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米国で大人気の日本文化 そして広がる海賊版

*3:『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』 クリス・アンダーソン著 NHK出版
http://www.freemium.jp/book

ではここから「では海賊版対策に何をすれば良いのか」と私が色々と考えている事を記します。ここでも引き続きコミックを例として取り上げます。現在すでにインターネット上で無料で多数の海賊版が出回っています。これに対抗するには“翻訳の質を上げる”“画質の向上”が有効だと思います。特に“翻訳の質”は『One Manga.com』は素人が翻訳しているので、正規の翻訳本に対してイマイチということを何度も聞きました。そしてまた、素人が画像の読み取りをしているので画質も粗いです。

これらの改善に加えて、価格はインターネット上に出回っている無料の海賊版に対抗するために抜本的に下げる必要があります。この価格を下げるのにはコミックの電子書籍化という考えが役に立ちます。画像と翻訳の質を海賊版よりも良くした上で、例えば『iPad』上で漫画を読めるようにする。料金は“500円/月”を払えば登録されている漫画が読み放題という『ニコニコ動画』方式。もしくは『iTunes』のように“コミック40 円/冊”といった風に抜本的に価格を下げれば海賊版に対抗できます。そしてまた、電子書籍化をすれば翻訳を何度も直す事ができるので、翻訳の質を劇的に向上させることができます。無料の海賊版に対抗するためにはこれくらいに抜本的にやらなければ太刀打ちできません。ただ、これをするには出版社の構造自体も大きく変えないといけないでしょう。日本における現在の電子書籍をめぐる攻防を見ていると難しいだろうなとは思います。

ここで問題点を1つあげると『iPad』は規制が色々と厳しいです。日本の漫画がそのまま配信できない恐れがあります。有名なコミックの『働きマン』 *3 が配信拒否された件についての記事を参考にしてください。

*3:『働きマン』 安野モヨコ著 モーニングコミックス
http://morningmanga.com/lineup/11

「電子コミック『働きマン』が配信拒否になった理由–電子書籍時代の検閲」 builder / ZDNet Japan
http://builder.japan.zdnet.com/sp/epub2010/story/0,3800103623,20412980-2,00.htm

でも、『iPad』が駄目ならAmazon、Borders *4 、Barnes&Noble *5 、SONYと電子書籍の端末を扱っている競合に当たれば良いのです。日本の漫画というキラーコンテンツを持てば競合に一気に差を付けることができるので、いずれかの企業からは必ず歓迎されるはずです。ハリウッド映画に並ぶ漫画という世界最強のコンテンツを有する日本の出版社が、電子書籍化にもっと積極的かつ戦略的に乗り出せば、現在の電子書籍市場を席巻できるのになと歯がゆく思っています。

*4:『Borders Direct』
http://www.borders.com/online/store/Home
*5:『Barnes&Noble www.bn.com』
http://www.barnesandnoble.com/

ここでは漫画の事例を紹介しましたが、アニメについても同様です。アニメも現状海賊版の横行が酷いです。戦い方としては漫画と同じように電子端末上での配信・再生を軸とした戦略を取れば戦えるはずです。そしてまたコンテンツ販売以外の利益を挙げる方法を考えると、グッズの販売やニューヨークのコスプレイベントのような企画です(他にも色々とありそうです)。情報の価格が限りなくゼロに近づく時代、書籍『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』で紹介されているような時代においては、新しいお金もうけの仕組みが必要です。

さらに過激なことを考えると、もういっそのこと無料でコンテンツを配信してしまって、寄付に頼るというのもありかもしれません。素晴らしいコンテンツを無料で楽しむのを申し訳なく思って、お金を寄付したいと思う人はいますから。去年お台場の実物大ガンダムを見るためにわざわざ来日した外国人達、そしてニューヨークのコスプレ大会ではしゃいでいる米国人達を見て寄付に頼るのも可能かなと思いました。ただ、寄付を推進するためには未成年がお金が払いやすい仕組みが必要です。クレジットカードに変わる新しい決済の方法を構築しないといけません。

私は大金持ちになったらお気に入りの小説『アイの物語』を自分でお金を出してAudiobookにしたいとずっと思っていました。こういう風に文化に投資したいと思う人達はいるので、彼らから寄付を募る仕組みも海賊版対策と並んで有効です。ちなみに『アイの物語』は来年英語版のAudiobookが発売されるので、私はいまとても幸せです。だから先程の文章は過去形で書いたのです。『アイの物語』、特に作中の『詩音が来た日』はここ10年で読んだSF小説の中で最も素晴らしい物語だったので、未読の人はぜひとも読んでみて下さい。以下に『アイの物語』日本語版、英語版、Audiobook版の一覧を紹介します。

* 日本語版小説 『アイの物語』 山本 弘 著 角川文庫
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=200811000402
* 英語版小説 『The Stories of Ibis』 Novel VIZ Media LLC 出版
http://www.amazon.co.jp/dp/1421534401/
* Audiobook要約版 『The Stories of Ibis: Even a Machine Has Tales to Tell』
http://www.amazon.co.jp/gp/product/1441851488/
* Audiobook非要約版 『The Stories of Ibis: Even a Machine Has Tales to Tell: Library Edition』
http://www.amazon.co.jp/gp/product/1441851496/

現状の仕組み/制度を一度全部捨てて考えてみれば、海賊版に対抗する方法は色々とあります。素人の私が考えてもこのように色々と出てきたので、本職の人達には是非海賊版に負けない新しいビジネスモデルを作っていただきたいです。そして、日本文化をより多くの人達、多くの地域に届けてほしいです。この記事最初に書きましたが、日本文化に親しんだ人達は極めて親日的になります。アニメ・コミック・ゲームを普及させることは外交官100人を新規に雇うことより効果的かもしれません。だから海賊版が横行している苦い現実から目を背けることなく、業界関係者には業界の将来のために海賊版と戦ってほしいです。

この記事を書くに当たって参考にした書籍
* 日本語版 『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』クリス・アンダーソン著 NHK出版
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4140814047/
* 英語版書籍 『Free: The Future of a Radical Price』Chris Anderson 著 Hyperion 出版
http://www.amazon.co.jp/gp/product/1401322905/

ちなみにこの英語版書籍のAudiobookは『iTunes』で無料で公開されています。書籍の名前で検索すればすぐに見つけることできます。おすすめです。

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ブログにて『はてなブックマーク』を2200以上獲得した(獲得数で歴代100位以内)「実用的な英語を習得する方法」、TOEIC860点を取得、かつ日本の英語教育で欠けている“話す”、“書く”ための英語学習方法を紹介しています。なおこの「実用的な英語を習得する方法」は書籍化が決まりました。
「実用的な英語を習得する方法」
http://wisdomofcrowdsjp.wordpress.com/sitemap/english/

また、地球の歩き方には載っていない“とんでもないアメリカ社会”を紹介した「米国体験記」をブログにて公開しています。こちらもぜひご覧下さい。
「米国体験記」
http://wisdomofcrowdsjp.wordpress.com/sitemap/us/
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執筆: この記事はHALさんのブログ『The Wisdom of Crowds – JP』からご寄稿いただきました。

文責: ガジェット通信

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