【東京都港区】二代歌川広重が浮世絵に描いた行事が甦る、約40基の灯篭が街を彩る「青山星灯篭」開催

青山星灯篭実行委員会とまちづくりののあおやまは、今年で9年目を迎える「青山星灯篭」を、北青山の複合施設「ののあおやま」を本会場に、9月13日(土)・14日(日)・15日(月・祝)の18:00～20:00に開催する。

江戸の人々に親しまれたお盆の行事

「青山星灯篭」は、江戸時代から明治時代初期頃まで、旧暦の7月に約1ヶ月間、青山・百人町周辺(現在の表参道交差点〜外苑前にかけて)にて行われていたお盆の行事だった。

竹竿の先に提灯をつけて高く掲げる様子が、夜にはまるでたくさんの星が出ているように見えたところから「星灯篭」と呼ばれ、二代歌川広重の浮世絵にも描かれるほど江戸の人々に親しまれていた。

青山星灯篭実行委員会とまちづくりののあおやまは、この「青山星灯篭」を現代の青山に甦らせることで、逝きし人や土地の記憶に思いを馳せ、青山らしい暮らしとは何かを見つめ直すきっかけになればと考えている。

二代歌川広重の作品を復刻

実行委員で青山星灯篭甦生プログラムの発起人の一人でもある「山陽堂書店」の4代目世代・遠山秀子氏の熱意により、昨年「山陽堂書店」は『諸国名所百景 東都青山百人町 星燈篭(作：二代歌川広重)』を復刻し、版元となった。

復刻は、江戸から続く江戸木版画の摺師「高橋工房」に依頼し、木版画の彫りから色彩までを当時の資料をもとに再現している。大河ドラマでおなじみ蔦屋重三郎の時代から、200年以上の時を経て版元となった「山陽堂書店」が復刻した浮世絵は、パンフレットやポスターにて見ることができる。

青山の街を彩る約40基の星灯篭

2017年、地域の有志により再興し、7基の灯篭から始まった「青山星灯篭」は年々その数を増やし、今年は本会場の「ののあおやま」の他に、この行事に賛同した近隣の「きらぼし銀行本店」「ワールド北青山ビル」「3rd MINAMI AOYAMA」などにも掲げられ、約40基の星灯篭が青山の街を彩る。

「青山星灯篭」を盛り上げるイベント

9月13日(土)に開催される「夜空の影絵 ウランダランダ～私の名前を呼んだのは森一番の魔法使い～」では、影絵師・川村亘平斎氏と打楽器奏者・小林武文氏が、木々に囲まれた幻想的な空間で影絵を披露する。森の魔法使いウランダと少女の旅を描くこの作品は、子どもから大人まで心揺さぶられる作品となっている。影絵の公演前には、自分だけのオリジナル影絵人形づくりを体験できる。

9月14日(日)に開催される「星降る森の茶会」では、「青山星灯篭」開催期間限定で「ののあおやま」に現れる特別な茶室で、現代アートと茶の湯の世界を楽しむことができる。「ワタリウム美術館」CEOの和多利浩一氏を父に持つ、亭主・和多利有氏による一期一会の茶会が、特別な体験へと誘う。

9月15日(月・祝)に開催される「しばふ能 〜舞囃子の夕べ〜」は、芝居の語源とも言われる“芝生での能楽鑑賞”(能面、装束を付けない略式演奏の舞囃子で上演)を楽しむことができる。演目は、子方が活躍する「船弁慶」他を披露。能初心者でも存分に楽しめるよう能楽レクチャーも行われる。

「青山星灯篭」開催期間中は、「灯篭絵付けワークショップ」を開催。来場者が描いた灯篭が、夜の会場にあたたかな光を灯す。願いごと、故人への手紙、自身の記憶。個人の内面に宿る想いが会場を優しく包む。実行委員とイラストレーターの鹿又広祐氏が「いのちの授業」と題して、事前に港区立青山小学校6年生へ向けて出張授業を行い、そこで6年生が描いた灯篭作品も飾られる。

また、「青山星灯篭」開催期間中は「星灯篭の縁日とポン菓子実演」を実施。9月13日(土)には、愛媛県西条市のポン菓子専門店「ひなのや」が出張ポン菓子実演を行う。

その他、9月14日(日)には、特別対談「暮らしにおける青山の過去から未来へ」が行われる。対談者は、ワタリウム美術館CEOの和多利浩一氏、和多利有氏、青山紅谷三代目の青木博司氏、まちづくりののあおやまの水野成美氏。さらに、8月26日(火)～9月15日(月・祝)の期間、特別展示「古地図で見る青山星灯篭」も実施されている。各イベントの参加申込は、予約サイトで受付中だ。

約40基の星灯篭が青山の街を彩る「青山星灯篭」を楽しんでみては。

■ののあおやま
住所：東京都港区北青山3-4-3
HP：https://nonoaoyama.com/

青山星灯篭 HP：https://aoyamalanterns.com/
青山星灯篭 イベント予約サイト：https://aoyamahoshidoro2025.peatix.com/

(yukari)

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