大滝詠一のコード進行に触れる『レコード・コピー・ギター弾き語り 大滝詠一/楽譜全集<復刻版>』【日刊ガケ書房】

ootaki

編集部より)新連載『日刊ガケ書房』はじまりました。京都にある人気書店『ガケ書房』の店主である山下賢二さんに、おすすめ本、気になる雑貨、ガケ書房の日常、などを紹介してもらいます。

「レコード・コピー・ギター弾き語り 大滝詠一/楽譜全集<復刻版>」(ドレミ楽譜出版社)

大滝詠一のコード進行に触れる

このドレミ楽譜シリーズは、一人のミュージシャンの
デビューアルバムからその時の最新アルバム、はたまた
シングルリリースのみの曲まですべて掲載されている家宝になるような逸品だ。

何を隠そう僕も中学の時、このシリーズの浜田省吾全曲集で
ギターを学んだ。そこの一番後ろのページにその他のミュージシャン
の全曲集リストが載っていた。その中で、一番欲しかったのが大滝詠一
全曲集だった。そのときすでにもうその商品は品切れで手に入れられる見込み
はなく、もちろんヤフオクなどもない時代。僕は生きている間に古本屋
で出くわすことは果たしてあるのだろうか? と絶望的な気分で探していた。

それが何年か前、どこかの古書サイトにひっそりと載っていた。それも安価で!
もちろんまだ、大滝詠一さんは(露出こそ少なかったが)まだお元気で、その本
が売れずに残っているのが信じられなかった。(もちろん即買い)
というのも、『A LONGVACATION』のみを書き起こした
楽譜はその後、出たことがあったが、『ナイアガラムーン』から『EACH
TIME』まで全曲収録されたこの本はずっと幻のままだったのだ。

このシリーズの特徴的なのは、文字がすべて手書き風になっているところだろう。
それはまるで本人が書いたのではないかと最初は錯覚するくらい嬉しいデザインだ。
このシリーズが1冊あれば自然にギターや譜面の読み方が習得できるような気がする。

残念ながら、今回、復刻されたのは大滝さんの死と関係あるのかもしれない。
しかしこういう機会が新たな大滝サウンドのフォロワーの裾野を広げることになる
のであれば、運命を受け入れるしかないのかなと思う。
ちなみに岡林信康さん、泉谷しげるさん、山崎ハコさんの楽譜も同時復刻された。
みんな生きてます。

(『ガケ書房』店主 山下賢二)

この本について

書名:レコード・コピー・ギター弾き語り 大滝詠一/楽譜全集<復刻版>
出版社:ドレミ楽譜出版社

『ガケ書房』について

店名:ガケ書房
所在地:〒606-8286 京都市左京区北白川下別当町33
電話:075-724-0071
ウェブサイト:http://www.h7.dion.ne.jp/~gakegake/ [リンク]
ここにはその目的の本はありません。
しかし目的外の面白い本があります。

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