【聴覚障害者をサポート】会話をリアルタイムでスクリーンに表示 誰が何を言ったのか識別
耳が不自由な人にとっては、人の会話についていくことは想像以上に苦労がつきまとう。しばしば会話中には、方向性やトーンが変化したり、1度に何人もの人が発話したりすることもあり、目まぐるしく変化していく。また、発話する人のくちびるの動きを読むことは難しく、英語においては25%程度しか読み取れないという。
300人以上の専門家らの協力のもと開発
サンフランシスコのスタートアップ「Transcense」は、聴覚障害者をサポートするアプリを開発中だ。カリフォルニア大学バークレー校やサンフランシスコ大学の卒業生であるThibault Duchemin氏、Skinner Cheng氏らを中心とした開発チームで、Duchemin氏は家族に聴覚障害者がいる家庭で育ち、Cheng氏は2歳から自身が聴覚障害をもっている。
聴覚障害が身近な存在である彼らのバックグラウンドをベースに、300人以上の聴覚機能訓練士、発話行動のスペシャリスト、聴覚障害者の協力のもと、“光の速さ”で会話を書き取るような技術を開発している。
スマホのマイクを活用、わずか1秒以内で会話をテキストに変換
さまざまなスマートフォンに対応する「Transcense」では、スマートフォンのマイクを活用し、会話を“聞き取る”機能を磨き上げている。そして聞き取った会話の内容は、即座にユーザーのスクリーンにテキストで表示される。この間、なんとわずか1秒以内。ソケットとnode.jsの構造を用いることで、聞き取りから変換までが1秒以内という超速度を実現させている。
“誰が”“何を”言ったのかまで識別
また、発話認識テクノロジーを用いて、“発話者の声の違い”を認識するのだという。つまり、“誰が”“何を”話しているのかを識別することが可能で、区別された発話者のコメントは、それぞれ色分けした噴出しで表示され、会話の流れが一目瞭然になっている。
「Transcense」は年間360ドルの利用料となる見込みで、Indiegogoに協賛したユーザーには150ドルとなる割引利用料を計画しているという。個人的に書き取りのスペシャリストを雇うよりずっと安価でサービスを受けられるようになり、聴覚障害者に大きなメリットをもたらしてくれそうである。
ウェブサイト: https://techable.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。