【ライブレポ】TRiDENT、新たな「夜明け」を迎え、さらなる未来へ──〈TRiDENT BLUE DAWN TOUR 25-26〉

2026年1月23日(金)、TRiDENTの全国ツアー〈TRiDENT BLUE DAWN TOUR 25-26〉のファイナル公演が、東京・WWW Xにて開催された。TRiDENTは、現在の日本のガールズロックシーンにおいて、最も勢いのある次世代バンドのひとつ。2025年にキングレコードからのメジャーデビューを発表し、同年11月5日にはメジャー1st EP『BLUE DAWN』をリリース。その作品を携えて、TRiDENTは全国11都市(一部振替公演含む)を巡り、メジャーデビュー後の「夜明け」を総括し、次なるステージへと一歩を踏み出してきた。この日のライブは、夜明け(黎明)をテーマに掲げたEP『BLUE DAWN』のコンセプトを体現し、まさにTRiDENTにとっての現在地と未来を同時に示す一夜だった。
SEが鳴り響くと、フロアの空気は一気に張り詰め、オーディエンスのボルテージがじわじわと上昇していく。ライブび幕開けを飾ったのは「NEW ERA」。そのタイトル通り、TRiDENTがこれからの音楽シーンに「新時代」を刻んでいくという強烈な意志が、ステージから咆哮のように放たれる。

ASAKA(Vo/Gt)が「渋谷、ぶち上げて行こうぜ!」と叫ぶと、「Bite the bullet」で一気に攻撃モードへ。さらに軽快なカッティングから突入した「DISCORD」では、フロアの心を躍らせるようなグルーヴが生まれていった。SERINA(Ba/Cho)とNAGISA(Dr)が生み出す、胸の奥まで響く低音の上を、ASAKAのシャウトとファルセットのコントラストが鮮やかに彩り、会場は一瞬でTRiDENTの色に染め上げられる。
序盤を熱気で包み込んだあとのMCでは一転、関西弁で語られる大寒波の話題で、会場はふっと肩の力が抜けた空気に。ハードな演奏が魅力のTRiDENTだが、この親しみやすい「ゆるさ」も、3人の大きな魅力にのひとつ。ツアー中、空調トラブルで異常な暑さだったという横浜公演の話題にも触れつつ、東京のオーディエンスにも「負けないくらい熱くなってほしい」と呼びかけた。

ライブはさらにそこから大寒波の最中であることを忘れるような、熱気ムンムンのパフォーマンスが続く。破壊力抜群のイントロから始まる「KICKASS!」では、コールによってフロアとの一体感を一気に加速させる。「DISTINATION」でハッピーなバイブスを届け、「Haha!」では冒頭から大合唱が巻き起こり、会場中が飛び跳ねる光景が広がっていく。さらに「MIRACRAID」では、疾走感とキャッチーさを兼ね備えたサウンドで、TRiDENTならではのポジティブなエネルギーを会場いっぱいに充満させる。
続いて披露されたのは、すかんちのカバー「恋のマジックポーション」。原曲の華やかさを活かしつつ、アグレッシヴに再構築されたアレンジは、ポップでありながらも確かなロックバンドとしての個性を感じさせた。

ライブは後半戦へ突入。「JUST FIGHT」で会場全体を「共に闘う」ムードへと引き込むと、初期からの人気曲「iCON」で観客の心をがっちりと掴む。その勢いのまま「CHANGE」、「CRY OUT」を畳みかけると、フロアは大爆発を迎える。
TRiDENTの楽曲には、いわゆるラブソングはほとんど存在しない。その代わりに描かれるのは、逆境への反抗、未来への渇望、自己肯定、そして諦めない覚悟。そのリアルな言葉が、強靭なサウンドと結びつくことで、聴く者の心を強く打つ。このバンドが多くの支持を集める理由が、ステージ上で明確に提示されていた。

怒涛の楽曲披露のあと、ASAKAは「ここまでくるまでに長い長い時間がかかりました」と切り出し、活動のなかで順調な時ばかりではなく、「自分って音楽向いてないかもな」と悩んだ日々もあったことを告白した。それでも踏みとどまれた理由について、「今こうやってライブができているのは、紛れもなく応援してくれて、いつもそばで音楽を聴いてくれるみんなのおかげ」と、ファンへの感謝を真っ直ぐに伝えた。
一方で、メジャーデビュー後の変化については、「メジャーになっても、やることはそんなに変わらない」と語り、「これからも、みんなに勇気を与えたり、元気になってもらえるような曲を届けていくだけ」と、自身たちのスタンスを明確にした。「メジャーはゴールじゃない。ここからが本番」と、次のステージへ向かう決意も口にする。そして、「今まで支えてもらった分、次は私たちが、みんなが苦しい時の支えになりたい。背中を押せる存在でありたい」と想いを込め、その決意を形にした楽曲としてメジャー1st EP『BLUE DAWN』のリード曲「黎明ノ詩」を披露した。それは、TRiDENTの「夜明け」を確かに感じさせる、力強い演奏だった。

