沖縄「いまいパン」の焼き菓子「園比屋武御廻餅」など4商品が「菓子博2025」で受賞

2025/06/13 18:00 ストレートプレス

「第28回全国菓子大博覧会・北海道あさひかわ菓子博2025 SMILE SWEETS HOKKAIDO(通称：菓子博2025)」にて、沖縄・那覇市の「いまいパン」が、地元の素材とストーリーを活かした焼き菓子4種で各賞を受賞し、地域文化を伝える菓子として高く評価された。

約4年に一度開催される日本最大級のお菓子イベント

「全国菓子大博覧会」は、1911年に東京で「帝国菓子飴大品評会」として始まり、約4年に一度開催される日本最大級のお菓子のイベント。優れた菓子を顕彰する表彰制度もあり、菓子文化の継承と業界の振興を目的としている。

会場には、和菓子や洋菓子、スナック菓子など多彩な菓子が全国から集まり、工芸菓子の展示や菓子職人による実演、体験型ブースなども展開。「菓子博2025」は、5月30日(金)〜6月15日(日)に北海道・旭川で開催されており、地元の食材を活かしたスイーツや地域の特色を感じられる企画を楽しむことができる。

いまいパンの4商品が受賞

「いまいパン」は、フランス修業時代に出会った「パン職人」と「パティシエール」の夫婦が沖縄で営む小さなパンとケーキのお店。「地域とともに誇らしく⾃分らしいパンづくり」を理念に掲げ、地産地消でフランス仕込みの技術を生かした約80種のパンを毎日提供する町のパン店だ。今回、「菓子博2025」において、同店の4商品が賞を受賞した。

中小企業庁長官賞洋菓子部門を受賞したのは「OKINAWA STREGHE オキナワウコン＆カレークラッカー」。沖縄・南城市で栽培、加工されたウコンをクラッカーにすることで、幅広い年代層に食べやすく、地域で生産されたものを地元で消費する地産地消をテーマに開発された。同商品は“魔女の爪”をイメージしてつくられている。「レ・ストレーゲ」とは、イタリア語で「魔女」を表すイタリア・ボローニャ発祥のクラッカーのことだ。ほんのりカレー味が特徴となっている。

「琉球国王のティータイムクッキー」は、大臣官房長賞洋菓子部門を受賞。琉球王国は諸外国と貿易していたという史実を読み、フランスから来た使者がお土産でクッキーを持って来て、国王が恐る恐る頬張り、あまりの美味しさにビックリしたのではないかと妄想したことが開発のきっかけだったという。パッケージは、フランスのスイーツを食べた琉球国王が未体験の美味しさにビックリしている様子を表現している。

新商品「園比屋武御廻餅(そのひゃん・うまーいぺい)」は、観光庁長官賞せんべい部門を受賞した。世界遺産「首里城跡」内には、もう1つ世界文化遺産に登録された「園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)」があるが、首里城に比べて知名度も低いので、「お菓子を食べることで知ってもらうきっかけになれば」との想いで開発された。

「いまいパン」の近所にある老舗の煎餅店の塩せんべいをベースに、フランスの焼き菓子である「フロランタン」風に仕上げており、ごま風味をベースにプレミアムな商品にするため、フランス料理の代表的な食材であるトリュフを使い、トリュフの風味を消さないように沖縄の島こしょうを掛け合わせている。

新商品「斎場御嶽願岩(せーふぁうたきうがん)」は、大臣官房長賞洋菓子部門を受賞。琉球王朝時代には国家的な祭事が行われてきた琉球最高峰の聖地・斎場御嶽の三庫理(さんぐーい)の三角形を手作業で描いた堅焼きガレットだ。沖縄県産ミネラル豊富な黒糖、斎場御嶽から望むことができる久高島産の塩を配合。余計なものをできるだけ除き、シンプルで選び抜いた材料で作っており、味わうたび心がととのう。硬めの食感は、平和と安定を願いながら噛みしめて食べてほしいという想いが込められている。