AAA・與真司郎インタビュー「『まぁそんなもんだよな』って思えると、生きるのがすごく楽になると思う」　ノンフィクションエッセイ『人生そんなもん』発売

AAAのメンバーとして2017〜2019年に3年連続4大ドームツアーを開催、2021年には6大ドームツアーを開催、ソロとしてもアリーナツアーを行うなど精力的に活動してきた與真司郎さんが、ノンフィクションエッセイ『人生そんなもん』を刊行しました。

その内容は自身の半生を振り返り、2023年7月には自身が同性愛者であることを約2000人のファンの前でカミングアウト。その後の心境などを赤裸々に明かした一冊に。刊行を記念してご本人にお話をききました。

――今回のノンフィクションエッセイのタイトル『人生そんなもん』ですが、このタイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか？

タイトルは、実はすぐに決まったんです。「人生そんなもん」って一見ネガティブに感じる言葉かもしれないけど、自分にとっては逆にポジティブな意味があるんです。うまくいくこともうまくいかないことも、どっちも含めて「まぁそんなもんだよな」って思えると、生きることがすごく楽になるんですよね。

――その言葉は、普段からご自身にもよく使っているんですか？

はい。まさに自分に言い聞かせる“おまじない”みたいな感じです。人生って、思い通りにいかないことの方が多い。でも、それをいちいち深刻に受け止めていたら、すごく疲れちゃうじゃないですか。だから、自分に「大丈夫、人生そんなもんだよ」って言ってあげる。そうすることで、心が軽くなるんです。

――このタイミングでノンフィクションエッセイを出そうと思われたのは、どういう理由があったのでしょうか？

2023年に同性愛者であることをカミングアウトした後、「本を出しませんか」とお話をいただいたのがきっかけです。ちょうどその時、ただのカミングアウトでは伝えきれないこともあって、自分の人生や考え方をもう少し丁寧に言葉にして伝えたいなと思っていた時期だったので、自然な流れで「やりましょう」となりました。

――どういったテーマを中心に書かれているんでしょうか？

自分のこれまでの生き方、そしてこれからの生き方について、ですね。自分でも思うのですが、けっこう変わった人生を歩んできたなって（笑）。海外に住んでいた経験もあるし、人とちょっと違うことに惹かれやすいし、いろいろな選択もわりと独特なんですよね。だからこそ「こんな生き方もあるんだ」って、思ってもらえたらうれしいですし、「自分も何かやってみよう」と思うきっかけになってくださればいいなと思っています。

――周囲からも「変わってる」とよく言われるとか！？

めちゃくちゃ言われます（笑）。でも、自分自身はあんまり変わっているつもりはないんです。むしろ「俺の人生が変わってるだけで、俺自体は変わっていないでしょ？」って思うくらい。ただ、諦めが悪いというか、普通だったらもう止めておこうって思うところでも、しつこくやり続けちゃうきらいはありますね。

――ちょっと完璧主義っぽいところも？？？

そうなんです。何事も中途半端が嫌で、やると決めたら全部やりきりたいタイプなんです。だからこそ、人生の中ではとても疲れてしまうことも多くて……。そんな時に「人生そんなもん」って言葉が、自分を守ってくれるというか、バランスを取ってくれる存在になっていったんです。

――だからこそ、その言葉をタイトルにして、みなさんとも共有したいと思われたわけですね。

まさにそうです。誰かの心が少しでも軽くなったり、「あ、自分もそれでいいんだ」って思えたりしたらうれしい。完璧じゃなくていいし、思い通りにならないことがあっても、それでも前に進める。この本が、誰かの背中をそっと押せるような存在になれたらいいなと思っています。

「人生そんなもん」というタイトルには、肩の力を抜いて、自分らしく生きようって想いも込めています。無理して背伸びをしたり、期待に応えようとしすぎたりすると、どこかでしんどくなってしまう。だから、失敗しても「まぁそんなもんだよ」って笑えるような、そういう柔らかい気持ちで人生と向き合ってほしい。自分自身にも、そして読んでくれる人にも、そう言ってあげたいですね。

――改めてファンのみなさんにメッセージをお願いいたします！

ファンの方には感謝しかなくて、ファンの方が今でも応援してくれるからこうしてフォトエッセイが出せるわけですし、自分のやりたいこともやれているし、これまでファンの方たちにメンタル的にも何度も救われました。メンタルをやられている時も「真ちゃん頑張って！」「わたしたちが応援しているから！」という言葉にとても勇気づけられました。だから本当に感謝しています。今回の本ではかなりディープなことも書いているので、どういう反応になるか分からないけれど、これからも応援してくれたらうれしいです。人生楽しく、お互い花開かせて生きていきましょう！

撮影＝塚本桃

(執筆者: ときたたかし)