水曜日のカンパネラ〈BAYCAMP 2014〉の櫓から“魂”のちゃぶ台返しーーOTOTOYライヴ・レポート

水曜日のカンパネラ〈BAYCAMP 2014〉の櫓から“魂”のちゃぶ台返しーーOTOTOYライヴ・レポート

2014年9月6日(土)から7日(日)にかけて、川崎市東扇島東公園で開催された野外オールナイト・ロック・イベント〈BAYCAMP 2014〉に、水曜日のカンパネラが出演、初見リスナーを前に痛快なライヴを見せた。

〈BAYCAMP 2014〉は、2011年2月ベイエリアを拠点に「ドキドキとロックだけを発信し続けるイベント」としてはじまったもので、今回は、BRAHMAN、Dragon Ash、BOOM BOOM SATELLITESなどの実力派ミュージシャンから、キュウソネコカミやCzecho No Republicといった勢いのある若手バンド、FREE THROW、DJダイノジ、 LEF!!! CREW!!!といったDJまで、総勢40組以上が出演。深夜帯には、雷でイベントが一時中断するなど開催続行が危ぶまれたが、イベントは再開し無事最後まで遂行された。そのなかに水曜日のカンパネラも出演を果たした。

6日20時50分頃、「キン肉マン音頭」がSEとして流れるなか、FREE THROW DJ TWNTのステージに現れたヴォーカルのコムアイ。キン肉マンのマスクをかぶって登場したかと思ったら、ステージ下に現れた黄金の仮面をかぶったキャラクターにまたがり、客席を一周。ステージに戻ると、外したマスクを客席に投げ捨て「二階堂マリ」を披露。キン肉マンのキャラクターがモチーフになっているラップとダンス・トラックとが融合する同曲を歌い終えると、「音もっと大きいほうがいい?」と客席に問いかけ、同時刻に行なっている「ストレイテナーに聞こえるように」と、対抗意識を燃やし、外音をあげさせるコムアイ。

「次は、水曜日のカンパネラで一番有名な曲だから、ここにいる人全員知っているはず」というMCを挟み流れたのは「マリー・アントワネット」のイントロ。〈お菓子を食べればいいじゃない〉というフレーズとともに、庶民の味方、ブルボン製のチョコレート菓子・アルフォートを客席に投げ込む。歌詞を知らないお客さんたちも耳をそばだて〈お菓子を食べればいいじゃない〉とコールをしながら手をあげて盛り上がる。

「昔話を水曜日のカンパネラがアレンジするとこうなります」と話してはじめたのは、9月3日にリリースされたタワーレコード限定の100円CD『水曜日のカンパネラdemo5』に収録されている「桃太郎」。〈団子をもらって命を投げ出す物好きなんていない〉〈ペットと一緒に鬼退治なんて絶対正気じゃない〉というフレーズでは大爆笑が起こり、モッシュが起こるという水曜日のカンパネラ史上初の思わぬ自体に。ステージから遠い場所にいるお客さんたちも、コムアイのフリをマネして〈きっびだ〜ん〉と口ずさむ。

同曲が終わると「次は全員にやってほしいことがあります」と、野外にも関わらずお客さんに正座をさせ「川崎湾にむかってちゃぶ台返ししましょう」と説明。前列から正座していく様子を観て「正座のウェイブだと」笑いながら、はじまった楽曲は「星一徹」。〈ちゃぶ台返し〉という最初のサビでは、ちゃぶ台ではなくゴムボールを客席に投げ入れ、お客さんの頭上をボールが跳ねていくフェス仕様に。さらにコムアイが客席に降りて、お客さんが作るアーチのなかを進んでいく。その先にあったスポット用の照明スタッフ用の櫓にコムアイが登っていき、頂点からエアーちゃぶ台返し。誰でもわかるシンプルな動作とテーマで一体感を生み出した。

曲終わりとともに走ってステージに戻ったコムアイ。同タイミングで流れたのは園子温監督による映画『恋の罪』をモチーフにした楽曲「ミツコ」。一転、妖艶な振り付けと、淫靡なトラック、落ち着いたトーンから爆発力を見せるヴォーカルで、それまでとは別の水曜日のカンパネラの世界観を見せて出演は終了、その後の物販ではCDがすぐに売り切れるという大きな反響を残した(100円CDだけど)。

9月3日に開催された自主企画〈水曜日の視聴覚室 vol.2〉では、「あーほんと、ぜんぜんだめだわ!!! やりたかったことの10分の1も出来てない! やり直すわベイキャンプで。ベイキャンプは絶対面白くできる自信がある! あああもっといけたのになーって言ってもしょうがないけど!」(コムアイのTwitterより引用)と悔しさを見せていたコムアイ。この日は、ジャンル的にも出演規模的にも普段の場所とは違うなかで、持ち前の思い切りのよさを発揮し9月3日の悔しさをはらし、初見のお客さんたちにそのパフォーマンスを印象づけた。

9月には〈りんご音楽祭〉〈加賀温泉郷フェス2014〉といった大型イベント、11月には4thアルバム『私を鬼ヶ島に連れてって』のリリース、そして全国ツアーが控えている水曜日のカンパネラ。経験をつむ中で課題をみつけ、考えながらアイデアを試していくユニットなだけに、どのような変化を見せていくのかが一層期待される。

写真撮影:下家康弘

〈BAYCAMP 2014〉

2014年9月6日(土)川崎市東扇島東公園

■水曜日のカンパネラ セットリスト

1. 二階堂マリ

2. マリー・アントワネット

3. 桃太郎

4. 星一徹

5. ミツコ

・4thミニ・アルバム

水曜日のカンパネラ / 私を鬼ヶ島に連れてって

発売日 : 2014年11月5日(水) 

価 格 : ¥1,389+(税)

品 番 : TRNW-0067
収録曲 : 桃太郎、千利休、インカ、etc 合計8曲(楽曲は、随時発表)

 

〈水曜日のカンパネラ全国ツアー・平成26年度鬼退治行脚!〉

2014年11月22日(土)名古屋・「リゾームビルディング」※イベントですがツアーノリ


2014年11月24日(月・祝) 京都・nano

2014年11月25日(火)神戸・太陽と虎


2014年11月29日(土)北海道・Sound lab mole

2014年12月7日(日)長野・alex

2014年12月15日(月)仙台・CLUB JUNK BOX 

2014年12月19日(金)福岡・天神voodoo lounge


2014年12月20日(土)沖縄・Output 

2014年12月21日(日)沖縄・Output 

〈スペシャル〉
2015年1月18日(日)梅田・Shangri-La

2015年1月21日(水)代官山・UNIT


2015年1月25日(日)岡山・PEPPERLAND

 

・9月も下記のフェスへの出演が発表されています

2014年9月13日(土)、14日(日)りんご音楽祭2014

2014年9月21日(日)加賀温泉郷フェス2014

■水曜日のカンパネラについて知るにはOTOTOYへおいで

・1万字インタヴューでも迫れないルーツを暴く!!ーー水曜日のカンパネラ、コムアイの前世を占うために催眠術にかかりにいくの巻

http://ototoy.jp/feature/2014070207

水曜日のカンパネラ、Kenmochi Hidefumi(サウンド・プロデューサー)インタヴュー

http://ototoy.jp/feature/2014022605

・水曜日のカンパネラ・HP

http://www.wed-camp.com/

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