近年、世代を問わず多くの男性がスキンケアに気を遣うなど、男女の境なく美容への意識が高まっている。そうした時代の変化に伴い、”美容の仕事は女性のもの”という固定観念も変わりつつある。「バンタン渋谷美容学院 大学部」では、美容業界の男性市場が急成長を遂げる中、これまで女性中心だった門戸を男性にも開き、2026年度より本格的に共学化することとなった。その発表を記念して、同学院の名誉学院長でもあり、タレント・美容家としても活躍するMEGUMIによる、男性学生に向けた初の「特別授業」が2025年11月5日(水)バンタン東京校 五反田7号館にて開催された。
美容業界を目指す男性が増えている
バンタンが4月に開校した際に名誉学院長に就任しており、これまでも授業を行っているMEGUMI。この日の特別授業は、美容業界に興味のある男子学生13名が参加。「やりたいことを実現するための3つのプロセス」をテーマに、MEGUMI自らが自身の経験を話しながら、夢を実現するために大切なことを熱く語った。
バンタン渋谷美容学院 大学部は、ヘアメイク、ネイル、エステ、またセルフブランディングを学ぶインフルエンサー分野などを総合的に学ぶことができ、美容業界のプロフェッショナル人材の育成と大学卒業資格取得も目指せるところが特長となっている。現在は大半が女子生徒で男子生徒は数名だが、昨今男性コスメ市場が広がっており、同学院への男性からの問い合わせも多く需要が増えているという。美容イコール女性ではなく、今後は男性が美容業界で働くのは当たり前だということに期待をかけているそうだ。
拍手に迎えられて教壇に立ったMEGUMIは、「みなさんには、やりたいこと、それを叶えることができる無限の可能性しかないと思います。じゃあそれをどうやって叶えばいいのか?私の経験の中で、“こうやって考えてこうやって行動していけばいいんだよ”ということを、みなさんにしっかりとお伝えしていきたいと思います」と挨拶すると、「やりたいことを実現するための 3つのプロセス」を1つずつ生徒たちに伝授した。
「自分のやりたいことを知ろう」
今の時代は情報過多だが、学生はデジタルネイティブとしてそれが当たり前になっている世代。ただ、あまりにも情報に意識を奪われていると、自分が好きなものが意外とわからなくなってくる。「自分って何をやってることが一番幸せなんだろう?ということを考えて、それをちゃんと自分の生活の中で認識してあぶり出して、それを自分の生業にしてほしいんです」とMEGUMI。「私の若いころは、自分が好きなことを仕事になんかできないと言われたんです。そういう大人がいっぱいいました。ただ、私は芸能界という割と夢のような仕事を 25年続けてきて、一つだけ言えることは、本当に好きなことじゃないと、頑張れないんですよね。だから、本当にやりたいことをやるべき。時間を忘れて没頭していることや、“もういい加減にしなさい”と言われないとやめないことこそ、本当にやりたいこと。そういうものが日常にあるはず。自分が没頭しているものをメモしたりして認識することが大事だと思います。これから大人になるにつれ、いろんなことが日々が過ぎていく中で、“自分は何が好きなのか?”を学生時代、残り僅かな時間で見つけてほしいです」
「自分の夢をビジュアル化してみよう」
夢に描いたこと、目標を持っていても、生きていく中でいつの間にか忘れてしまうことも多い。MEGUMIは、それを忘れないため、思い出すために年始に必ず「事業計画書」みたいなものを 3日ぐらいかけて作るという。「去年の振り返りから、今年はこういう一年にしましょうみたいな大義名分を書いて、その後にじゃあ 1月はこういう作品に出たい、2月はちょっとゆっくりして、3月はこういう監督のこの作品に出たい、4月はこういう美容のことをやりたいとか。何も決まってないんですけれども、具体的にスケジュールを決めていくんです。“こういう感じで行くぞ”みたいな地図みたいなものです。地図がないとやっぱり人は迷っちゃうんですね。1年過ごしていくうちに、もしやりたいことを忘れたら手帳に挟んでいるその事業計画書を見て、“あ、そうそう私はこれをやりたかったんだ”って。こういうことを繰り返しをしていくうちに、自分が本当に何をやりたいのか、何を頑張るべきなのかっていうのが定着していきます」と自身が実践していることを明かした。また、自分の夢を書き出すと同時に、コラージュも作ってビジュアル化することも勧めているという。「コラージュにすると一目瞭然なんですよ。こういう感じの世界観でこういう仕事をして、こういう家に住んで、これぐらいのお金があってっていう人生のコラージュ。これは実際に、バンタンの生徒たちにも、全体的なコラージュを作ってもらってるんですけども。是非やってみてもらいたいと思います」。
「自分のやりたいことを声に出してみよう」
「自分のやりたいことが固まったら、その後にやってもらいたいことが、“人に言う”ってことなんですね。これは結構、苦手な人が多いんですよ(笑)。だって恥ずかしいですよね。まだ自分がその世界で結果を出してないかもしれないし、まだまだ若いし、経験値も少ないしとか、そういうことあると思います。だけど、言わないとあなたが何をやりたいのか誰も知らないんです。私も今までそうでしたけども、自分のやりたいこととか夢って人が運んできてくれるんですよ。“あ、MEGUMIがあの監督好きって言ってたな、じゃああの監督の作品でちょっと小さい役だけど声をかけてみよう”とか。“金沢で飲食店をやりたいって言ってたな、物件があるからちょっと連絡してみよう”とか。やっぱり、やりたいことを言うってことがめちゃくちゃ大事なんですね。