そこから「IMAGINATION」でライブはクライマックスへ。本編ラストを飾ったのは、誰もが知る名曲「カントリーロード」のロック・アレンジだ。ロックバンドが存在するシーンは数多くあれど、この楽曲でサークルモッシュを生み出せるのは、TRiDENTしかいないだろう。会場には特大のシンガロングが巻き起こり、幸福感に満ちた空間が広がっていった。
アンコールで3人は再び姿を現し、恒例のグッズの紹介を行うと、ASAKAが「グッズの紹介だけではなく、みんなに一番に届けたいお知らせがある」と切り出し、春の訪れとともにTRiDENTが周年を迎えることを改めて報告。これまで毎年、趣向を凝らした“ヘンテコ”な周年ライブを行ってきたことに触れつつ、「次は6周年」と〈TRiDENT 6周年アニバーサリー〉として、無料ワンマンライブを開催することを発表。「天下無双、無敵の無料ワンマンライブ」と力強く宣言し、会場からは大きな歓声が上がった。

メンバーはその後、この日を迎えたことへの想いを語る。まずNAGISAは、フロアの熱気に触れながら「みんながやったるぜみたいな気持ちで来てくれたのがめっちゃ伝わる」と笑顔を見せ、「迎え撃ってやったぜ」と冗談交じりに語る場面も。大音量で盛り上がる会場を前に、「そのまま元気で楽しく生きてください。それが願いです。元気が一番ですからね」と、観客へのメッセージを送った。
続いてSERINAは、メジャーデビュー後初となるツアーを無事完走できた喜びを噛みしめるように語った。「ずっと目標にしてきたメジャーデビューを果たして、メジャーファーストツアーを回れたことが本当に嬉しい」と感謝を述べ、「関わる人も増えて、責任も増えて、いろんな感情になった一年だった」と振り返りながらも、「支えてもらっている気持ちは忘れない」と決意を新たにした。
最後にASAKAは、メジャーデビューをきっかけにTRiDENTと出会ったファンも含め、「一期一会」でつながった縁を大切にしていきたいと語り、「今日みたいにバカみたいに騒いで、ガハハって笑える一年にできるよう、今年もバリバリ駆け抜けていく」と力強く宣言。ラストアンコールに向けては、「大好きで大切なみんなと、約束の東京ドームに向かって進んでいけるように」という願いを込めて楽曲を届けることを告げた。
TRiDENTは最後に「シグナル」を披露。未来へと続く合図を鳴らすように、この日のライブは大団円のうちに幕を閉じた。「夜明け」を掲げたツアーは、確かにここで完結した。しかし、この夜が示していたのは終わりではなく、TRiDENTというバンドが、さらに大きな景色へ向かって走り出すための、確かなスタートラインだった。

[header;TRiDENT BLUE DAWN TOUR 25-26 FINAL セットリスト]
2026 年 1 ⽉ 23 ⽇(⾦)@東京・渋⾕ WWWX
1. NEW ERA
2. Bite the bullet
3. DISCORD
4. KICKASS
5. DISTINATION
6. Haha!
7. MIRACRAID
8. 恋のマジックポーション
9. JUST FIGHT
10. iCON
11. CHANGE
12. CRY OUT
13. 黎明ノ詩
14. IMAGINATION
15. カントリー・ロード
ENCORE
16. シグナル
ライブ情報
TRiDENT 6th Anniversary「天下無双!無敵の無料ワンマンライブ」
⽇程 5 ⽉ 5 ⽇(祝・⽕)
会場 Veats Shibuya
時間 17:00 OPEN 18:00 START
アーティスト情報
【公式 HP】https://trident-japan.com/
【公式 X】https://x.com/trident_japan
【公式 Instagram】https://www.instagram.com/trident_jp/
【公式 TikTok】https://www.tiktok.com/@tridentjapan
【公式 YouTube チャンネル】
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