2026年からブロッコリーが指定野菜に!どんなメリットが?

2026年からブロッコリーが指定野菜に!どんなメリットが?

ブロッコリーが「指定野菜」として、2026年4月に追加されます。新たな指定野菜が加わるのは、1974年のばれいしょ(じゃがいも)以来なんと50年ぶり!普段あまり聞くことのない言葉ですが、指定野菜の意味や特徴について、この記事では解説します。

野菜には「指定野菜」と「特定野菜」がある

野菜には指定野菜と特定野菜がある

野菜には国が定めている基準として、「指定野菜」ともうひとつ「特定野菜」があります。それぞれの特徴を簡単に紹介します。

指定野菜

全国的に流通し、消費量が多い野菜、もしくは消費量が多くなることが見込まれる野菜のこと。つまり、私たちの生活に欠かせない重要な野菜として農林水産大臣が定めている野菜です。

特定野菜

指定野菜以外の野菜の中で、私たちの生活や、地域・農業振興上の重要なものとして指定野菜に準ずる野菜のこと。チンゲン菜、かぼちゃなど35品目があり、都道府県知事からの申請に基づいて、農林水産大臣が定めます。

ブロッコリーはこれまで特定野菜に含まれていましたが、2026年度からさらに重要な位置づけとなる「指定野菜」に分類が変わります。

2025年4月現在の指定野菜14品目と特定野菜35品目

補足:農林水産省では、概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物で、果実を食用とするものを「果樹」として取り扱っています。そのため、メロン、いちご、すいか(いずれも一年生草本植物)などは野菜として取り扱っています。

ブロッコリーがなぜ指定野菜に?その理由を紹介

ブロッコリーは味わいと彩りが良く、人気の野菜

ブロッコリーは、火を通しても変わらない鮮やかな緑が彩りとして重宝され、クセのない味わいで大人から子どもたちまで人気の野菜。そんな、ブロッコリーが世の中的に広く食べられるようになったタイミングや、2026年度に指定野菜に分類されることになった背景や理由を見ていきましょう。

日本に入ってきたのは明治時代

ローマ時代より「とう立ち(花芽のついた花茎が伸びた状態)した、花や柄」が食用され、日本には明治時代に入って来ました。すぐには広まらず、1970年代以降の食の洋風化に伴って食卓に上るように。その後、1980年代に入ってから、国民の栄養意識の高まりと、輸入物によって一年中出回るようになると、その栄養価が評価され消費量が一気に伸びました。

含まれる栄養面での評価

ブロッコリーは、β‐カロテンを900μg(マイクログラム・1mgの1000分の1)を含む緑黄色野菜ですが、中でもビタミンC(140mg)、ビタミンK(210μg)、葉酸(220μg)、鉄(1.3mg)を豊富に含みます(栄養素量は、可食部100gあたり、生、つぼみ)。

他にも様々な栄養が含まれていますが、茹でたブロッコリー100gで、成人(男性、30~49歳)が1日に必要な食物繊維のおよそ1/5、ビタミンCの2/3以上、ビタミンKの全量、葉酸の約2/3が摂れます。

出典:1日摂取目安量は栄養素等表示基準値(2025)

調理法別のブロッコリーの栄養はコチラ

産地リレーによる通年での安定供給

下記の表にあるように、北海道から長崎まで、全国にわたる産地リレーにより、1年を通して安定的な供給で消費を支えています。

ブロッコリーは産地リレーによって、1年を通して安定供給される

ブロッコリーの産地や選び方はコチラ

指定・特定野菜での消費者のメリットは?

指定野菜・特定野菜は、比較的安定した価格で購入できるメリットもある

指定野菜や特定野菜に選ばれる野菜が増えると、私たちの生活にもメリットがあります。指定野菜や特定野菜には、「該当する野菜の価格を安定させる」という国が定める仕組み(下記参照)があるため、私たちは年間を通して比較的安定した価格で購入できるようになっているのです。

野菜の価格を安定させる仕組み

野菜は天候や気温により生長に影響が生じやすく、収穫後の保存性も乏しいため、世の中への供給量の増減に伴い価格が大幅に変動します。それらの影響により、指定野菜や特定野菜の価格が著しく低下した場合、野菜農家には「価格差補給金」が交付されることになっています。これにより、農家の経営に及ぼす影響を弱めることで次期作の確保ができ、消費者への野菜の安定的な供給もできるようになっています。

最後に

指定野菜や特定野菜の特徴を知って、新たに指定野菜に加わるブロッコリーをはじめ、いろいろな野菜を料理に取り入れてみてください。

ブロッコリーを長持ちさせる保存法はコチラ
ブロッコリーの切り方、茎の食べ方はコチラ

[ブロッコリー]選び方とおいしくたべるための保存法

[ブロッコリー]選び方とおいしくたべるための保存法

濃い緑色が鮮やかなブロッコリーは、β-カロテン、ビタミン(ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンE)や、食物繊維などを豊富に含む、栄養満点の万能野菜。最近では通年でスーパーに出回っており、サラダや炒めものにはもちろん、お弁当にも重宝します。寒くなるにつれて甘みが増し、10~3月までが旬です。

最終更新:2025.06.18

文:アーク・コミュニケーションズ
写真(撮影):小林友美(1・2枚目)、清水亮一(アーク・コミュニケーションズ/3枚目)、小島美和子(4枚目)
写真(撮影協力):吉田めぐみ(3枚目)
監修:カゴメ
出典:農林水産省
「消費者の部屋」指定野菜について教えてください。(指定野菜とは)
「消費者の部屋」野菜の区分について教えてください。(野菜の区分)
野菜価格安定制度について(指定野菜・特定野菜、野菜価格安定制度について)
「特定野菜等供給産地育成価格差補給事業の概要」(特定野菜の野菜価格安定制度について)
近畿農政局「近畿地域における特定野菜等対象産地」(特定野菜について)
独立行政法人農畜産業振興機構
【まめ知識】「半世紀ぶり」の追加で脚光を浴びるブロッコリーを深堀り!(ブロッコリーが指定野菜になる理由)
広報webマガジン「Alic」2024年11月号 今月の野菜 ブロッコリー(ブロッコリーの特徴)
今月の野菜 野菜情報2024年11月号「ブロッコリーの受給動向」(ブロッコリーのうんちく)
文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(茹でたブロッコリーの栄養素量)
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定ポイント」(栄養の1日摂取目安量)

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