映画『デーヴァラ』「想像を裏切る展開と壮大な世界観、容赦のないアクションで心に火をつけてくれる」(レビュー:寺嶋夕賀)

『RRR』の歴史的大ヒットで日本でもブレイクを果たしたトリウッドのスーパースター、NTR Jr.主演最新作『デーヴァラ』が3月28日(金)より公開。全世界興行収入は約90億円をあげ、『RRR』に次ぐNTR Jr.史上2番目のメガヒットを記録!そして最高のダンス・テクニックを持つ“タラク”ことNTR Jr.の魅力が全編に炸裂する彼の最高傑作がついに日本上陸。

密輸で栄えていた4つの村、通称“赤海”を舞台に、愛と正義を貫いた海の勇者・デーヴァラとその息子・ヴァラの血塗られた伝説を、壮大なスケールと映画史上空前のバトルの連続で描いた、アクションあり、ダンスありで贈る、怒涛のノンストップ・マサラ・エンタテインメントな本作。映画コラムニストの寺嶋夕賀さんによるレビューをお届けします!

◆『デーヴァラ』を観る前に抱いていた印象がありましたら教えてください。

事前に頭に入れていた情報は「インドのサメ映画」のみで、とても珍しい設定だなという印象でした。インド映画には主人公の圧倒的な強者感があるイメージだったので、『MEG ザ・モンスター』の様な最強サメvs最強人類といった構図で海洋アクションが繰り広げられるのかな?と想像していました。

◆実際にご覧になっていかがでしたか?

最高におもしろすぎる!
想像を裏切る展開と壮大な世界観、容赦のないアクションで心に火をつけてくれる暑苦しい物語は、至極の映画体験を届けてくれます。
期待通りの主人公のカリスマ性や、絶対に負けるはずないと身を委ねられる強さに魅了され、インド映画は何故こんなにも主人公を輝かせるのが上手いんだ…とため息がこぼれてしまいそうでした。また、デーヴァラのリーダーとしての苦悩だったりと等身大の人間らしい壁にぶつかる瞬間もあり、ただアツいだけの物語ではとどまらずに、しっかりと感情も持っていかれます。

◆特に印象的だったシーンを教えてください!

デーヴァラの登場シーンはさすがに笑ってしまうくらいチート。海で波を割り飛び出してくるデーヴァラに、彼のことをまだ何も知らないはずなのに一瞬で好きになってしまいます。
また、インド映画お決まりのダンスシーンも圧巻。それだけで満足できるくらいの仕上がりすぎたMVのようなダンスシーンは何度あってもいいと、次第に欲している自分に気づきます。

◆サメ好きとして気になったサメのシーンは?

生きているサメが中々出てこない!!
ので、最後の最後に泳ぐサメにのるNTR Jr.に立ち上がって拍手しちゃいそうになりました。これを求めていたという気持ちと、全ての要素をてんこ盛りにしすぎず、焦らして緩急のバランスを取った登場の仕方も素晴らしかったです。

◆NTR Jr.さんが登壇したジャパンプレミアにも参加いただきましたが、いかがでしたか?

初めて生で拝見するNTR Jr.さんの凄まじいオーラと色気のある佇まいに身体中にぎゅっと力が入る様な感覚でした。軽くダンスを踊ってくださる時間もあり、観客を惹き込む力とはこういうことだと目の当たりにして興奮と感動入り混じる時間でした。
カリスマ性のあるデーヴァラとまだ少し可愛らしい雰囲気のある息子のヴァラを一人二役で演じ分けられており、劇中の印象と実際にNTR Jr.さんを目の前にした印象もまたどちらの役とも違い、一体どれだけの表情を出せる方なんだろうと底なしの魅力を感じました。

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◆『デーヴァラ』以外にお好きなインド映画があれば教えてください!

やっぱり『RRR』が好きです!あまりインド映画に触れてこなかった私ですが、RRRとデーヴァラの2作品を通して、もっとインド映画の奥深さを知っていかなければ…!と意気込んでいます。
2作品に共通する壮絶な物語と血生臭い描写に脳汁が止まらないダンスシーン、人間の強さの在り方や大義など、人生に必要なエネルギーがインド映画には詰まっていると気付かされ、元気になりたい時にはなによりもインド映画を観ればいいのだと確信を得ました。

【寺嶋夕賀さん】
https://x.com/yuyucinema [リンク]
GANG PARADE元メンバー。2016年からテラシマユウカとして活動し2024年12月に円満脱退。現在はフリーの映画コラムニスト、アンバサダーとして強い映画愛を掲げ、精力的に活動中。

『デーヴァラ』
監督:コラターラ・シヴァ『ジャナタ・ガレージ』
出演:NTR Jr.『RRR』、ジャーンヴィー・カプール『グンジャン・サクセナ -夢にはばたいて-』、サイフ・アリー・カーン『ヴィクラムとヴェーダ』
2024年/インド/172分/シネマスコープ/5.1ch/原題:Devara
字幕翻訳:藤井美佳/字幕監修:山田桂子/映倫区分:PG12
配給:ツイン
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