【兵庫県神戸市】『せんたくかあちゃん』などで知られる、絵本作家さとうわきこさんの特別展を開催

神戸ファッション美術館は、6月28日(土)～8月31日(日)の期間、特別展「星をみつめておもいだす さとうわきこ展」を開催する。

さとうわきこさんが歩んだ道を辿る特別展

2024年3月28日(木)に、89歳で急逝した絵本作家のさとうわきこさん。絵本『みちくさ』の出版を目前に控えていた矢先のことだったという。さとうわきこさんは、第一線を走りつづけ、およそ60年にわたる活動のなかで100冊以上もの絵本を世に出した。

しかし、その道は決して平坦なものではなかったという。幼い頃は病気がちで、友だちと遊べずにひとりぼっち。若くして最愛の父を亡くし、女手一つで家計を支える母の姿を見て、自立した女性として生きる覚悟をする。そして、何度も苦難を乗り越えて、絵本作家になる夢を掴む。

そんな“みちくさ”をしながら歩んだ人生のなかで、生きることの苦しみと喜び、人の優しさと強さ、自然の美しさを知り、物語に紡いできた。何でも洗ってしまうパワフルな『せんたくかあちゃん』や、前向きで豪快な『ばばばあちゃん』など、その明るく楽しい絵本の数々に、子どもたちをはじめ多くの人びとが励まされていることだろう。

特別展「星をみつめておもいだす さとうわきこ展」では、『せんたくかあちゃん』シリーズの全3作や、『ばばばあちゃん』シリーズの全22作など、初期から晩年までに手がけた絵本の原画約210点を展示。

さらに、絵本の仕事をする前から取り組んでいたという童話の原稿や挿絵、最後の絵本となった『みちくさ』の原画とともに、さとうわきこさんが歩んだ道を辿る特別展だ。

展示構成をチェック

展示構成をみていこう。まずは「第1章.はじまりのこと」。同氏は、幼い頃は病気がちでひとりの時間が多い子どもで、10代になると絵を誉められたことがきっかけで美術部に入り、童話も書き始めたそう。それから決して平たんな道ではない中で絵本作家を目指していく。

同展では、10代の頃の詩作ノート、挿絵原画、写真、そして2024年に刊行50周年を迎えた『おつかい』の原画などを展示する。

続いて「第2章.母のこと、父のこと」。同氏は、若くして最愛の父を亡くし、女手一つで家計を支える母の姿を見て、自立した女性として生きる覚悟をする。何度も苦難を乗り越えて、絵本作家になる夢を掴んだと生きることの苦しみと喜び、人の優しさと強さ、自然の美しさを知り、物語に紡いできた。

同展では、母親がモデルだという『せんたくかあちゃん』や『とうさん』シリーズの展示も行う。

続いて、「第3章.わたしのこと」。『母の友』で挿絵を長く担当し、そんな中でも様々な出版社で絵本の出版も果たす、さとうわきこさん。キャリアを通して多く描いた温かみある猫などの動物たちを中心に、『母の友』の挿絵とあわせて展示が行われる。

そして、「第4章.『ばばばあちゃん』のこと」。1979年、童話『いそがしいよる』が『母の友』7月号に掲載され、1981年には『普及版こどものとも』として絵本化された。それは、さとうわきこさんが46歳の時だった。

同氏を人気絵本作家に押し上げた人気シリーズ『ばばばあちゃん』22作品の原画も展示される。

最後は、「第5章.いろいろなひとのこと」。自身の絵本以外にも、多くの人とともに絵本制作を行い、長野県岡谷市に「小さな絵本美術館」を設立し絵本文化の保存と普及にも長年同氏は取り組んできた。色々な出会いの中で生まれた作品も展示される。

「星をみつめておもいだす さとうわきこ展」の観覧料は、一般1,000円、大学生・神戸市外在住の65歳以上は500円。高校生・神戸市内在住の65歳以上は無料だ。なお、有料入館者30人以上の団体料金は、一般800円、大学生・神戸市外在住の65歳以上400円。

神戸ファッション美術館で開催！特別展「星をみつめておもいだす さとうわきこ展」に足を運んでみては。

■特別展「星をみつめておもいだす さとうわきこ展」
会場：神戸ファッション美術館
住所：兵庫県神戸市東灘区向洋町中2-9-1
期間：6月28日(土)～8月31日(日)
開館時間：10時～18時 ※入館は17時30分まで
休館日：月曜日、7月22日(火)、8月12日(火) ※ただし7月21日(月)、8月11日(月)は開館
詳細：https://www.fashionmuseum.jp/special/satoh_wakiko/?page=0

(ソルトピーチ)

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