パレスチナ史上初のHIP HOPグループ「DAM」ジャパン・ツアー開催決定
パレスチナのヒップホップ・ムーブメントを取り上げた、初めてのドキュメンタリー映画映画『自由と壁とヒップホップ』に出演している、史上初のパレスチナ人HIP HOPグループ 「DAM」の初来日公演が決定した。
DAMは、2パックなどアメリカのHIPHOPアーティストに憧れ1990年代後半からグループを結成し歌い始めた、アラビア語ラップの先駆者的存在。2000年に占領地で勃発した第2次インティファーダ(イスラエルの支配に抵抗する民衆蜂起)に触発されて制作した「誰がテロリスト?(Who’s the terrorist?)」をネットで公開したところ、たちまち100万回以上のダウンロードを記録したグループだ。来日公演は、パレスチナの現在(リアル)を音楽で表現し、自分たちを分かつ様々な壁に立ち向かい続ける彼らのジャパン・ツアーを実現するプロジェクトのクラウドファンディングが成功したことにより、実現するもの。
映画『自由と壁とヒップホップ』は、自身もパレスチナにルーツを持つ女性監督ジャッキー・リーム・サッロームが若者たちの音楽による非暴力の抵抗を描いた作品で、中東の若者たちに芽生えた新しいカルチャーの動きを最先端で捉え、彼らが抱える社会的問題や歴史的背景の複雑さを映し出した作品で、公開されて以降、過酷な環境で“今”を生きるパレスチナ人ラップ・ミュージシャンたちが生み出す音楽の切実さ、その希望へのメッセージが日本の観客に強烈なインパクトを残し続けている。公開時に輸入した映画のサントラや出演ミュージシャンたちのCDはまたたく間に完売。彼らに心を掴まれた映画ファンの期待の高まりに後押しされる形で今回遂に、映画の主役ともいえるDAMが待望の来日公演をおこなう運びとなった。DAMは来日公演について以下のようにメッセージを送っている。
「新しい文化を訪ね、新しい世界を探る、絶好の機会を頂けることに感謝します。僕たちは音楽を通して、自分たちの文化を表現することに最善を尽くします。なぜなら自分たちのパフォーマンスこそが、あらゆるステレオタイプを打ち砕くことができるからです。今回のジャパンツアーによる文化の交流を通して、それぞれの場所が持つ、美しい側面に気づいて欲しいと思います。その場所を知るいちばんの方法は、その土地に根づいたローカルアートを通してであって、決してハリウッド映画からではないのです。これまで出会った全ての人たちと同様に、日本の皆さんには僕たちのパフォーマンスと世界共通の言語である“音楽”を思いっきり楽しんで欲しいです。」
なお東京公演にはShing02、大阪公演には三宅洋平が共演することが決定している。パレスチナ・ユースカルチャーのカリスマとなった彼らとの出会いはきっとあなたの心に何かを残してくれるはず。(岡本貴之)
・DAMオフィシャル・ウェブサイト
〈DAM Japan Tour 2014〉
2014年10月7日(火)渋谷WWW
2014年10月8(水)大阪CONPASS
2014年10月9(木)京都METRO
2014年10月10(金)横浜Thumbs Up
※詳細は上記の各会場HPまで
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