後継者不足の薬局業界!増加するM&Aで真に薬局に寄り添うアウナラの展望とは

調剤薬局に特化したM&A仲介事業を展開する株式会社アウナラによると、全国で約6万3,000店ほどある薬局のうち、その4割ほどが後継者不在を理由として廃業やM&Aを検討しているのだそう。
薬剤師人口は年々増加傾向にある中で、薬局のM&Aが増加する理由や、アウナラの事業にかける想いなどについて、株式会社アウナラ 代表取締役社長CEOの佐伯孝通氏に話を伺った。
調剤薬局のM&Aが増加する背景とは
アウナラは2021年に創業した、薬局特化型のM&A仲介や支援事業を行っている企業だ。
M&Aの仲介だけでなく、薬価交渉・税理士法人紹介などによるコスト適正化支援、薬局の運営支援、医師開業初期費用支援なども実施。
数千件の薬局リストを保有しており、薬局業界に特化。動向や専門的なシステムなどにも精通しており、問い合わせは昨年比で150%を超えている。
「調剤報酬は2年ごと、薬価は毎年改定されているなど、短いスパンで改定が行われている中で、調剤薬局自体の経営圧迫や後継者不足により、人員の調整・確保が難しいという薬局も増えてきているんです。」
と語る佐伯氏。

医薬分業の普及から始まった、調剤薬局バブルと呼ばれる時期に開業した創業者たちの高齢化などで、廃業を決断する方もいると語った。
特に地方では、その他の業界と同様に後継者問題が深刻化している地域もあるほか、複数の薬局を経営する企業などでも、不採算店舗・薬剤師が集まらない店舗を手放し、スクラップ&ビルドを行うこともあるのだという。
「首都圏など、主要都市の中心部は人が多く集まって、余ってしまっているんです。逆に秋田県や青森県・島根県などをはじめ、関東でも少し田舎の方などでは、薬剤師が確保できないことも多い。そのせいで、業績が良くても閉店せざるを得ない薬局が出てしまうこともあります。」
と、都市部への人材集中の弊害についても教えてくれた佐伯氏。
人口分布図に応じて薬局の数は増えていくものの、地方の郊外などでは、薬剤師から見ても働き口が少なく、地方での人材が少ない薬剤師の取り合いに発展することも珍しくないのだとか。

「そのような状況もあったりするので、実は田舎に行けば行くほど、薬剤師さん個人の給料が良くなるんです。例えば東京23区内の平均年収は400万円代ぐらいの方が多いのですが、田舎では1,000万円前後という方も結構いらっしゃるんです。」
と薬剤師の実情を明かしてくれた。
「薬剤師個人にとっては嬉しい話ではあるんですが、やっぱり経営側からすると田舎で薬局をやっていくっていうのは、(経営などの面で)非常に大変な思いをされている方が多いかなと思います。」
と、薬局の都市部と郊外との差があるのだと語った。
薬局業界に他業種からの参入が年々増加傾向にある

「薬局は昔ほど儲かりづらくなったとか、経営が難しいというのは事実ではあるのですが、他業界からするとまだまだ伸びる余地はありますし、安定してるというような見方もできるんです。そのため、近年では他業界からの参入もかなり増えてきてるかなと思います。」
と語った佐伯氏。
例えば介護事業者などが自社で薬局を運営することで、施設に入居する方分の処方箋を自力で賄うことができる。
同グループ内で一気通貫し、日常のケアから薬の処方まで行えるメリットは、事業者・利用者双方にあるとし、こういった事例も増えているのだと教えてくれた。
実際アウナラにも、介護・福祉関係の事業者からの問い合わせは増加傾向にあるそうだ。
「売り手から手数料をもらわない」アウナラの料金体系に秘めた想い
薬局に特化したM&A事業を行っているアウナラでは、なんと売却をする売り手側からは手数料を取らない料金体系を採用している。

「売り手側の手数料を0にした理由は、私が薬局業界に長く従事してきた経験からきています。実は、薬局のことをよく分からず、片手間でやってるような仲介業者や、特化型を謳っているものの、実情は全く詳しくないという業者が多かったんです。」
と、薬局業界に対する想いを語った。
「薬局を売りたい方は、何かしら金銭的に問題を抱えていたり、経済的なご事情を抱えている、また売却することによって、また何か違うことを始めたいなどと考えてらっしゃる中で、なんで仲介会社が売り手・買い手双方から(高額な)手数料を取っているのだろうなって、当時の私は感じたんですよ。」
と当時に浮かんだ想いを熱く語る佐伯氏。
本質を理解し、しっかりとした提案を行っていない業者が多いと感じた中で、佐伯氏は売り手から手数料をもらわずに魅力を正しく伝え、よりよい買い手とマッチングさせ、適正な手数料をもらう形にしたとのこと。

「例えば地方で数が少ない薬局の1つがなくなってしまうと、処方箋難民が出てしまいます。今でこそオンライン診療などもありますが、すぐに薬をもらわないといけない、薬剤師さんからサービスを受けないといけない方がたくさんいらっしゃる中で、薬局がなくなると患者・医療機関に関しても、(その地域の)医療導線の崩壊を招いてしまう。いわゆる医療機関をその地域からなくしてしまうことにつながるんですよ。」
だからこそ「薬局をなくしてはいけない、守りたい」と語った佐伯氏は、正しく地域の方々に向き合う薬局を守るべく、事業を展開しているのだと語った。
その真摯な向き合い方が評価され、昨年比で150%もの問い合わせ数増加を誇るアウナラ。
さらに、アウナラのM&Aで薬局を売却した売主の方が「アウナラで一緒に働きたい」と声をあげ、入社したこともあったのだとか。
「一緒に働きたいって言ってくださったことがすごく嬉しかったですね。その方のM&Aに関わった弊社の営業たちも、“この人と一緒に働きたい”と熱意をもって言ってきてくれたんです。」
と、笑顔を見せた。
現在もその方は営業として活躍されているそうだ。
今後は「薬局の仲介と言えばアウナラだよね」と言ってもらえるような会社に成長していきたいと、今後の展望を語った佐伯氏。
アウナラは薬局がこれから生き残り、発展していくためのソリューションを、今後も商品開発を通じて展開していく方針だ。
「弊社の営業は、売らない方がいい方には正直に売らない方がいいですと答えたり、買いたいという方がいらっしゃっても、この案件は買わない方がいいですよって普通に言えるんです。しっかりとした判断軸を持ってお客様と真剣に、正直に対応できる業者であるとお見知りおきいただきたいなと思います。何か気になることがあれば、いつでもお問い合わせください。」
と佐伯氏はアピールした。
アウナラ:https://aunara.jp/
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