【猫2匹&100種の植物と暮らす”密林賃貸”】築34年賃貸で元園芸店プロが実践する「壁に穴を開けないDIY」術と猫飼いも育てられる植物の選び方 このやさん

【猫2匹&100種の植物と暮らす”密林賃貸”】築34年賃貸で元園芸店プロが実践する「壁に穴を開けないDIY」術と猫飼いも育てられる植物の選び方 このやさん

猫がいるから植物は置けない──そんなふうに思う人は結構いるはず。
Instagramで6万人ものフォロワー(※2026年10月9日時点)を集める人気のライフスタイルインフルエンサー・このやさんは、築34年の賃貸マンションで、猫2匹と100以上の植物と暮らし、“静かな密林”のような空間を育てています。
元園芸店スタッフの知識と猫への愛情、そして賃貸ならではのDIYの工夫を重ねた結果、おしゃれで心地よい「猫と植物の共生インテリア」が生まれていました。そんな、このやさん宅を訪ね、猫も植物も両方楽しみたい人がすぐに真似できるアイデアなどを教えてもらいました。

猫と植物と小さな生き物が共生する“静かな密林”のような空間

ぬくもりのある木の質感とみずみずしい植物の緑が織りなす、このやさんのお住まい。足元から天井までさまざまな植物が息づく空間を猫たちが自由に歩き回り、植物の合間には水槽と小さな生き物や絵、かわいい小物たちが静かに存在。猫と植物に囲まれて過ごす、心地よく安心できる時間がゆっくり流れています。

東京都内にある築34年の約60平米・賃貸マンションで暮らすのは、このやさんと妻(共に30代前半)。“麦”と“ホップ”という名前の2匹の猫は、元野良猫とは思えない高貴な雰囲気をまとい、3つの水槽には熱帯魚、イモリ、ヤモリの生命の気配が感じられます。

2匹の猫

左がホップ(長毛、女の子)、右が麦(短毛、男の子)。妻の実家にすみ着いた2匹の子猫が寒い冬を越せるようにと家猫として迎えることを決めた(画像提供/このやさん)

水槽内にも密林のような世界観が完結している

水槽内にも密林のような世界観が完結している(写真撮影/相馬ミナ)

植物と暮らす人生、そして猫との出会いが導いた住まい選び

「山麓の自然に囲まれた田舎で育ったので、大学進学で東京に出てきて身近に植物がなくなり、意識的に植物を求めるようになりました。1鉢から始めて約10年間、少しずつ部屋に植物を増やして。植物に囲まれて暮らすことは自分の中でずっと大事にしてきたこと」と話す、このやさん。

約2年前、野良の子猫と出会い、飼おうと決めたときに住んでいたマンションがペット飼育不可だったため、急きょペットが飼えるマンションを探し、引越したのが現在のお住まい。園芸店スタッフとして働いていた経験を生かし、観葉植物の知識と猫への配慮を重ね合わせた“猫も植物も人も主役になるインテリア”を実践しています。

毎日植物を見て触れて対話しながら、育てている

毎日植物を見て触れて対話しながら、育てている(写真撮影/相馬ミナ)

2025年12月に始めたInstagramは、1年経たずに6万人フォロワーを突破(2026年10月9日時点)。猫と暮らしながら、たくさんの植物を育てている“このやさんスタイル”は、多くの人の憧れになっています。

賃貸でもここまでできる。突っ張り棒DIYで植物が主役の部屋に

このやさんは、洋室、ダイニング、和室をつなぐ襖(ふすま)を取り外して広々としたワンルームのような部屋をつくり、生活感のあるものは、猫たちが入らない別室に収納。賃貸でも植物が映える空間を実現しています。

賃貸住宅でDIYをすると原状回復費用が心配ですが、このやさんは壁にほとんど穴を開けず、突っ張り棒などを活用して工夫。DIY歴は6~7年。「子どものころから車庫で椅子をつくったり、釘を打ったりするのが好きでした」と話し、「ここにこんなものが欲しい、と思ったら、簡単な図面を描いて寸法を決め、木材をホームセンターなどでカットしてもらい、釘やネジで組み立てるだけ。プラモデルをつくる感覚ですね」

南向きの洋室は「植物部屋」。上下をアジャスターでしっかり固定できる突っ張り棒を、壁と床、天井に設置して土台にし、ハンギング用の鉢やフックを取り付けて植物をつるしています。

耐荷重がある、長さ3mほどの突っ張り棒を設置

耐荷重がある、長さ3mほどの突っ張り棒を設置(写真撮影/相馬ミナ)

