1級身体障害者(人工透析患者)ですが、『健常者』になりたいです。(だいちゃん.com)
今回はだいちゃんさんのブログ『だいちゃん.com』からご寄稿いただきました。
1級身体障害者(人工透析患者)ですが、『健常者』になりたいです。(だいちゃん.com)
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
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普段とは打って変わってシンプルなタイトルですが、これが一番の本音かなと思い、綴っていこうと思います。
初めに断っておきたいのが、人工透析患者として生きる自分の人生を悲観しているわけではありません。
確かに、3年間ほど半寝たきり状態で生活しなければならない時期、世の中の人たちに障害を理解されない苦しみなどを味わってきました。
しかし、幸いにも私は「友人」に恵まれて生活出来ている為、それなりに楽しい人生を送ることが出来ています。
世の中には健常者であっても「友人」という人財に恵まれておらず、それだけで辛い人生を送っている人もいる。私よりももっともっと重い障害を抱えて生きている人もいる。私などは恵まれているほうです。
私は身体障害を抱えなければ、今みたいに勉強を頑張るような人生を選んでいなかったでしょう。
身体障害を抱えたからこそ出逢えた友人たちもいます。
障害者年金だって出ます。医療費だって無料、国民年金だって払わなくてもいい。
では、これらの全てを捨ててでも「健常者」になりたいかと言われれば、正直言ってなりたいです。
何故、「健常者」になりたいのか。ふと考えてみました。
人工透析が辛いから、そんな治療から逃げ出したいのか。確かにそれはあります。しかし、全く耐えられないほどのものでもありません。
最大の理由は、
『人は心に余裕が無いと他人に優しくなれない』
からです。
私の心には余裕がありません。
「障害者は色々な痛みを知っているから、他人を思いやることが出来る」
などということは、全ての障害者に当てはまるものではありません。「健常者」や「障害者」などと二極分化して物事を考えてしまいがちな私ですが、心に余裕の無い人は健常者だろうが障害者だろうが他人に優しくなれない、と思っています。
誤解を恐れずに言うならば、
「ブスは3日で慣れるけど、美人は3日で飽きる」
という言葉は、ブスが作ったものだと私は思っています。
ブス!! ブス!! 不細工!! 不細工!! と言われ続けて生きてきた人間が、その言葉のストレスを乗り越えて美男子・美女になれる割合はどのくらいあるのでしょうか?
障害者は色々な痛みを知っているから他人に優しい、という先入観も、スタートは障害者が発信したものだと思っています。
障害を理由に差別され、理解されずに、罵られて生きてきた人間が他人に優しくなれる割合は、一体どのくらいあるのでしょうか?
やはり、「身体障害・精神障害」などというものは抱えない方が良いに決まっています。それは万人が思っていること。
「障害」を抱えていて他人に優しい人は、その障害さえなければもっと他人に優しくなれるはずです。
今の私が他人の対して優しいのか冷たいのか、自分では分かりません。
ただ、もっと他人に対して優しくなる為には、今抱えている身体障害は邪魔で邪魔で仕方がありません。
もっと我が儘(わがまま)を言うなら、私は世界中を旅してみたいのです。その為には、平日は病院通い(人工透析等)で時間の取れない今の身体は邪魔なのです。
これが本音じゃないのかって? 仰る(おっしゃる)通りです。私は心に余裕の無い人間です。他人に優しくなりたい、などということは建前なのかもしれません。
ただただ、何にも縛られずに世界中を旅してみたい。
そう考えることは罪なことでしょうか? 私はこのくらいの我が儘は許されるべきだと思っています。
万里の長城・アンコールワット・ナスカの地上絵・ピサの斜塔・サグラダファミリア・ルーブル美術館・水の都ベネチア。
google mapでこのような用語で検索をして妄想を膨らませ、妄想で終わらせずに実現したいと願うことは罪なことでしょうか?
全ての人間は我が儘であるべきだと私は思っています。
他人に優しくなる、他人に尽くすということを考える前に、まず自分が幸せになることを考えるべきだと本気で思っています。
他人に優しくするのは、自分が幸せな人生を送って心に余裕が出来て、初めて実現出来ることだ。自分の人生を幸せに謳歌出来ない人間が他人に優しくなれるはずがない。どこかで無理が出て、歪が生まれ、その「優しさ」は朽ち果てていく。
ただの虚像でしかない。偶像でしかない。
自分が旅に出たいのを正当化しているだけだ? 何度も言っていますが、仰る(おっしゃる)通りです。私は心に余裕の無い人間です。いくらでも正当化します。
私は、ただ旅に出たいだけです。
だいちゃん(∀)
執筆: この記事はだいちゃんさんのブログ『だいちゃん.com』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年06月05日時点のものです。
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