【京都】レストラン列車「丹後くろまつ号」で朝食を。天橋立へ向かう忘れられない鉄道旅

車窓に広がる絶景と、美味しい朝食。大人が味わう、まだ知らない京都。

今回ご紹介するのは、混雑を避けながら非日常を楽しみたい人にぴったりのレストラン列車「丹後くろまつ号」。金・土・日・祝日の1日3便限定で運行される完全予約制の列車で、2025年秋冬限定コースでは、モーニングとランチに加え、海上自衛隊・舞鶴地方隊とのコラボメニューも楽しめます。

この記事では、京都・福知山から天橋立へ向かう「モーニングコース ~大江山鬼退治伝説の地を味わう~(税込7,000円)」の体験レポートをお届けします。

漆黒の車体に輝く金の松。ノスタルジックなレストラン列車

1980年代に製造された北近畿タンゴ鉄道の車両を、2014年にレストラン列車としてリニューアルしたのが「丹後くろまつ号」です。

鉄道デザインの巨匠・水戸岡鋭治(みとおか えいじ)氏が手がけた車両は、漆黒のボディに金色の松がきらめき、重厚感と華やかさをあわせ持つデザイン。

「松」は、日本三景・天橋立の白砂青松の風景をモチーフにしており、丹後の自然の美しさを象徴しています。

車内には天然木がふんだんに使われ、温もりと気品が漂う空間に。列車がゆっくりと走り出すと、“山の京都から海の京都へ”と景色が変わりゆく車窓に、心がほどけていきます。

見て、食べて、学べる。五感で楽しむ朝食時間

モーニングコースの食事は、途中停車する大江駅の“鬼伝説”をテーマにした、遊び心あふれる2皿。

1皿目は、地元野菜を使った彩り豊かなサラダに、鬼のこん棒に見立てたパイコルネと、どぶろくが香るポタージュ。

2皿目は、金太郎と最強の鬼「酒呑童子(しゅてんどうじ)」の伝説で知られる大江山をモチーフにした、可愛らしいデザートセット。

程よい甘さと丹鉄珈琲のほろ苦さが絶妙に調和し、朝の静かな時間をより豊かに彩ります。

大江の町で出会う、鬼と伝統の世界

モーニングコースは、10時頃に福知山駅を出発し、鬼伝説の里・大江の駅で途中下車し、皇大神社前を通って天橋立駅へ向かう1時間40分ほどの鉄道旅。

鬼伝説の里・大江の駅前には、強面な鬼瓦がずらりと並ぶ「鬼瓦公園」があります。

この公園は、全国の鬼を愛する人たちの手で作られたそうで、全国の鬼師(鬼瓦製作者)の集大成ともいえる鬼瓦が飾られています。

駅の売店には、鬼の蚊やり器や迫力ある鬼せんべいなど鬼ファン必見のグッズ展開。

“天に架かる橋”を歩く。旅の終着点・天橋立へ

海の上に細長く伸びる砂の道――松島や厳島と並ぶ日本三景のひとつ、天橋立。

その姿は、古くから「龍が天へ昇るようだ」と讃えられてきました。

写真提供:海の京都フォトギャラリー

天橋立神社へと続く「大天橋」を歩けば、穏やかな風と潮の香りが迎えてくれます。

橋の上から見下ろすと、透き通る青と白砂が織りなす美しいコントラスト。

心まで澄んでいくような光景に、思わず足を止めてしまいます。

全長3.6kmの天橋立は、対岸まで徒歩でおよそ50分。ゆっくりと風景と時間の流れを味わうのがおすすめです。

わざわざ訪れる価値のある、丹鉄レストラン列車

「丹後くろまつ号」では、京都北部の沿線に息づく豊かな自然や伝統文化を感じながら、旬の味覚をゆったり楽しめます。

京都駅から福知山駅までは特急で約1時間30分と距離がありますが、その時間も価値あるひととき。観光列車好きはもちろん、海と山、そして食が揃う丹後の鉄道旅で、忘れられない一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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ぴかっとさん

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北海道生まれのアラサーです。たくましく生きたいので、筋肉をつけようとしていますが、プロテインは苦手です。読書とオシャベリが好きです。

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