慶大生の就職先トップ10に7社 金融・保険業は「学歴を活かしやすい」

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慶大生の就職先トップ10に7社 金融・保険業は「学歴を活かしやすい」有名私立大学の慶応義塾大学の就活生たちが、金融・保険業を目指している。塾生新聞が報じた2013年度卒生の就職先企業(慶大学生部調べ・14年3月末現在)では、上位10企業のうち7企業が「金融・保険業界」だったという。

確かに、2014年3月期の決算は、メガバンクや多くの地銀が過去最高益を記録するなど、好調さが目立った。そんな企業に人が集まるのは当然とも言えるのだが、実際、学生はどんな気持ちで銀行や保険会社に入るのか、聞いてみた。

「再編がひととおり済み、安定感がある」と評価
前出の就職先企業は、1位がみずほフィナンシャルグループ(137人)、2位三菱東京UFJ銀行(111人)、3位三井住友銀行(72人)と金融業界がベスト3を独占した。

以下、5位大和証券(53人)、6位東京海上日動火災保険(51人)、9位三井住友信託銀行(38人)、10位三菱UFJ信託銀行(38人)と、さながら金融予備校のような様相だ。

「金融業界は再編がひととおり済んだので、安定感があると見られているようです。安定感を求めるのは、私たちが好景気を知らない不況世代だからではないでしょうか。高収入なイメージもあるし、学歴を活かしやすいのも魅力の1つだと考えています」

慶大に通う3年生の男子学生は、キャリコネ編集部にこう答えてくれた。金融・保険業界は、リクルーター制が残っている業界のひとつで、これが選考に直結する企業も多い。

金融業には、人材に対する信頼性が求められる、という特質も関係しているだろう。OB・OGの結束も強く、特に三菱・三井系の企業では「三田会」という慶大卒業生の集まりが多く出来ていることは有名だ。

「採用数が圧倒的に多く、真面目で高学歴な人が求められる傾向もあるそうです。ESも通りやすく、志望動機がありふれたものであっても受かりやすいとの噂もあります」

「必ずしも第一志望ではなかった」という声も
ただし学生に詳しい話を聞いてみると、銀行や保険会社などの金融業界に就職を決めた学生から、「必ずしも第一志望ではなかった」という声も聞かれる。

実は新聞・テレビ局などのマスコミや、旧財閥系の不動産会社などを最優先で受験する人が存在し、採用者数を一気に増やしている金融業界を「内定確保のため」に受ける人もいるようだ。いわば滑り止めということだろう。

「もちろん、金融業界を第一志望として考えている人も多いです。その理由は、他業種と比べて、総合職だけではなく一般職や地域総合職などさまざまな働き方を提供してくれる点。こういう要素が、いまの学生には魅力に映っているのだと思います」

さらに有名・大企業志向が強いことも、金融・保険業への就職を後押ししている。マイナビが2015年卒の大学生約1万人に調査したところでは、大手企業を志向する人は44.9%と2年連続で上昇している。

「せっかく慶應に入ったからには、有名な一流企業に入りたい、という学生は正直多いですね。先輩や周囲が一流企業に就職しているわけなので、自分だけ一流企業じゃなかったら、負い目を感じてしまう人が多いのではないでしょうか」

確かに慶大生は、中堅以外の大学生のように、大学名による「足切り」の対象になることも少ない。目の前に機会があれば、自ずと「自分も一流企業に入りたい」と思うのも当然だ。ただ、「どっちが有名か」というだけで進路を選ぶリスクもあるのではないだろうか。

グローバル時代に「将来性」はあるか?
とはいえ、このご時勢には、慶大生というだけで必ず「大企業の内定を楽に取れる」というわけでもないのも現実で、学生もそのことを自覚しているようだ。納得のいく結果が得られず、6月に入ってからも就職活動を続けている4年生や就職浪人生もいる。

「景気が良くなり、(自分も受かるかもしれないという期待が高まって)これまで以上に多くの優秀な学生たちが大手を目指すようになり、慶大生間の競争も高まっていると思います。企業の採用数自体はそれほど変動がないから、内定獲得率が下がっている可能性もありますね」

気になるのは「現時点での有名企業」志向が、将来的に裏目に出てしまうのではないかということだ。日本の金融機関はグローバル化に対応しきれず、縮小する国内市場の中で「儲けるすべがない」と冷ややかに見る社会人もいる。

せっかく有名大学に入ったのだから、新卒カードは有名企業で切るという考え方は当然だ。ただ、「安定している組織などない」「自分のキャリアは自分で決める」という構えを崩さないようにしないと、せっかくの「学歴」と「プライド」が仇となってしまうこともある。

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