【ライブレポート】上國料萌衣が、最後の夜に放った“まっキラ”な光――アンジュルム 10th Anniversary tour 2025春「桜梅桃李」上國料萌衣 FINAL~お先はまっキラ!~
「お先はまっキラ!」──その言葉通り、上國料の未来も、アンジュルムのこれからも、きっとまぶしく輝いていくだろう。
2025年6月18日、横浜アリーナ。平日の夜だというのに、会場は熱狂と涙に包まれていた。
4月から始まった全11会場26公演のツアーは、アンジュルム10周年を記念したものであり、同時に“完全無欠のアイドル”とも称される上國料の卒業を見届ける旅でもあった。その終着点となった横浜アリーナには、チケット完売の声が相次ぎ、立ち見席まで用意されるほどのファンが集結。そこにはただのライブではない、“特別な夜”を共有したいという人々の想いが溢れていた。
ステージが上國料のメンバーカラーである、アクアブルーのペンライトで染まるなか、ライブが幕を開ける。セットリストの1曲目は、上國料がアンジュルムとして初めて参加したシングル「次々続々」。その瞬間、会場のボルテージは一気に爆発。レーザーは前後左右、あらゆる角度から降り注ぎ、音と光の奔流が観客を包み込む。続く「地球は今日も愛を育む」「Uraha=Lover」では、楽曲の豊かな情感をメンバーがしなやかに体現し、「ハデにやっちゃいな!」では火柱が噴き上がり、タイトル通りの派手さで盛り上げる。そして「ミステリーナイト!」での美しいストリングスと妖艶なパフォーマンスに、観る者は一瞬、息を呑んだ。
セカンドブロックでは、SF的な世界観を感じさせる「アンドロイドは夢を見るか?」からスタート。センターステージで披露された「涙は蝶に変わる」では、メンバーが二手に分かれ、構成美とエモーションを融合させたダンスが光る。特に平山遊季のソロダンスでは、客席から「オレ!」という大きな声援が飛び交い、ライブにさらなる熱を加えていく。「愛・魔性」では情熱的なダンスと濃密な空気が交錯し、「うわさのナルシー」では軽快なビートと笑顔がスタンド席を彩る。アンジュルムならではの「ダンスで魅せる」ブロックは、観客の身体も心も自然と揺らし、熱狂へと誘った。
合間には、VTRでメンバーたちが高尾山を訪れる様子が流れていた。わいわいと笑い合う姿に頬が緩むが、「この時間も、上國料にとってはもう最後なんだ」と思うと、ふと胸が締めつけられるような感慨も込み上げてきた。
映像明けには赤と黒のチェック衣装に着替えたメンバーが登場し、「大器晩成」を炸裂させる。フロアにはシンガロングが轟き、続く「SHAKA SHAKA TO LOVE」では通路を歩きながらサインボールを客席へ投げるなど、距離を縮める演出で笑顔を届けた。「みんな!ずっと大好きだよ!」というストレートな言葉には、自然と涙が浮かぶ。さらに「ええか!?」「ライフイズ ビューティフル!」といったアッパーチューンを続け、「初恋、花冷え」ではハート型の花吹雪が舞う中、しっとりとした歌唱で観客を包み込む。ブロックの締めくくりは「忘れてあげる」。どこか儚く、それでいて力強い歌声が心の奥に響いた。
MCでは、恒例の観客を巻き込んでの声出しコーナー。メンバーがジャンケンやコール&レスポンスでファンと一体となって盛り上げる中、上國料は「アンジュ!アンジュ!アンジュが大好きだー!」と三三七拍子で叫び、場内はさらに一体感に包まれた。
そしてクライマックスへ。後半戦は「人生、すなわちパンタ・レイ」からスタート。ハロプロのエッセンスが凝縮されたようなファンク・チューンに観客は身体を揺らし、「汗かいてカルナバル」ではラテンの熱風が吹き荒れる。「美々たる一撃」「アイノケダモノ」では攻撃的なビートとパフォーマンスで圧倒し、「ドンデンガエシ」ではまさに“アンジュルムのロック魂”を体現。すべてのメンバーが鬼気迫るパフォーマンスで会場を掌握し、本編ラストの「友よ」では、グループとしての絆と未来への誓いを歌い上げた。
