『ゼルダ無双 封印戦記』レビュー:「ティアキン」本編で語られなかった物語が克明に! 多幸感あふれる爽快「無双アクション」を体感せよ
2025年11月6日に発売されたNintendo Switch 2専用ソフト『ゼルダ無双 封印戦記』は、2026年1月時点で国内累計売上16万本を超える。
ただ筆者の周囲では、いまだ『Pokémon LEGENDS Z-A』(10月16日発売)や『カービィのエアライダー』(11月20日発売)の話題が優勢となっている。売上は堅調とはいえ、『ゼルダ無双 封印戦記』は若干話題に上がりにくい印象だ。
「無双」シリーズ自体、カジュアル層からの関心は薄く、発売中であることすら知られていない向きもあるのではと個人的に感じる。筆者自身も年末年始の多忙で、ようやく購入に漕ぎ着けたありさまだ。
とはいえ発売タイミング自体は絶妙だった。Switch2の普及が進み、ホリデーシーズンに合わせたリリース。ポケモンとカービィに挟まれたとはいえ、無双らしい爽快アクションで『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』(以下「ティアキン」)の世界を補完する本作は、コアゲーマーにとって見逃せない一作なのは間違いない。
封印戦争が物語の舞台
さて本作は、「ティアキン」で断片的に語られた「封印戦争」が物語の舞台となっている。世界売上2000万本超の「ティアキン」ファンなら必見だが、未プレイのユーザーには本編の致命的なネタバレを含む。
逆にクリア済みなら、「これが見たかった!」というシーンの連続で多幸感に包まれること間違いなしだ。ストーリーを純粋に楽しみたいなら、まずは「ティアキン」をクリアしてほしいと切に願う。
序盤は、太古の時代に飛ばされたゼルダ姫が、初代ハイラル国王ラウルと王妃ソニアに出会い、「邪(じゃ)」と呼ばれる存在を退けるため共闘していく物語が描かれる。まだガノンドロフが力を持たず、魔物も存在しなかった時期から物語は始まるわけだ。
▲赤くフヨフヨしているのが「邪」。弱そうだが、人に取り憑いて操ることも
スキップしなければストーリーシーンもわりと長めだが、前作『ゼルダ無双 厄災の黙示録』の陰鬱な物語とは違い、ワクワクする展開やコメディタッチのやり取りも多く展開し、原作ファンとしては引き込まれずにはいられない。
▲ゼルダの侍女として登場するラナリア。体は大きいが、顔はゆるキャラみたいでかわいい
▲公務を抜け出すラウル……ハイラル建国の王も夜遊びを!?
▲ソニアにバレてしまう。笑顔が怖すぎる
▲こんな「あちゃー」な顔のラウルが見れるのは「封印戦記」だけ!
ラウルらがいかに国を治め、ガノンドロフがいかに力を増していったか、その過程が克明に描かれていく点も注目だ。ガノンドロフが使役するモルドラジークの大群を、ラウル・ソニア・ゼルダが協力して蹴散らすシーンは「ティアキン」本編でも描かれたが、本作でももちろん登場。さらにその直後、実戦へ突入していく。実際の操作でモルドラジークと戦い、蹴散らせる感動は格別だ。
▲「ティアキン」本編でも描かれたラウルのクソデカビームが炸裂
▲巨大なモルドラジークの大群を一掃。強すぎる
▲もちろんムービーだけじゃない。実戦でもモルドラジークを迎え撃て!
無双シリーズらしいアクションは健在
また「無双」シリーズらしいアクションは、本編とは違いYとXボタンのコンボで敵をなぎ払うシンプルさで、ボタン連打するだけでも敵の体力ゲージをガリガリ削れて楽しい。しかも本作ではYとXの連撃が画面にも表示され、今どのコンボが繰り出せているのかわかりやすいし、ジャストガードのタイミングも明確で、ラッシュを繋ぎやすい。スピーディで爽快なだけでなく、やり込むほどに気持ちよさが増していくように作られていると感じた。
▲YとXの連撃が画面に表示。何のコンボを繰り出しているかわかりやすい
▲敵の攻撃を直前で避ける「ジャストガード」がキマると、Yボタンでラッシュ攻撃が繰り出せる
アクションの新要素に注目
また、前作『ゼルダ無双 厄災の黙示録』には無かった新要素も秀逸だ。敵が「危険な攻撃」を繰り出そうとしてきたときは、攻撃の特徴に合わせてキャラの固有技を繰り出すことで打ち破れる。例えば敵が空中から攻撃する特殊モーションに入った際、ゼルダの「光の弓矢」を打ち込めば、敵の態勢を崩して一気に反撃するチャンスが訪れるわけだ。
▲敵が「危険な攻撃」を繰り出す瞬間、まがまがしい色に変わる。しかし「ピンチ」ではなく「チャンス」だ
▲上に飛び上がったら「光の弓矢」で攻撃
▲敵の攻撃を無効化するだけでなく、体勢を崩させて反撃に転じられる
こうした固有技もRボタン長押しで選択コマンドが出てくるし、コマンド表示中は戦闘もスローモーションになるのでパニックになることもない。
なお敵の「危険な攻撃」モーション中、場合によってはキャラのチェンジを促す表示が出てくる。その際は操作キャラを切り替えた瞬間、自動的に有効な固有技を繰り出してくれるので最高に気持ちがいい。
▲画面に「チェンジ」が表示されたら、それに従ってみよう
▲チェンジしたラウルがすかさず有効な固有技を繰り出してくれる。気持ちいい!