水槽の下のキャビネットや棚もDIY。古材のような色味が好きで、蜜蝋ベースの塗料で仕上げ、色味を合わせて統一感を出しています。

DIYした棚には小さい植物をたくさん並べている

DIYした棚には小さい植物をたくさん並べている(写真撮影/相馬ミナ)

インテリアはお気に入りのものを厳選

インテリアはお気に入りのものを厳選。園芸・インテリア雑貨ブランド「stem(ステム)」の木のスツール(写真中央)は、猫が乗ったり、テーブル代わりにコーヒーを置いたり(写真撮影/相馬ミナ)

ダイニングの壁に張り巡らせた広範囲のキャットウォークは圧巻。縦型の突っ張り棒にキャットステップ、隠れ家、つり橋のような場所も設置。「猫の使い勝手を見て場所や形を変えながら増築して今の形になりました」。まさに猫への愛が形になった大作です。

高低差があり、変化に富んだロングコースのキャットウォーク

高低差があり、変化に富んだロングコースのキャットウォーク(写真撮影/相馬ミナ)

猫たちはキャットウォークを駆け回り運動不足を解消

猫たちはキャットウォークを駆け回り運動不足を解消(画像提供/このやさん)

天井近くにあるキャットウォークに設置した猫ハウス

天井近くにあるキャットウォークに設置した猫ハウスは、一匹で静かに過ごしたいときに。初対面の来客が苦手な猫たちの隠れ家にもなっている(写真撮影/相馬ミナ)

木を生かしたぬくもり×植物の生命力。自然素材でつくる心地よいインテリア

木材を多用したインテリアは、植物との相性が抜群。夫婦のお気に入りの無垢(むく)のテーブルやアウトドアブランド「Coleman(コールマン)」のアウトドアチェアなど、素材感のある家具が空間になじみます。「木や木の家具や植物など、好きなもので埋め尽くしているだけ。部屋は角ばったものや直線が多いので、そこに植物や流木などの有機的な曲線を入れて動きやストーリーを生み出したい」。そんなこのやさんスタイルは、自然とおしゃれな部屋になります。

流木は突っ張り棒や柱にくくりけてハンギング。ダイニングテーブルの上の流木は、壁に小さい穴を開けてピンと粘土で固定しているそうで、「たまたまうまくいってるだけで、安定感を考えると人におすすめはできません」と笑います。流木の上には妻が好きなキャラクターの小さなフィギュアを載せるなど、要所に遊び心があり思わず頬が緩みます。

以前の住まいでも使っていたお気に入りのダイニングテーブル

以前の住まいでも使っていたお気に入りのダイニングテーブル。流木の2割程度は拾ったものだそう(写真撮影/相馬ミナ)

和室は夫婦が一番長く過ごす場所。テレビ台や本棚もDIYし、ちゃぶ台はオークションで購入して足を付け替えるなど手を加えています。

ごろごろしてテレビを見たり、夜は布団を敷いて寝る和室は夫婦が一番好きな場所

ごろごろしてテレビを見たり、夜は布団を敷いて寝る和室は夫婦が一番好きな場所(写真撮影/相馬ミナ)

天袋付きの押入れは奥行きがあり、収納量が豊富。押入れの中にも突っ張り棒や手づくりの棚を設置して、整理している

天袋付きの押入れは奥行きがあり、収納量が豊富。押入れの中にも突っ張り棒や手づくりの棚を設置して、整理している(写真撮影/相馬ミナ)

PCコーナーの壁にある棚もDIY

PCコーナーの壁にある棚もDIY。ほっこりする人形は妻の趣味。ポストカードはマスキングテープで貼り付けている(写真撮影/相馬ミナ)

「自分の影響か、妻もゼロから植物を好きになってくれて。夫婦そろって徐々に趣味がすり合ってきた感じです」。クリスマスやハロウィンには、ふたりでインテリアを季節にあわせてアレンジして、料理やテーブルコーディネートも楽しんでいるそう。「賃貸でも工夫すれば、好きなものに囲まれた暮らしはつくれる」との言葉どおり、制約の中で驚くほど自由に自分たちらしさを楽しむ姿勢が部屋の隅々に表れています。

猫と植物を両立させるために。安全な植物の選び方とおすすめの“主役になる植物”3選

猫と暮らしているけど部屋に植物を置きたい場合、何から始めたらいいでしょうか。

「これから部屋に植物を置くなら、まずは『部屋の主役になる植物』を買って、慣れてきたら徐々に増やすのがいいと思います。3つくらいあると見栄えがいいですが、まずは自分の背丈以上の大きいシンボルツリーをひとつ買うだけでイメージががらりと変わります。植物と一緒に、相性のいい鉢も買うといいですね。

