UCCの飲まないコーヒー「YOINED(ヨインド)」って何?

「YOINED(ヨインド)」という名称の“飲まないコーヒー”を、UCC上島珈琲株式会社が2023年から限定販売しています。

2024年には前年の1.5倍以上を売り上げるなど、年を追うごとに人気が高まっている“食べるコーヒー”でもあるYOINED。

「完成(製品発売)までに20年以上がかかりました」というUCCジャパン株式会社のYOINEDプロジェクトマネージャー、小坂朋代さんにYOINED誕生の経緯などを伺いました。

ーーどういった経緯からYOINEDが誕生したのでしょうか?

小坂:「コーヒー豆の香りや味をすべて食べてみたい、味わってみたい」とUCCの研究者が思ったことが発想の起点です。当初から「食べる」コーヒーを作ろうと思っていたわけではないそうです。

当初は豆を挽いてお湯や油で混ぜたり、様々な試行錯誤をしたようなのですが、舌触りが悪い&香りが保持されないなどの理由で、おいしいといえるものではなかったようです。

並行して「香りを閉じ込める技術」など様々な技術がUCCから生まれる中で、凍結粉砕の方法を使ってコーヒー豆を細かく口当たりを滑らかにすること、チョコレートの製法にヒントを得て、油脂でコーヒーの粒子をコーティングし香りを保つことを思いつき、現在の形に至りました。

はじめから食べるスタイルにしようとしていたわけではありませんが、製品としてみなさまにお届けできるのには、20年以上の年月がかかりました。

ーー見た目や食感はチョコレートだけど、味は間違いなくコーヒーということでしょうか?

小坂:はい、カカオ豆を一切使っていないのでコーヒーです。一口食べるとコーヒーの香りが口の中に広がります! コーヒー味のチョコレートよりもはるかに強く、長いコーヒーの香りの体験で「今まで味わったことがない」とおっしゃる方も多いですね。

コーヒーといっても、豆の種類、産地、精製方法、焙煎度で全く味が異なるので、たとえレシピが同じであっても豆を変えれば味は変わります。23年はエチオピア、24年はタンザニアの豆を使用し異なる味覚を楽しんでいただきました。今後の味覚もお楽しみください。

ーー購入者はどういったシーンでYOINEDを堪能しているのでしょうか?

小坂:YOINEDを楽しむ一つの提案として、お酒とのペアリングをおすすめしております。お酒とともに、ゆっくりと余韻に浸りながら楽しんでいただきたいと思っています。

実際に、ユーザーから「夜ゆっくりと食べました」、「お昼の一服したいときにいただきました」などの声があります。また「日本初の食べるコーヒーだよ、という話題とともにホームパーティなどの手土産として」というお声もございました。

ーー購入者からはどういった声が届いていますか?

小坂:「脳がバグる(見た目からチョコレートだと思ったけれど味はコーヒー)」「たしかにこれはコーヒーだ!」という驚きの声が多いです。一方で「毎日食べたい」「スーパーでも売ってほしい」などの声もありますね。

ーー期間も数量も限定販売というのは大量生産が難しいからでしょうか? それともプレミアム性を維持するためでしょうか?

小坂:物理的に溶けやすいので、冬季限定にしています。これまで販売しているUCCの直販店舗では冷蔵の陳列ケースがない店舗も多く、夏に販売できないということがあります。

直販店舗を中心としているのは、一見チョコレートなので、販路を急に拡大するとユーザーの印象は「コーヒーチョコレート」になってしまう。しっかりUCCのスタッフが技術と私たちの想いを説明できる販路に絞っています。

また、YOINEDは新しい技術なので、まだ研究が続いています。冬季に販売して、終了後にお客様のご意見をどのように反映するか、より香りをよくするにはどのような改良をすればよいかを研究し、次の冬に改良版をリリースするのに必要な時間とも思っております。

ーーありがとうございました。

2023年と2024年に発売されたYOINED(6枚入り)の価格は税込2700円でした。価格等の詳細な製品情報はまだ公開されていませんが、今年は11月の発売が予定されています。詳しくは下記リンクをご覧ください。

YOINED公式サイト
https://www.ucc.co.jp/yoined/[リンク]

※画像提供:UCC上島珈琲株式会社

(執筆者: 6PAC)

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