東日本・西日本・北海道のどん兵衛で一番ウマいのはどれだ? AIを駆使して科学的に解析してみた! →衝撃の結果

日清食品のカップうどん「日清のどん兵衛 きつねうどん」(以下、どん兵衛)は東日本、西日本、北海道と地域ごとに少しずつ味を変えていたりします。
東日本版は濃口醤油ベースでしょっぱめに仕上がっているのに対し、西日本版はだし感強めでほんのりまろやか。そして北海道版は利尻昆布などを活かしたやさしい味。これは地域ごとの味覚の違いに合わせた配慮だったりするんですね。さすが日清食品。
一番うまいどん兵衛はどれ? →科学的に解析!

さてさて。この3種類のどん兵衛きつねうどんですが、一番ウマいのはどのどん兵衛なのでしょうか……?
もちろん“ウマい”と思う感覚は人それぞれ。ですが、甘味・塩味・酸味・苦味・旨味という5つの味覚については最新技術で数値化することができるのです。

その解析をおこなう最新鋭マシン、AI味覚センサー「レオ」を開発したのが、OISSY(オイシー)株式会社の鈴木隆一さん。AI技術を用いてヒトの味覚を再現したセンサーで食品サンプルから電気信号を測定し、独自のニューラルネットワーク(人工的な知能の実現)を通じて、5つの味覚を定量的な数値データとして出力させることに成功しました。

このAI味覚センサー「レオ」を使ってどん兵衛の東日本版、西日本版、北海道版の味の解析をしたら、一番ウマいどん兵衛こそわからなくても、味の特徴を数値化することができるはず。そしてきっと、その数値から自分好みのどん兵衛を見つけることもできるはず……!
AI味覚センサー「レオ」にどん兵衛を解析させるぞ!
というわけで、早速鈴木さんにご協力いただき、3種類のどん兵衛をAI味覚センサー「レオ」に解析してみてもらいましょう!

まずは普通に3種類のどん兵衛を作ったら、麺、スープ、お揚げをバランスよくビーカーに入れ、よくかき混ぜます。

そして少量を専用の容器に移してからAI味覚センサー「レオ」にセット!




するとすぐに解析が始まりました。いったいどんな結果が出るんでしょうか……!

そして「まー、どうせ解析には時間がかかるんじゃろ?」と踏み、余ったどん兵衛を食べ始めたわたくし。ところが解析の作業はわずか数分で完了するとのこと。早く言ってよ!!
東西北3種類のどん兵衛の解析結果!

AI味覚センサー「レオ」によって解析されたどん兵衛のデータを確認すると、酸味と苦味こそほぼ違いがなかったものの、甘味・塩味・旨味に関しては東日本版、西日本版、北海道版で明確な違いが出ていました。
甘味の比較

まず甘味の数値を比較してみると、最も高い数値が出ていたのは北海道版。東日本版と比べて醤油の主張がひかえめで、まろやかなイメージがあった西日本版はなんと最も甘味が低いという結果になりました。まさか東日本版よりも甘味が少なかったとは……!
甘味の強いうどんがお好きな方は北海道版にハマる可能性が高そうですね。
旨味の比較

一方、最も旨味があるという結果が出たのは西日本版。逆に、利尻昆布などのだしの主張が強めな北海道版は最も旨味が低いという結果に。だしの強さ=旨味が強いとは限らないんですねえ……。
だしのきいたうどんが好きな方は西日本版が合いそうです。
塩味の比較

塩味は東日本版と西日本版が同じ数値で、北海道版よりも塩味が強いという結果となりました。
塩味に関しては成分表示に「食塩相当量」の項目があるのでそちらで把握することもできますが、実際に人間の舌が塩味を感じるのは食塩だけではなく、総合的にしょっぱく感じたりするのだそう。
実際に東日本版と西日本版の食塩相当量を比較してみると、東日本版は4.7gなのに対し、西日本版は5.1g。塩味の数値は同じなのに西日本版のほうが食塩相当量が多くなっていました。
コクの比較

そして5つの味覚の数値を計算し、“味全体の強さ”として算出されたのがコクという数値になります。その1位になっていたのは東日本版でした。
各項目では飛び抜けて1位になっている項目がなかった東日本版ですが、総合的には一番強い味というのは納得がいく気がします。やっぱり味が強い気がするもんなあ。
意外性もあり、実に面白い結果となりました!

▲全項目の数値をまとめた表

▲各どん兵衛のレーダーチャート
今後もAI味覚センサー「レオ」でいろいろ解析してみます!

数値化された味の特徴を頭に入れてから改めて各どん兵衛を食べてみると、確かに北海道版は甘く感じるし、西日本版は旨味が強く感じられるし、食べ慣れたどん兵衛の印象が大きく変わった気がしました!
味の特徴をこうやって解析すると、科学的に料理のペアリングの相性なども計測できそうですし、商品開発やメニュー開発にも役立ちそうですね。

ガジェット通信では今後もOISSY株式会社にご協力いただき、AI味覚センサー「レオ」でさまざまな食品の解析を試して定期的にレポートを掲載していく予定です。どうぞお楽しみに!
また、AI味覚センサー「レオ」についてはOISSY株式会社までお気軽にお問い合わせください。
OISSY株式会社
https://oissy.jp/[リンク]
(執筆者: ノジーマ)

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