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新国立競技場の基本設計が終わらない理由3(建築エコノミスト 森山のブログ)

新国立競技場の基本設計が終わらない理由3(建築エコノミスト 森山のブログ)

今回は建築エコノミスト森山さんのブログ『建築エコノミスト 森山のブログ』からご寄稿いただきました。
※すべての画像が表示されない場合は、https://getnews.jp/archives/567726をごらんください。

新国立競技場の基本設計が終わらない理由3(建築エコノミスト 森山のブログ)

「2月の大雪なら屋根落ちる? 新国立競技場、設計見直し」 2014年3月28日 『朝日新聞デジタル』
http://www.asahi.com/articles/ASG3S61YRG3SUTQP01W.html

このニュースから1か月たとうとしていますが、進捗ありません。
なぜなのか

「新国立競技場の基本設計が終わらない理由1」 2014年04月09日 『建築エコノミスト 森山のブログ』
http://ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-11818141630.html

で考えてみたように雪の重みで、というのが直接の理由にはならない。
建築物の積載荷重における人一人とか二人とか誤差の範囲でないといけません。
そうじゃないとそもそも上に上がって作業できないし。
東京における雪の重さ設定は昔の浜田ブリトニー先生くらいだと
仮に積雪深度を2~3倍にしても、マツコ・デラックスさんおひとりぐらいまでだと
とわかりました。

「新国立競技場の基本設計が終わらない理由2」 2014年04月13日 『建築エコノミスト 森山のブログ』
http://ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-11821823869.html

の解説では、この基本計画に携わっている方々が、日本を代表する建築家、技術者集団であって、さらには建築の構造部分は本当に世界最高の建築的頭脳がかかわっているということです。

にもかかわらず、基本計画が進まない。
もしくは進められない。
そこまで、イカレた提案なのだろうか、、ザハの案は

シドニーオペラハウスのときにもそんな話はあったんです。
ヨン・ウッツォンのポンチ絵は現実化できるのか、、ということでしたが
ところが一見適当な殴り書きに見えますが、

新国立競技場の基本設計が終わらない理由3(建築エコノミスト 森山のブログ)

(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
https://px1img.getnews.jp/img/archives/2014/04/033.jpg

ヨン・ウッツォン自身構造のイメージは持っていて、模型の案には一定の合理性があったのです。

その可能性を見抜いたのが審査委員長のエーロ・サーリネンだったんですね。

エーロ・サーリネンが「出来る!大丈夫だ!やろう!俺が責任持つ!」っていったから、あのような世界的建築が出来たんです。

エーロ・サーリネンという人は戦後のアメリカを代表するような建築家です。
いや、代表というよりザッツアメリカンアーキテクトって感じでしょうか1950年代から1970年にかけての、現代建築が最も輝いていたときの建築家像を体現していた人ですね。

新国立競技場の基本設計が終わらない理由3(建築エコノミスト 森山のブログ)

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https://px1img.getnews.jp/img/archives/2014/04/062.jpg

構造とデザインが一体化して流れるようなシェイプとエレガントな趣きは、ここ10数年間世界中の建築をおかしくしてしまったコンセプト中心主義とは異なり、誰でもその建築的意図や空間のダイナミックな展開を体感し共有できるものです。

そして建築作品といったチンケな枠組みを超えた同時代精神、建築家とはいかにあるべきか、のモラルや信頼感といったものがカタチになっています。

何より建築に携わる技術者や工事をする施工者たちも、なんとしてでもやり遂げようぜ!と思わせる普遍的価値とチャレンジングな合理性をもっています。

この30年間、日本の建築シーンではサーリネン的なものをどこかに置き忘れている気がするのです。

そのサーリネン先生が「イケルぜ、この案」といって、事前の一次選考で落ちていた当時まったく無名のウッツォンの案を強力に推したのがシドニーのオペラハウスなのです。

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https://px1img.getnews.jp/img/archives/2014/04/072.jpg
https://px1img.getnews.jp/img/archives/2014/04/082.jpg

ウッツォン自身も構造的アイデアをもってアラップと一緒にずっとギリギリまでこの計画に携わりましたからね。(最期は工事中の変更を巡って降りちゃいましたけど)1957年の設計開始から予定を10年もオーバーして1973年に出来上がりました。

今回の審査委員長の安藤忠雄さんは、ザハの案について「大丈夫や、やろうや」までは元気よく言いますが、「わしが責任をもつ!」はまったく言いません。

むしろ「わしは、、、デザイン(見た目)のことしか、、、わからへんのやし、、、」と声が小さいです。

超歯切れ悪い感じ。

そして、「構造とかわし、、わからんし、、、和田先生がええ言うたから、、、」

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