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米国で大人気の日本文化 そして広がる海賊版

The Wisdom of Crowds - JP

今回はHALさんのブログ『The Wisdom of Crowds – JP』からご寄稿いただきました。

米国で大人気の日本文化 そして広がる海賊版
ニューヨークを訪問して感じたのは日本の文化が大人気だということです。その人気は私が当初想像していた以上のものでした。例えば、Bordersや Barnes&Nobleといった米国の大型書店にも漫画専用の大きな棚が設置されていて、多くの人達が立ち読み&座り読みしていました。“米国の書店に日本の漫画専用の棚が設置されている”、これは日本にいると当たり前すぎて何も感じないかもしれない。でも、実はかなりすごいことです。極東の島国の文化が米国の書店の一角を占有しているのですから。他の国の文化で日本の漫画に相当する人気があるものを私は知りません。

漫画以外でも、アニメやゲーム、日本の若者文化、そして時には日本のドラマも人気があります。そしてまた、これらの日本文化が好きな米国人はきわめて親日的です。私が仲良くなった米国人達も多くが日本の文化が大好きで親日的になった人達です。そしてそんな日本文化が好きで好きで仕方がない人達の中には、日本語を学び始める人達も出てきます。彼らが日本語を学ぶ動機は「日本の作品をもっと理解したい、そしでできれば日本語のままで理解したい」というものです。一方、私が英語を学んでいる理由は突き詰めると“お金になるから”という極めて実用的な目的です。だから私は米国映画や小説、TV番組にほとんど興味がないです。彼らが日本語を学ぶ動機とは全く対照的だなと思いました。ここでいかに日本文化がニューヨークで人気があるかを紹介しているブログ記事を紹介します。コスプレしている米国人の写真がたくさん掲載されています。

* 「ニューヨーク・アニメ・フェスティバルへ」 NY_Libertyさんのブログ『ニューヨークの遊び方』より
http://nyliberty.exblog.jp/12019897/

このように大人気の日本文化ですが、米国を含めた国外では日本同様に楽しめないという問題があります。ここではコミックを例にあげてこの問題について紹介します。日本と同様にコミックを楽しめないのは“入手が困難”“高価”という理由です。特に“出回る数量が少ない”“なかなか翻訳されない”という要因が“入手が困難”という問題につながっています。一例として、私は米国書店のBordersで『時をかける少女』の英語版コミック、『Girl Who Leapt Through Time』を購入しました。でも、値段は日本で購入するのと比べると2倍近くしました。そして$10近くするコミックは働いていない学生達にはなかなか購入が難しいと思います。以下、Amazon.co.jpでの価格比較を記します。

* 日本語版 定価567円 『時をかける少女―TOKIKAKE』 角川書店 琴音らんまる著
http://www.amazon.co.jp/dp/4047138401/
* 英語版 定価約1000円 割引後 約900円 『Girl Who Leapt Through Time』 Bandai Entertainment出版 琴音らんまる著
http://www.amazon.co.jp/dp/1604961058/

そして、この“入手が困難“”高価”という要素がインターネット上に海賊版が出回る事を助長しています。これからどのように海賊版が出回っているか紹介します。次のウェブサイト *1 では英語に翻訳された大量の漫画が掲載されています。私ははじめて教えてもらったときは驚愕(きょうがく)しました。『週刊少年ジャンプ』の最新号に掲載されている人気漫画でさえも発売後数日で英語に翻訳されてアップロードされます。ちなみに、日本から確認されないようにという対策なのか、トップページに直接アクセスすると”「Onemanga is currently down for maintenance.」というメッセージが表示され、アクセスできないようになっています *2 。でも、ウェブに関する知識が少しでもあれば簡単に突破できるくらいの小細工です。

*1:日本の漫画が翻訳されてアップロードされている海賊版ウェブサイト『One Manga.com』
http://www.onemanga.com/directory/

*2:Accessできないように小手先の対策がされている『One Manga.com』のトップページ
http://www.onemanga.com/

なぜ『One Manga.com』のような有名な違法サイトが野放しになっているのかが私には分かりません。日本で同じ事をしたら即座に閉鎖されるくらいに悪質です。もしこのような海賊版が野放しになっている理由が分かる方がいたらブログへのコメントをお願いします。海賊版は良いか悪いか問われたら“悪い”です。でも、このような海賊版漫画が出回る理由も出版社側は一度考えてみてはいかがでしょうか。ここに現在未開拓の新市場があると思います。
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自分の単行本のタイトルでぐぐったらまとめてzipとかrarとかで勝手にあげられてるとかショボンとするよね発売して 1ヶ月も経ってないのに…(´・ω・`)働けど働けどエロ漫画家の暮らし楽にならず
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fukigenteiさんの『Twitter』より
http://twitter.com/fukigentei/status/13499552542

いま紹介した漫画家の発言にあるように、海賊版を野放しにしているだけでは、肝心の利益を享受(きょうじゅ)すべき漫画家達にお金が行き届く事はありません。出版社としては海賊版が出回っている現状を直視するのは不愉快だとは思いますが、目をそむけてはいけない問題です。

ただ海賊版の功罪の功の面に向けると、多くの米国人達はこのような海賊版の普及によって日本文化に親しみを持つようになりました。『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』 *3 という書籍で紹介されているように、”無料”が米国人の心を捕らえたのです。無料で出回っている海賊版のおかげで日本文化に親しむ人々が米国にはたくさんいます。こういう事実を踏まえた上で、“入手が困難”、“高価”という課題を解決すれば、日本国外にも日本の文化を輸出して利益を上げることができると思います。日本文化が好きで日本語を学ぶ人達がいる、そんな人達に海賊版ではなくちゃんとした製品を届ける方法がないのか。米国で海賊版の横行を目のあたりにして、日本文化をどうやって国外に輸出するのかという課題について色々と考えさせられました。

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