完全栄養カップ麺の新作『BASE RAMEN』を食べたら栄養素以外の“完全”も発見した
完全栄養食のパイオニアであるベースフードが今秋、ついにカップラーメンを新発売。汁なし(まぜそば)の『BASE YAKISOBA』シリーズは2025年1月の発売から3カ月で100万食を突破するほどの人気となっていますが、今回の『BASE RAMEN』はどうなのか。実食レビューします!
▲左から、『BASE RAMEN 鶏ガラ醤油ラーメン』と『BASE RAMEN 味噌ラーメン』。価格は各442円
完全栄養食ってなんだっけ?
まずは基本情報から。一般的に完全栄養食とは、公的機関が策定した食事摂取基準に基づき、1食に必要な栄養素がすべて必要量以上含まれる食品のこと。ベースフードの商品にも、1日に必要な栄養素の1/3が1食にすべて含まれています。
今回の『BASE RAMEN』は『鶏ガラ醤油』と『味噌』の2種類で、価格は各442円。2025年10月22日から、公式オンラインショップほかECサイトと取扱店で発売されています。栄養素はもちろんエネルギーも控えめで、『鶏ガラ醤油』は299kcal、『味噌』は330kcal。一般的なカップ麺と比較しても抑えられた設計となっています。
なぜラーメン開発がまぜそばより遅れたのか
個人的に気になったのは、なぜカップラーメンの開発がまぜそばより後になったのかという点。というのも実は同社、2018年にあの凪グループと世界初の完全栄養ラーメン『BASE RAMEN すごい煮干し』を発売しており、知見はあったはずなのです。こちらをベースフード社に聞くと、内情を詳しく教えてもらえました。
まず、今回の『BASE RAMEN』はコラボなしのオリジナル商品となるため、イチからの開発となったこと。特に課題となったひとつが、スープ。たとえば、スープを全部飲まなくても完全栄養食として設計する必要がありました。
一方のまぜそばは、スープが不要で開発は比較的容易。こうした背景もあったため、『BASE YAKISOBA』のほうが先に発売されたのです。ラーメンは栄養素の大部分を麺に含ませる必要があり、そのレシピ作りがネックに。さらには、繊細なスープと合わせても違和感なくおいしく食べられるようにするレシピ設計が非常に難しかったとか。
▲こちらは、シリーズ歴代No.1評価(開発時の官能評価)。本格トムヤムのうまみと酸味が好評の『BASE YAKISOBA トムヤムまぜそば』(421円)で、同年9月に新発売
なお、『BASE RAMEN』で使用している麺は、『BASE YAKISOBA』の麺とは異なり、ラーメン専用として作成した特注のノンフライタイプです。『BASE YAKISOBA』の麺だと存在感が強くなりすぎてしまい、商品全体としての一体感のない仕上がりになってしまうという課題を乗り越えるべく、穀物原料の種類や配合比率を調整したり、麺の甘みを引き立たせたりして全粒粉の持つ独特の風味をマスク。スープの風味との絶妙な調和を実現した、なめらかで細めのノンフライ麺となっています。
醤油は鶏のコクが豊かで甘やか。麺はちょいやわめ
ということで、食べてみましょう。『鶏ガラ醤油』は、醤油の等級の中でも最もうまみ成分が多い最高ランクの超特撰と、利尻昆布のダシを使用。コクがありつつもキリッとした味わいで、すっきりとした後味の鶏ガラスープが自慢。
実際に食べてみると、確かに普通のカップ麺と比べても違和感はありません。強いていえば、麺には素材自体のうまみを感じますが、これは麺に味付けをしていない(調味料を練り込んでいない)からかも(もしくは麺の味付けが薄め)。シュルッとした細麺で、スープとの相性は良好です。
また調理は熱湯4分ですが、ちょいやわめなので、硬め好きな人は3分とかがいいかも。そしてスープは香りに甘みがあり、魚介よりも鶏のコクを前面に感じます。パンチがある味ではないので、濃厚派の人はお湯を少なくするといいかもしれません。
味噌は国民的即席麺へのリスペクトも感じる
味噌は複雑なコクを出すため、ブレンドに工夫がされています。ひとつは、さっぱりとしたうまみと辛口感が特徴のオーソドックスな信州味噌。そこに、より味噌感の強い信州味噌を加えて味の骨格を作っています。
食べてみると、『味噌』は熟成感のあるコクの奥に、ほんのり甘みも。国民的即席麺『サッポロ一番 みそラーメン』へのリスペクトも感じますね。スパイシー感があればもっと近くなる気がしますが、これはこれでイイ!
麺は『鶏ガラ醤油』に似た、軽快なちぢれ細麺。この味噌スープなら麺はもっと太くていいような気もしましたが、麺は細いほうがスープを持ち上げるので、味のボリュームは十分です。また、『鶏ガラ醤油』も『味噌』もかやくは寂しいですが、コーンは『味噌』のほうがよりマッチします。
間食や夜食の免罪符にもオススメ
今回『BASE RAMEN 鶏ガラ醤油ラーメン』と『同 味噌ラーメン』を食べてみて、栄養素を担保したカップ麺としては高いポテンシャルを感じました。罪悪感のなさに関しても完全にノンギルティーなので、間食や夜食の免罪符にもオススメです!
(執筆者: 中山秀明)
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