嚥下機能が低下しても食事を楽しめる社会へ。見た目もおいしい嚥下食の試食会を実施


栄養療法食品を開発・製造・販売するニュートリーは、嚥下(えんげ)機能が低下しても食べる喜びを諦めない社会の実現を目指し、“見た目もおいしい嚥下食”の普及に取り組んでいる。

料理人との連携も進め、6月と7月に「嚥下食試食会」を開催し、同年7月、「出張嚥下食」を実施した。

外食の選択肢が限られる現状に向けた取り組み

嚥下障害のある人が安心して食べられる嚥下食を提供する飲食店は少なく、外食の選択肢が限られているのが現状だ。ニュートリーは、嚥下機能が低下しても外食や出張料理を通じて食事を楽しめることを広く知ってもらうため「嚥下食試食会」および「出張嚥下食」を企画した。

実施にあたっては、嚥下食の提供に初めて取り組む料理人に対し、とろみ材・ゲル化材の使い方や嚥下調整食の物性基準、安全に配慮した調理方法などの知識・技術を提供。調理工程の検討も含め、店舗で継続的に嚥下食を提供できるよう協力した。

試食会には、飲み込みに不安のある人とその家族に加え、日頃から嚥下障害のある患者と接する医療・介護従事者も招待。料理人が手掛ける嚥下食を実際に見て味わってもらうことで、医療・介護従事者が患者に外食という新たな選択肢を紹介するきっかけづくりを目指した。

参加者の声

参加した人からは「家族や友人と集まっても同じものが食べられずもどかしかったので、嬉しい」「障害がなくてもこの嚥下食をいただきたいと思った」といった感想が多く寄せられ、こうした嚥下食を提供する店がもっと増えてほしいとの声が多く聞かれた。ニュートリーは今後も料理人や医療・介護従事者などとの連携を通じて、嚥下機能が低下しても食べる喜びを諦めなくてよい社会の実現を目指していく。

2026年に開催した嚥下食試食会について



6月17日(水)、愛媛県松山市のすし割烹「すし友」(料理人:露口廣志氏)にて、1回目の嚥下食試食会を開催し、患者の家族および病院や介護関係者など、計22人が参加。


7月15日(水)に、愛知県清須市の日本料理「八百㐂(やおき)」(料理人:冨田真司氏)にて2回目の嚥下食試食会を開催し、患者と家族および医療関係者など、計29人が参加した。

出張嚥下食は7月22日(水)、東京都内の嚥下障害の人の自宅にて、出張えんげ食「ふじ家」(料理人:藤原史朗氏)が実施し、患者と家族計4人が参加。


提供された料理には、前菜・鮨3種(鯛、鰹、穴子)、


鰻のひつまぶし、鰆の幽庵焼き、野菜の煮物、


だし巻き卵、おばんざい、季節の土鍋ごはん、肉料理などが含まれる。

嚥下障害とは

「嚥下」とは、食べ物や飲み物を飲み下すこと。加齢や疾患などにより嚥下機能が低下し「嚥下障害」になると、食事中にむせたり飲み込んだものが気管に入る「誤嚥」を引き起こしやすくなる。これにより、誤嚥性肺炎や低栄養を招くリスクが高まるとされている。

平成25年国民健康・栄養調査報告によると、70歳以上の約24%が「食べ物や飲み物が飲み込みにくく感じたり、食事中にむせたりすることがある」(「ときどきある」21.8%、「頻繁にある」2.1%)と回答した。令和7年の70歳以上の人口は約2,900万人(※1)であることから、嚥下障害または予備軍は約700万人(※2)に上ると推計される。

「見た目もおいしい嚥下食」とは

嚥下障害への対応として、病院や介護施設では「ミキサー食」や「きざみ食」が提供されることがあるが、「見た目がよくない」「何を食べているかわからない」という課題があり、食欲が湧かず喫食量が低下し体力を落としてしまう場合もある。

そこで、飲み込みやすさに加えて食べる楽しみを感じられるよう配慮したのが「見た目もおいしい嚥下食」だ。食材とゲル化材をミキサーにかけ、加熱・冷却して再度リアルに成形し、飲み込みに適した物性に調整したゼリー状の嚥下食で、病院や介護福祉施設だけでなく、今後は客層の高齢化に伴い外食サービスや宿泊事業者の間でも広がることが期待されている。

ニュートリーについて

ニュートリーは、医療・介護現場をはじめ、一般の人に向けて、栄養補助食品・嚥下補助食品・流動食を開発・製造・販売するヘルスケア企業。1963年設立、2022年にDM三井製糖の100%子会社となった。

褥瘡向け食品「ブイ・クレスCP10」で国内初の表示許可を取得するなど栄養療法食品の認知度をけん引し、嚥下補助食品では特別用途食品の取得数最多企業。テルモから栄養食品事業を譲受するなど事業を拡充し、医療・介護現場との連携を通じて人々のQOL向上を目指している。

嚥下機能が低下しても食べる喜びを諦めなくてよい社会の実現に向けた取り組みに、注目してみては。

ニュートリー公式サイト:https://www.nutri.co.jp

※1 総務省統計局による人口推計(令和7年)より
※2 嚥下障害は加齢の他に脳血管疾患、認知機能の低下、その他疾患も原因となる

(丸本チャ子)

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