800円の未利用魚セットを刺身で食べ比べした結果 →実質タダのアイツ旨すぎワロタ【ウルメイワシ/ヒラマサ/アカヤガラ/クロサギ/ヒメジ/ヨメヒメジ】

刺身が食べたい! 刺身が食べたい! 刺身が食べたーい!!!!
しかも食べたことない未知の美味しい魚の刺身が食べたい!!!!!!!
そんな時は未利用魚です。てことで未利用魚を買いに行きつけの魚屋「海鮮市場マルモト」(神奈川県伊勢原市伊勢原1-3-37)に行ってきましたヽ(・ω・)ノ=3=3=3
本日マルモトの田中店長が入荷してくれた未利用魚はこちら!

これ全部でお値段なんと800円(税込み)です!
800円(税込み)……だと……:(;゙゚’ω゚’):!? マルモトにいらっしゃった他のお客様にプレゼントしてしまったので写真には写っていませんが、本当はここにカゴカキダイもいて、それも含めて800円(税込み)……。

▲カゴカキダイ(かわいい)

▲カゴカキダイは知る人ぞ知る激ウマ磯魚です。近年人気が出てきて価格も上がってきてるらしい。

▲冬のカゴカキさんは霜降りお化けになる。白身魚界の大トロ!
小さいとはいえ高級魚のアカヤガラもいるのに。800円なんてアカヤガラ1尾で元が取れてしまうのでは……?
つまり他の魚は実質タダ!?
どうも無名・不人気ゆえに市場価値ゼロの子が多いからこのお値段ぽいです。
でもそんな普段は見向きもされないけど、知る人ぞ知る実は超美味しい魚が隠れているのが未利用魚の良いところ!!
大喜びで即決購入しました(゚∀゚)
800円未利用魚セットの魚紹介
まずは龍のようなユニークな見た目で目立ちまくりのアカヤガラです。
成魚は2メートルぐらいまで成長する大きくかっこいい魚です。非常に上品なうま味たっぷりの白身魚で、料亭御用達の魚みたいですね。
まさか未利用魚として出会えるとは思ってもいなかったので、喜びもひとしおです。

この丸々としたふくよかなイワシはウルメイワシです。
鮮度落ちが非常に早いのですが、刺身が絶品とのことなので食べるのが楽しみです。

こちらはヒラマサの幼魚・ヒラゴです。この子が美味しいのは周知の事実ですね。

続いてはクロサギです。無名ゆえに不人気で安い魚です。大きさは30cmぐらいあるので、これで美味しければ非常にお買い得な魚です。臭い魚という噂もありますが果たして……?


▲うにょ~んと伸びるお口がかわいい。
最後はヒメジです。

日本ではヒメジはマイナー雑魚扱いで安いのですが、とても味が良いため、欧州では高級魚扱いらしいです。
絵画のように鮮やかな色彩が美しく、ずーーーーっと眺めていたくなるお魚です。
なお、後で分かったのですが、今回購入したヒメジは「ヒメジ」と「ヨメヒメジ」の2種に分かれるみたいです。
ヨメヒメジは体に斑点模様が散らばり、尻尾の両側にシマシマ模様があります。

味に大きな違いはあるのかな? こちらも食べ比べるのが楽しみです!
800円未利用魚セットの刺身食べ比べ
全て一般的な3枚おろしの方法で捌きました(アカヤガラはちゃんとした捌き方があるみたいですが、一般的なおろし方で捌けました)。
クロサギは肝も立派だったので、これも頂いてみようと思います。

▲クロサギの肝。海水ぐらいの塩分濃度の水に日本酒を合わせ、それに1時間ぐらい漬けて臭み取りをします。
盛り付けたら完成です。

では頂いていきます。
アカヤガラの刺身
アカヤガラの身は透き通るような白色が美しいですね。

▲上は皮つき

味はほぼないです。この個体は若いからなのか、特に味がないです。なのに美味しい不思議なお刺身。
プリプリサックリした歯ごたえで、ほのかに甘みがあります。食感・味ともにホタテをものすごく繊細で上品にした感じです。もしくはカワハギの刺身に似てるかも。
ほとんど無味なのに箸が止まらなくなる不思議な美味しさです。
ちなみにアカヤガラは加熱するとうま味たっぷりになります。刺身が口に合わない場合は煮たり焼いたりするのがおススメです。
骨から非常に良い出汁が出るので、頭や骨は捨てずにとって置くと重宝します。
クロサギの刺身
水分量が多く水っぽそうだったので、キッチンペーパーに包み、1時間ほど冷蔵庫で寝かせてから刺身にしました。

▲血合いが濃いです。

むっちりとした食感で弾力がしっかりあり、でもサックリとした歯ごたえで、噛んでて気持ちが良いです。
弾力も歯ごたえもしっかりあるのに、ホロホロと勝手に崩れていく柔らかい身質で、とても不思議でクセになる食感です。
臭みやクセは全くなく、白身魚の上品なうま味が非常に濃いです。
アジ科の魚ぐらいうま味が濃いです。クロヒラアジに似てる。
脂がなくサッパリしているので好みは分かれそうですが、うま味たっぷりで美味しい魚です。なんでこの魚が不人気なのか分からない。
ちなみに肝は、ウニみたいな味がするけどコクがあるわけでもなく美味しくはないです。肝は別に食べなくてもいいかな。。。煮つけにしたら美味しいのかもしれないけど。