基本的には、自分が“好き”と感じるものを選ぶのがいいと思いますが、さらに猫に安全なもの、という条件を考慮することは忘れてはならないポイントです」

猫たち

猫たちが健康で心から安心して伸び伸びと暮らすかわいい姿を見るのが飼い主の幸せ(画像提供/このやさん)

植物の中には、猫が誤飲すると下痢や嘔吐(おうと)をしたり、重症の場合は神経麻痺(まひ)や知覚障害などを起こすものがあるので、猫にとって害があるかどうかは、事前に調べたり確認しておく必要があります。このやさんは、“猫にとって有害な植物を置かない”という基本ルールを徹底。害があると思われる植物は、猫を入れない部屋に移したり、届かない所に配置しています。

知識ゼロ、植物を枯らした経験多数の筆者でも育てやすく、かつ猫にとって安全な「植物のある暮らしを始めるときにおすすめの植物」を教えてもらいました。
(※同じ植物でもすべての猫に100%安全というわけではありません。慎重に選びましょう。)

●おすすめの植物1/パキラ

パキラに水やりをする様子

パキラに水やりをする、このやさん。パキラは部屋の中でも大株だが、葉っぱが濃い緑色でつやつやしている(写真撮影/相馬ミナ)

100円ショップなどでもよく見るパキラは、忙しい人、ズボラさんでも育てやすいそう。お手頃なものからお試し感覚で育ててみて、慣れてきたら大きなものを購入するのもいいかもしれないですね。

【このやさんポイント】

パキラには挿し木で増やした小さい株と、種から育てた株がある。種から育てたタイプは比較的大きくなりやすい
育てやすさは5つ星クラス。一度環境になじむと、1~2カ月水をやらなくても耐えられるほど丈夫
乾燥が好きな植物で、水をやりすぎると根腐れすることがある
根が繊細なので、植え替えの際は根を傷つけないように注意
流通量が多く、猫に対する安全性の情報も多い

●おすすめの植物2/ビカクシダ

ビカクシダ

ビカクシダは壁や天井に掛ける所があれば始めやすい。種類が多く、いろいろな種類を集めたくなるマニアが多い(写真撮影/相馬ミナ)

個性的な形のビカクシダ(別名:コウモリラン)は、アーティスティックな雰囲気でインテリアとしてもおしゃれ。名前のとおりシダの仲間で、「ビカク」とは「シカの角」を意味します。育てるのは難しそうな印象がありますが、初心者でも育てられるそうです。

【このやさんポイント】

ビカクシダが属する「シダ植物」の多くは、猫にとって安全性が高い
基本は壁や天井につるす(床に置くタイプもある)ため、猫が届かない
万が一、葉っぱが落ちて猫が遊んでも比較的安全
種類が豊富にあるなかで、最も手に入りやすく初心者向けなのが「ビフルカツム」という品種
人気のあるシダ植物の一つボストンファーン

「ボストンファーン」も人気のあるシダ植物の一つ。こちらも猫に無害なので安心。このやさんの部屋にいくつもあるシダ植物は、耐陰性があり、日当たりがあまり良くない部屋でも育てやすく丈夫(写真撮影/相馬ミナ)

●おすすめの植物3/エバーフレッシュ

エバーフレッシュ

和の雰囲気があるが、中南米原産の常緑高木。エバーフレッシュ(写真撮影/相馬ミナ)

エバーフレッシュは、日中は羽のように葉っぱを広げて夜になると閉じ、朝にまた開くという「睡眠運動」をする植物。昼と夜の変化を見るのも面白そう。夫婦円満の象徴の木ともいわれています。
エバーフレッシュのほかにも、パキラ、ボトルツリーなども、葉が高い位置にあって猫が届きにくく、安心です。

【このやさんポイント】

和室にも洋室にもなじむ
丈夫で育てやすいが、水が大好きな植物なので、水やりは忘れずに
乾燥すると細かい葉がぽろぽろと落ちる
植え替えの際は、根を傷つけないように注意

●愛猫を守るために細心の注意を
「100%安全ではないからこそ、知ったうえで管理する」姿勢が大事です。猫はもともと好奇心が旺盛で、植物に興味をもって、葉っぱをかじったりむしったり、遊んだり、鉢を倒したりすることがあります。観葉植物を置く場合は、猫に危険かどうかを知ると同時に、猫の個性に合わせていたずらしにくい環境を工夫しましょう。

