キャンプやサウナの次にくるのはコレかも!「棍棒飛ばし」が週末遊びの新定番になりそうです

最近の「アウトドア」といえばキャンプにサウナにグランピング。でも、ちょっと都会的というか、整備された感じに物足りなさを覚えることも。

もっと野蛮で、もっと原始的で、最高にアガる野遊びがあるんです。それが——棍棒飛ばし

ある日の編集会議で「栃木に棍棒飛ばしてる人たちがいるらしい」と聞いた瞬間、頭の中は「???」でいっぱい。棍棒って、あの棍棒? ギガンテスが持ってるアレ? 聞いたことない競技に興奮して、「行かせてください!」と秒で挙手。

取材を兼ねた棍棒飛ばし体験をさせてもらうことになったのです!

棍棒飛ばしに励む「足利棍棒ギルド」

ギラッギラの太陽が照りつける9月某日、足利の山奥にあるとある広場に集合したるは「足利棍棒ギルド」のみなさん。

RPGゲームのイメージから「棍棒=荒々しく屈強な人が持つモノ」だと思っていたのに、みなさんめっちゃフレンドリー。

年齢、性別もバラバラで、驚いたのは75歳を超えるギルドメンバーの方もいらっしゃるとのこと!

到着して早々、棍棒飛ばしに鼻息を荒くしている筆者を嗜めるかのように「まずは棍棒でコレを思いっきり叩いてみて!」と、太い丸太の前に呼ばれました。

よいしょ~!の掛け声に合わせて丸太をガンガン叩いていると、ぶっとい棍棒を握った手のひらから身体中に、ビリビリとした痺れと爽快感が駆け巡る。

こ、これが棍棒叩きの醍醐味か! 自分の中にあった“全力で殴打することへのリミッター”を外したところで準備は完了!

レッツ棍棒飛ばし!

棍棒飛ばしをとてもざっくりと説明しますと、

切り株の上に置いた「被打棒」という短い棍棒を「殴打棒」という大きな棍棒でぶっ叩いて殴り飛ばし、その飛距離によって点数を獲得する

というルールがベースになった競技。全日本棍棒協会が考案したニュースポーツです。

棍棒を打ち出す棍棒場にて、ギルドの代表である梁川さんからレクチャーを受けます。

ズッシリと重たい殴打棒を握り、身体全体を使って、思いっきりブン殴る!

ガゴッ!という確かな感触が手のひらに伝わった瞬間、澄んだ青空に向かって被打棒が飛んでいく。

それを目で追うと、うおぉっ、けっこう飛んでる!!

スコーン!という爽快な音とギルドの皆さんの「ナイス棍棒〜!」という歓声が広場に響きます。

はじめてなのにちゃんと綺麗なアーチを描いて飛んでいく被打棒。なんだ、この未体験の爽快感は……。

飛ばし方には型がある!それが「仏跨ぎ」と「地獄跨ぎ」

途中から、飛ばし方には2種類の型があることも教わりました。

打者が被打棒の正面に立って打ち抜く「仏跨ぎ(ほとけまたぎ)」と、被打棒に対して身体を斜めにして豪快に打ち抜く「地獄跨ぎ(じごくまたぎ)」。

遠心力をフルに使う地獄跨ぎにはかなりのテクニックが必要だけど、決まると飛距離がとんでもないことに。

被打棒に対して平行に殴打棒を当てることを意識すること、腰(体重)の落とし方が大切であること、振り下ろす瞬間にスピードを乗せると飛距離が増すこと。

みなさんからコツを教わるうちに、どんどん遠くに棍棒が飛ばせるようになってくる。これ、完全に沼かも。

心臓バクバクなディフェンスも体験!

棍棒飛ばしには、被打棒を飛ばすオフェンスに対して、被打棒を弾き飛ばすディフェンスもあります。

ヘッドギアを装備した状態で打ち返す用の「撃墜棒」を握り、飛んでくる被打棒が地面につく前に場外に弾き出したり、前に押し戻したりするのですが……

これが見ているだけでも怖すぎるんです。短い棍棒がブンブン回りながら向かってくるのを見るなんて、人生初。

ですが、せっかくだからディフェンスも体験させてもらいました。

棍棒が打ち出される前の心臓の高なり。都会の公園ではとても味わえないスリリングな緊張感

足がすくんしまうような恐怖心と、積極的に棍棒を撃ち落としたい気持ちのせめぎ合い。でも、棍棒が飛んでくると反射で腕も足も動く。

でも、結果は失敗。くっそ~!と悔しがっていると、「ナイス棍棒!」と勇気を讃えてくれました。

成功しても失敗しても、大事なのは「ナイス棍棒」の精神。このゆるさとスリルの同居、クセになりそう!

慣れてくると、このディフェンス側もめっちゃくちゃ楽しい!

棍棒はどれも手作り。ぜひ作ってみたい!

今回の取材で当たり前のように使わせてもらった棍棒は、足利の里山で伐り出した木々を材料に、足利棍棒ギルドのみなさんが手作りしたモノ

ただ飛ばして楽しむだけじゃなく、自然と関わり、素材を選んで、道具を生む。「遊びと暮らし」が直結しているようで、それってめちゃくちゃアウトドアだなと感じたのです。

飛ばすだけでもアガるんだから、My棍棒も作ってみたい! その思いを梁川さんにぶつけたところ、「ぜひ!」と快諾してもらえました。

次回は、ギルドのみなさんのガイドで足利の里山へ。そこで棍棒づくりのコツからギルドをスタートした背景まで、さらに深掘っていきますよ。

全国大会の開催を10月26日に控えた「棍棒飛ばし」。ROOMIEではまだまだ追いかけていきます!

足利棍棒ギルド【公式Instagram】

全日本棍棒協会 公式サイト

Photographed by Kazuhiro Suzuki

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