アンコールでは、大きな「かみこ」コールの中、VTRでメンバーから上國料へのメッセージが贈られる。そして、まっキラキラドレスに身を包んだ上國料が登場。涙を浮かべながら、自ら綴った手紙を読み上げ、ファンと仲間への感謝、そしてこれからの人生への覚悟を語る姿に、会場は大きなすすり泣きに包まれた。
「アンジュルムでプライベートでお出かけした後によく歌ってたなーという曲です」と紹介して披露された「帰りたくないな。」のソロでは、柔らかで温かな声が静かに空気を震わせた。そして披露されたのは、現メンバーによる「交差点」。卒業メンバーを送り出すためのこの曲を、涙ながらに歌う姿は、まさに“アイドル”という存在の美しさを象徴していた。
「私、今日ビジュ良かったの。だから泣くつもりなかったのに、泣いちゃったよね」と語る彼女の言葉には、最後までプロ意識と人間らしさを併せ持った彼女らしさが詰まっていた。そしてラスト2曲、「光のうた」と「愛すべきべき Human Life」では、希望と笑顔に満ちた多幸感でライブは幕を閉じた。
アンジュルムというグループは、常に変化と成長を繰り返してきた。メンバーが入れ替わっても、その都度、新しい魅力と力強さでファンを惹きつけ続けている。その象徴とも言える存在が、上國料萌衣だった。
彼女の卒業は、大きな節目であると同時に、アンジュルムにとって新たなスタートでもある。
タイトルの「お先はまっキラ!」の通り、アンジュルムの未来には確かに光がある。その礎を築き、最後までその光を全身で表現しきった上國料萌衣。その姿は、きっとファン一人ひとりの記憶の中で、永遠に“まっキラに”輝いていることだろう。
取材&文:ニシダケン
ライヴ情報
■セットリスト
アンジュルム 10th Anniversary tour 2025 春 「桜梅桃李」
上國料萌衣 FINAL ~お先はまっキラ!~
2025 年 6 月 18 日(水)横浜アリーナ
1 次々続々
2 地球は今日も愛を育む
3 Uraha=Lover
4 ハデにやっちゃいな!
5 ミステリーナイト!
6 アンドロイドは夢を見るか?
7 RED LINE
8 涙は蝶に変わる
9 愛・魔性
10 うわさのナルシー
11 大器晩成
12 SHAKA SHAKA TO LOVE
13 ええか!?
14 ライフ イズ ビューティフル!
15 初恋、花冷え
16 忘れてあげる
17 人生、すなわちパンタ・レイ
18 汗かいてカルナバル
19 美々たる一撃
20 アイノケダモノ
21 ドンデンガエシ
22 友よ
EN1 帰りたくないな。/ 上國料
EN2 交差点
EN3 光のうた
EN4 愛すべきべき Human Life
ライヴ情報
ハロ!コン2025
出 演 : モ ー ニ ン グ 娘 。 ’25 / ア ン ジ ュ ル ム / Juice=Juice / つ ば き フ ァ ク ト リ ー
BEYOOOOONDS / OCHA NORMA / ロージークロニクル / ハロプロ研修生
7 月 19 日(土)・7 月 20 日(日) 8 月 16 日(土)・8 月 17 日(日) 8 月 30 日(土)・8 月 31 日(日) オリックス劇場(大阪)
LaLa arena TOKYO-BAY(千葉)
Niterra 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(愛知)
https://www.helloproject.com/angerme/event/detail/db2deedacdd236cbcd894b8d653e11b
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書籍情報
6 月 6 日発売
アンジュルム 上國料萌衣写真集「kamiko」 (オデッセー出版刊)
商品ページ:https://www.helloproject.com/angerme/release/book/UPBK-0638/
インフォメーション
オフィシャルサイト
https://www.helloproject.com/angerme/
オフィシャル YouTube
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