的とは言えません。

カナダ政府はこの措置によって、国際社会から非難を受ける可能性があるのではないかと指摘する声も聞かれるようになりました。同様の措置は、すでにオーストラリアも実施しています。

世界が連携して動く時代ですから、人道上の問題も尊重し、かつ科学的な根拠をもとに検疫政策を実施してほしいですね。

 

写真は 足成 http://www.ashinari.com/ より

※この記事はガジェ通ウェブライターの「松沢直樹」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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