●猫にとって危険な植物

ソテツ:全部分に強い毒成分があるため、絶対に置かない
冬の有毒植物:ポインセチア、シクラメン、スイセンなどは避ける
モンステラ:軽度の危険性があるため、猫の手が届かない高い場所で管理する
ガジュマル:樹液に強い刺激があるため、葉や枝を傷つけないよう注意する

他にも、ポピュラーでありながら猫にとって危険な観葉植物は少なくありません。このやさんのInstagramでは、そうした「NG植物リスト」も詳しく発信されているので、ぜひ参考にしてみてください。

猫と植物が自然に同居

猫と植物が自然に同居。絵になる風景(画像提供/このやさん)

●猫のイタズラ対策

ハンギングで高い位置に置く
大きめの植物で、猫が届かない環境をつくる
鉢の土に触れないように大きめの石を置く(土を掘り起こす猫対策)
鉢の下にジェル状の滑り止めを設置(鉢を倒すのを防止)

「いたずらを100%防ぐのは難しいですが、遊び場や遊ぶ時間をしっかりつくって、ストレスがたまらないようにすることもすごく大事だと思います」
このやさんの部屋にあるワイドなキャットウォークもストレス解消に役立っているよう。棚をつくるときは、猫が登れないよう動線などを考えて製作しているため、ハンギングに手を伸ばすことなどはないそうです。

光が少なくても育つ。植物のプロが実践する無理しない植物ケア

このやさん宅のように、たくさんの植物があると水やりなどお手入れする手間と時間がかかりそうですが、どうしているのでしょうか。

「3日に1回くらい、水を必要とする植物は妻が担当して面倒をみてくれています。自分はズボラな方で、決まったルーティンで水やりをしているわけではないです。毎日関心をもって様子を見ながら『葉っぱにハリがなくなってきた』『ちょっとまずいかな』くらいのタイミングで枯れる前に水をあげることが多い。平均して週1回、植物によっては月1回くらいのときもある。植物は厳しい自然の中で育っているので、自然に近い環境で育てるほど環境に適応して強く育つようです」

●水やりの工夫

ハンギングは“どぶ漬け(バケツに水を張って、ドボンとつける)”でしっかり吸水
大きな鉢は動かさずに水やりができる台をDIY
小さい鉢、中くらいの鉢はお風呂場で水をかける
活力剤や肥料を時々混ぜる
このやさん宅には小さい生き物たちが暮らす水槽が3つある

このやさん宅には小さい生き物たちが暮らす水槽が3つある。小さな生き物に猫は興味をもつものの、いたずらはしないそう(写真撮影/相馬ミナ)

また、日当たりが悪い部屋も多いはず。このやさんのお住まいは南向きですが、日当たりが十分ではないため、植物育成ライトを使っています。LED植物育成ライトを使うと、窓がない暗い部屋でも植物は十分育つとのこと。

「ここ10年くらいで、植物育成ライトの種類が増えて価格的にも買いやすくなりました。LED電球のクリップ式のライトが便利です。うちではクリップ式やダクトレール型のライトを20個くらい使っていて、タイマー設定で夜間は自動で消えるためで管理はラクです。電気代はかかりますが、LEDなので高額ではありません」

BARRELのスタンド

天井にライトが設置できなかった和室には植物育成ライトブランド「BARREL」のスタンドを導入。スタンド式は好きな所に設置できて光を補うのに好適(写真撮影/相馬ミナ)

「猫にも植物にも配慮しながら、自然な形で暮らしたい」と話すこのやさん。DIYも植物も猫も、手間をかけることを楽しみながらも、完璧を求めるのではなく工夫しながら続けられる方法を、探し、選ぶ。このやさんのそういう姿勢が、住まいの心地よさをつくり、多くのフォロワーに支持されています。

「猫と植物に囲まれたゆったりした午後がいちばん好き」。その言葉から、好きなものに囲まれた暮らしの豊かさが伝わってきます。「賃貸だからできない」「部屋が暗いから植物は育たない」「猫がいるから植物を諦める」ではなく、この記事を見て「自分にもできそう」「やってみようかな」と前向きな気持ちでチャレンジする人がきっといる気がします。植物を育てるのが苦手な自分も刺激を受け、パキラのシンボルツリーなどを購入したところ、猫たちはいたずらをすることもなく、部屋がぱっと明るくなり、見るたびに癒やされています。

●取材協力
このやさん

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