田舎のソフトバンクショップが老人のたまり場になっていた(Black Life. Non Sugar.)

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田舎のソフトバンクショップが老人のたまり場になっていた(Black Life. Non Sugar.)

今回は堀江くらはさんのブログ『Black Life. Non Sugar.』からご寄稿いただきました。

田舎のソフトバンクショップが老人のたまり場になっていた(Black Life. Non Sugar.)

こんにちは。堀江くらはです。

実家が山奥にあるのだが、久しぶりに帰郷してみたら駅前にあるソフトバンクショップが潰れていた。

このソフトバンクショップがなくなると、電車で25分のところにあるものが一番近いということになってしまう。不便にはなったものの、こんな田舎じゃ携帯ショップに来る若者もいないから仕方がないよな……と思ったら実際はもう少し深刻だったみたいだ。

なんでも携帯ショップが老人のたまり場になってしまっていたらしい。それでただでさえ収益のあげ辛い地域にも拘わらず、老人のお蔭でさらに業績が悪化し撤退を余儀なくされたと聞いた。

最近では高齢の方でも携帯やスマフォを持つようになった。山だから電波悪いとか関係なく、高齢の方にとっても携帯はインフラだし、なにより孫がすすめてくるのが大きいらしい。でも、いざ携帯を買っても使い方が分からない。そこでお爺ちゃんお婆ちゃんは携帯ショップまで聞きに行く。ググったりはしない。分からないことを検索するという文化がないことと、ググった情報を処理するよりも人に聞いた方が分かりやすい年代だからだ。

当然、多くの老人が街唯一のソフトバンクショップに押しかけてくる。そうするとそこで老人コミュニティができあがり、何かと理由をつけてショップにたまるようになる。

店員さんも質問があってきている人を門前払いにはできないらしく、対応するしかない。

そうすると店にただでさえ少ない若い人が入って来辛くなったらしい。もちろん、小さい店だから品揃えも悪いし、車で25分走れば大きなショップに行けるってのもあるのだけれど、結果的には老人達が小さなショップにトドメをさしてしまったようだ。

実際に親戚の人たちと話してみると、用があっても入り辛いからちょっと遠いソフトバンクショップに行くと言っていた。

ヘルパーをやっている友人に聞いてみたら、そこの店員さんは相当人当たりがいい人で、老人たちにも人気だったようだ。これが不愛想な店員だったらこんなことにはならなかったのかもしれない。

電車に乗る時、駅内のそば屋を見てみたらたくさんのご老人が食べ終わったどんぶりを前に談笑していて、ああここが新しいたまり場か……と思った。蕎麦屋が潰れないことを祈る。

やっぱりお年寄りの方って話し相手を求めているんだなぁと痛感した。施設に入れない、入る気がないなら病院とか公園とかにたまって話し相手を確保するものだ。

でも、僕の田舎には病院も怖い先生がやっている小さな耳鼻科しかないし、最近公園は潰されて老人ホームになってしまった。最近シニアのたまり場として名を馳せてきたゲームセンターだってあるわけがない。こういう街ではどこかの店が老人のたまり場になって収益を落としてしまう。しかもそんな田舎でやっている店なんて火の車だから、結果として老人たちによって潰されてしまう。

こういう田舎独特の問題ってあまり取り上げられないよなぁって思う僕なのでした。

執筆: この記事は堀江くらはさんのブログ『Black Life. Non Sugar.』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年09月24日時点のものです。

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