西アフリカから羽田へ到着の男性 エボラウイルス検出されず
27日午後、西アフリカのリベリアから、英国、ベルギーを経由して羽田空港に入国した40代ジャーナリストの男性が発熱などの症状を自己申告しました。
政府は検疫法を根拠に、男性の同意を得て、エボラ熱の治療が可能な東京都新宿区の国立国際医療研究センターに搬送しまして経過観察を行うことを公表しました。
また、国立感染症研究所は、採血した男性の血液を分析し、エボラウイルスに感染しているかどうが28日未明に公表すると公表していましたが、今朝の発表では、エボラウイルスは検出されなかったとのことです。
エボラウイルスに限らず、ウイルスによる感染症は発症してから時間が浅いと、ウイルスを検出できない場合があります。そのため、そのため政府は、男性を国立国際医療研究センターに3日間ほど引き続き入院してもらい、経過観察を行うとしています。
まだ完全に収束が確認されたわけではありませんが、ひとまず落ち着いて考えられる状態になったのは幸運といえます。
とはいえ、今回の経過観察の中で陽性反応が出ていた場合、男性が利用していた飛行機の搭乗者約200名も経過観察のために入院していただく必要が出てくるケースもありえます。
また、エボラ熱は発症するまで3週間程度の潜伏期間があるとされています。潜伏期間中は、他の方に感染しないとされていますが、国内へ入国した場合、感染症法の規定では、原則として発症が認められた患者しか隔離入院ができません。
したがって、潜伏期の患者が入国して国内で発症した場合、感染拡大の封じ込めが難しくなるなどの問題が懸念されています。
すでに国内では、エボラ熱が発生した場合の拠点病院が指定され、体制が整っています。しかしながら、感染拡大に対してもっとも有効な予防法は、私たち一人ひとりが正しい知識を身に着け、デマに惑わされずに適切な予防法を講じることです。
常日頃から、政府の情報や信頼できる科学的な情報に触れて、知識を身に着けておきたいですね。
写真は 足成 http://www.ashinari.com/ より
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