加えて、近くのキャラと協力して繰り出す「シンクストライク」は、キャラの組み合わせで技が変わるので、パーティ編成の妙味が増す。特にゼルダとミネルで「シンクストライク」を繰り出せば、「ティアキン」本編のように巨大なゴーレムに乗り、敵を豪快にボコスカ殴れる。
▲ゼルダとミネルでシンクストライクを発動!
▲「ティアキン」本編でも登場したゴーレムを召喚
▲ゴーレムで豪快に敵を殴る!
英傑たちが素顔で登場
プレイアブルキャラについて言えば、ゼルダやラウル、ミネルはともかく、各種族の英傑たちに感情移入できるかどうか不安ではあった。彼らは本編では仮面姿で、名前すら語られなかったからだが、遊んでいくうちにその懸念も払拭されていった。本作では彼らが素顔で登場し、物語の中でその個性も掘り下げられ、自然と感情移入できるようになっていった。
▲「ティアキン」本編では仮面をかぶっていたので、正直ブキミだった英傑たち
▲本作ではちゃんと仮面を脱いだ姿で登場してくれます
▲ゾーラの姫であるキアは、戦死した父を継ぐ形で英傑になる
中でも、戦うコログであるカラモは衝撃だ。ちっぽけな体躯で木の実攻撃を連発し、素早い連撃で敵の体力ゲージを削っていく。意外な強さにハマったのは筆者だけではないはずだ。
▲ちっちゃい体でめちゃめちゃダイナミックな技が繰り出せる
「謎のゴーレム」とは?
なお本作では時代設定がゆえに本編の主人公・リンクが出てこないのも大きな不安要素だったが、代わりに「謎のゴーレム」というキャラが登場する。リンクを思わせる容姿とたたずまいで、ゾナウギアで多様な攻撃を繰り出せる。
▲カラモに「相棒」と呼ばれる無口なゴーレム。なにやらリンクっぽい……?
▲剣で戦うが、ゴーレムゆえに腕もびよ~んと伸びる。ほなリンクと違うかあ
また背中の翼で飛ぶことができるので、シューティングゲーム的なステージまで用意されているのは笑った。「厄災の黙示録」でも巨大な神獣を操作するステージがあったが、それを彷彿とさせる“寄り道”的な要素として面白い。
▲唐突に始まるシューティングステージ。まさか「ゼル伝」で「スター・〇ォーズ」的な光景を拝むことになるとは
▲ただのオマケ要素……かと思ってたら、強敵グリオーグも。割とホンキでSTGしてる
ゾナウギアを使いこなせ
また、「ティアキン」の再現として大きな魅力だったのがゾナウギアだ。クラフトこそ無いものの、各ボタンに割り当て、火龍の頭や氷龍の頭で周囲を一掃できたり、大砲で遠方を制圧できるなど非常に役立つ。バトル中もボタンに割り当てが自在で、爽快感を損なわない。
▲ゾナウギアは各ボタンに割り当てできる
▲火龍の頭で敵を一掃。めちゃくちゃラク
ティアキンと併せて楽しめる傑作
総じて、『ゼルダ無双 封印戦記』は「ティアキン」の世界を深掘りし、無双の醍醐味を極めた傑作と言える。「ティアキン」をプレイ済みで、本作を未プレイのコアゲーマーなら即購入を。封印戦争の全貌を自らの目に焼き付けよう。
そしてやり終えたころには、また新しい気持ちで「ティアキン」本編が楽しめるはずだ。まさに「ティアキン」と「封印戦記」の永久機関。8980円(税込み)という価格も、決して高くは感じないだろう。映画5本分の元は余裕で取れる贅沢で多幸感に溢れたプレイングをぜひ堪能していただきたい。
▲ゾナウギアで組み立てた凶悪ビークルで敵に突っ込むミネル姐さんの爽快アクションが楽しめるのは「封印戦記」だけ!
▲カラモの大技がキマッたときの映像もめちゃくちゃ格好いい件
(文:平原学)
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