ヒメジ
今回ヒメジは「ヒメジ」と「ヨメヒメジ」の2種があります。先にヨメヒメジを頂きます。

▲皮目がルビーのように鮮やかで美しいです。あまり皮を引かなければ良かったとちょっと後悔。。。

▲「ヒメジ」の名札が付いておりますが間違いです。正しくは「ヨメヒメジ」です。
あまーーーーーーーい!!!!!! うまーーーーーーーい!!!!!!
なにこれ、めちゃくちゃ美味しい!!!!! 何でこんな美味しい魚が市場価値ゼロの不人気魚なの((((;゚Д゚)))))))!?!?!?!?
ムチムチさっくりした歯ごたえで、真鯛に甘エビの甘さをのせた感じの、上品ながら濃厚な味わいです。
ちょっとネットリした食感もあって、そのおかげでうま味と甘みが舌に絡みつき、さらに濃く感じます。
クセもなく上品でこれは万人受けする美味しさ!!!!!
続いてヒメジを頂きます。ヒメジ科は皮にうま味と風味があるらしいので、こちらは皮つきで頂きます。

皮が美味しいとのことだけど、ぶっちゃけよく分かんない……皮は剥がしてもいいんじゃないかなぁ?
個体差や時期、地域差もあるのだろうけど、ヨメヒメジと比べると、ヒメジはうま味・甘みともに薄いですね。
ヒメジはヒラメのような上品で淡白な味わいです。
個人的にはヨメヒメジのほうが圧倒的に美味しいと感じたけど、どちらも美味しいです!
ヒメジ科の魚が欧州だと高級魚なのが分かりました。美味しさが知れ渡ったら日本でも人気が出そうな予感です。
※食味レビューを調べると、ヨメヒメジのほうは結構賛否分かれる感じなので、もしかすると生息地などで味が変わってくる魚なのかもしれません。
ちなみにヒメジ科は足が非常に早く、私が捌いた時はすでに内臓が溶けだしており、「え? もしかしてもう傷んでるの!? 生食は無理かな?」と思いましたが、全く問題なくお刺身で食べられました!
エラ・内臓取りをしておけば、次の日まではギリ生食できる気がします。
ヒラマサ(ヒラゴ)
次はヒラマサ(の幼魚ヒラゴ)です。


分かりきってますが文句なく美味しいです。
ふんわり柔らかく、噛まずとも口の中で勝手にほどけていきます。
幼魚なのでどっしりしたうま味や脂に欠けますが、その代わり透明感のある味わいで、これはこれで良いのです。
が、ヨメヒメジが旨すぎてヒラマサの味が霞みます……それぐらいヨメヒメジが美味しかった!
ウルメイワシ
最後はウルメイワシです。非常に足の早い魚で生食したことがないため「刺身で食えんのかな?」と一抹の不安を抱えつつ、頂いてみたいと思います。
ウルメイワシは脂がなくサッパリした魚と言われていますが、今回の子はめちゃくちゃ脂がのってます。

▲脂でテッカテカ!!

これ本当にイワシ!?!?!?!? マグロの中トロや大トロじゃないの??? えっっっ???
めちゃくちゃ美味しい!!!!!
噛まないで飲めるぐらい柔らかく、舌の上で勝手に溶けていきます。
食感、うま味、脂のノリともにマグロのトロみたい!! トロにイワシの力強いうま味が加わった感じ。
でも惜しむらくは脂が酸化して臭みを放ってしまっていることです……。
回転寿司で5時間回り続けた中トロの味になってしまっています。
ちんたら捌いたうえに、モサモサの小骨が気になってちんたら骨抜き作業も行ったため、食べるまでに時間がかかってしまい、ウルメイワシの脂が酸化してしまったようです……。
小骨はうざいけど非常に柔らかく、ケガの心配などはないので、骨抜き作業なんかしなければ良かったです(ーー)
これ手早く捌いて鮮度抜群のうちに食べたら凄まじく美味しかったんだろうなぁ。
次にウルメイワシを入手したらその点に気を付けたい所存です。
800円未利用魚セット感想
とにかくヨメヒメジが美味しかったです!! そして脂が酸化してしまったとはいえ、ウルメイワシもこんなに美味しいのかと感動ものでした!!
天ぷらでも食べ比べしたので、次はそのレポートをしたいと思います。
未知の美味しい魚に出会えるのが未利用魚のとてもとても楽しいところです。
無名すぎて食味情報が全然なかったり、ちょっと捌くのが手間だったりすることもありますが、それ以上の感動に出会えたりするので、魚屋さんで未利用魚を見かけたらぜひ手に取ってみてください!
※画像は全て筆者撮影
■海鮮市場マルモト
https://www.0-to.com/[リンク]
(執筆者: ゆずくん)

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