SNSをやってらっしゃる方もたくさんいると思いますけども、SNS上で例えば自分がメイクアップアーティストとしての発信するとか、ちゃんと自分の名刺になるようなSNS を発信することで、”この子ってこういう才能あるんだ“、”こういうことをやりたいんだな“っていうのを世の中に見せること。今って、大スターだろうが、アメリカのスターだろうが、韓国のスターだろうが、常にクリエイターを探しているので、TikTokとかインスタとかで流れてくる人に DMして実際撮影するようなこともめちゃくちゃ起きてるんですよね。なので、ちゃんとSNS で意思表示をしていくと良いと思います」。また、日本では新しいことをやる人に対して否定的な意見を言う人も多いが、そうした声に負けずに自分がやりたいことを言っていくことが大事だという。「それは必ず誰かの脳裏には入っていて、それをあなたが続けている限り、ちゃんとチャンスを運んでくれる人がたくさんいます」と、夢を実現するための3つのプロセスを伝授した。
続ければ必ず夢は叶う
「やりたいことを認識する、書き出してコラージュを作る、やりたいことを口に出す。途中で、“もう難しいな”と思うことや、自分の成長速度が他者に比べると少し遅かったりとかっていうこともあるかもしれないけど、そんなのは関係ないです。続ければ必ず夢は叶いますから。夢を叶えるまで続けるためのガソリンとして、今の 3つのプロセスを是非実践してもらいたいなと思います」とまとめると、続いて生徒からの志願者を募り、前に出てどんな夢を持っているのか明かしてもらうことに。また、MEGUMIへの質問も寄せられた。
「自分の夢を否定されることが怖くて人に言えないことが多かった」という生徒は、MEGUMIの授業を受けたことを実践すべく、メイクアップアーティストを目指したいとその場で宣言。「メンズサロンを立ち上げることが夢」という生徒から、立ち上げる上で自分だけの世界観を作るのに大事なことを質問されたMEGUMIは、「私も美容師さんにたくさん今まで会ってきた中で、結局今行ってるのはその人らしさ全部お店に反映されてるところなんです。その人が好きなポスターが貼ってあったり、好きな音楽が流れてるとか。流行ってるものに乗っかってるよりも、自分が好きなものが湧き上がっていて、それが空間に反映されている人がやっぱりかっこいいんですよ。もちろんヘアメイクとか技術的なものもあるけど、その人に会いに行きたい感じっていうのもすごくあるから、自分の好きなものを突き詰めて知るっていうのはすごく大事だと思います」と答えた。
「自分のヒーローを作ってください」
美容師を目指しており、毎日まわりから見られている意識をもって過ごしているという生徒には、「素晴らしい!大切なことだと思います」と称えると、「芸能界に入ったきっかけは?」という質問に対して回答。「小学生の卒業文集に書いていて、それは忘れていたんですけど、キラキラした楽しそうな世界に自分も入ってみたいっていう思い、ただそれだけです。さっき言ったように、好きなものだからここまで 25 年近く頑張ってこれたのかなと思ったりはするので、好きなものを選んでよかったなと思っています。ぜひ好きを突き詰めて、進んで行ってください」。最後の質問は、「いつかステージに立つ人になりたい」という生徒からの「自分の好きなこと努力したいことはあるものの、モチベーションが上がらないときは、どう過ごしていますか?」というもの。「自分のヒーローを作ってください。私はイチローさんとか、建築家の安藤忠雄さんとかが大好きで。そういう、生きる姿が好きなヒーローを心に持っていると、なにかあったときに励みになると思います。テンションが下がったとき、その人たちのYouTubeとかインスタグラムを見ると、めっちゃ元気になってくるからです。モチベーションが下がることは人間誰でもあるし、そういうときに“自分はダメかもしれない”と思わないでほしいです」と、力強く励ました。
生徒たちとの記念撮影をして授業は終了。その後行われたメディアの代表質問では、授業を振り返り、「みなさん、とても真剣にメモを取りながら聞いてくださって。なおかつ、堂々と自分のやりたいことを発表していて、すごい頼もしい方たちだなと思って、逆にパワーを頂きました。自分で美容サロンを開きたいんだけれども、どういうところで自分らしさを出せばいいのかという質問に関しては、すごく具体的考えていらっしゃって、素晴らしいなと思いました」と感想を述べて、生徒たちの熱心な受講姿勢に満足そう。
自身の2025年については、「今年は全速力でずっと走り切ったような一年でした。ずっと憧れていた海外の仕事も少しずつ増えてきて、仲間も海外にも増えてきましたし、スペインに居住することもできたので、これからワクワクするような、そんな種まきができた一年だったと思います」と振り返ると、今後の夢として、「自分の企画した映画を海外の映画祭に持っていってホームランを打つことですね」と展望を語った。
美容業界を目指す男子学生たちにエール
最近注目して取り入れている美容法を訊かれると、「最近割と体を絞っていたので、食生活だったり運動だったりとかを全部変えてやっているので、やっぱり食事と運動というのはすごい自分の体を作るんだなというふうに思って、結構運動を強化してます。加圧トレーニングとか筋トレとか通常のお散歩とか、何かしら毎日ちょっとずつ運動をするようにしています」と明かした。
最後に、美容業界に興味はあるもののその道に進むべきか、将来に悩んでいる学生に向けてアドバイスを求められたMEGUMI。「少しでも自分がやりたいことを、自分と向き合って見つけて、じゃあそれに対する努力はどうすればいいのか、それに対する学校はどういうところを選べばいいのかみたいなことを、しっかりと考え抜いて、そして見極めて行動してほしいなと思います」と真摯に答えて、美容業界を目指す男子学生たちにエールを送り、「バンタン渋谷美容学院 大学部 特別授業」を締めくくった。