脳科学者が教える 「セックス依存症」とは

脳科学者が教える 「セックス依存症」とは
 「性依存症」「セックス依存症」という言葉を知っていますか?
 プロゴルファーのタイガー・ウッズの不倫騒動の際に、メディアを中心に大きな話題となり、この言葉を知った人も多いはずです。
 『脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体』(中野信子/著、幻冬舎/刊)は、脳科学者である著者の中野信子さんが、セックスやギャンブル、アルコール、オンラインゲームなどに依存してしまう理由について、「脳内麻薬」を通して分析した一冊。
 ここでは「セックス依存症」について本書からご紹介します。

■「セックス依存症」はどのようにして広がった?
 セックス依存という考え方が知られ始めたのは1980年代になってから。ところが、著者によれば「単なるモラルの欠如である」という批判もあり、その認知はなかなか進まなかったといいます。
 広まる契機は有名人たちの騒動でした。ビル・クリントンが現職の大統領をしていたときに執務室で不倫行為をしていたことや、冒頭のタイガー・ウッズの一連の騒動を通して、「セックス依存症」は世間に広く知られました。
 そして2013年に改訂したアメリカ精神医学会の診断・統計マニュアル「DSM−5」では、「過剰セックス障害」という名で、大きすぎる性衝動に苦しむ患者への治療の必要性が認知されたのです。

■セックスに依存してしまう理由
 「セックス依存症」はどうして起こってしまうのでしょうか。著者によると、セックスに依存してしまう状態には、脳の報酬系(欲求が満たされたとき、あるいは満たされることが分かったときに活性化し、快感をもたらす神経系のこと)が深くかかわっているといいます。
 セックスは愛情を伴った間柄で行うのが理想的とされていますが、現実的には愛情を伴っていなくても、身体の特定の個所に対する刺激だけで性的な快感は得られます。
 性的な快感をもたらす刺激は、脳の報酬系を活性化させるので、あまりに快感が大きいと、耐性が形成されてしまいます。そして、性的な刺激の頻度や強度が増し、やめたいと思っても離脱症状が起こってやめられないという状態になってしまうのです。

 「セックス依存症」は「セックスをよくする」「セックスが好き」というのとは明らかに一線を画しています。セックス依存の知識がない人から見れば、激しい性的欲求は当人の意思で行っているように見えてしまうので、なかなか周囲から理解されにくいと言えるかもしれません。
 本書にはセックス依存症の診断基準も掲載されています。「もしかしたら・・・」と思うときは、医療機関を受診してみてください。
(新刊JP編集部)



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