Google AIとの連携が強化されたChromebook Plusの機能を実機で体験
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高度な処理能力を実現するハードウェア要件を定義し、AI機能や進化したビデオ通話機能といった独自機能を搭載するChromebookの新カテゴリー「Chromebook Plus」。2024年10月には、GeminiをはじめとするGoogle AIとの連携を強化するアップデートが提供されました。AIとの連携で、どのように便利になるのでしょうか。Chromebook Plusの「Acer Chromebook Plus 514」実機をお借りして、その機能を実際に体験してみました。
Chromebook Plusの要件を満たす仕様
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今回お借りしたAcer Chromebook Plus 514は、CPUにIntel Core i3-N305、8GBメモリー、128GBストレージ、14インチフルHD(1920×1080)のタッチパネルディスプレイ、フルHD解像度(1920×1080)のウェブカメラを搭載し、以下のChromebook Plusのハードウェア要件を満たす仕様の製品です。
CPU: Intel Core i3第12世代以降、AMD Ryzen 3 7000シリーズ以降
メモリー: 8GB以上
ストレージ:128GB以上
ディスプレイ:フルHD IPS(1920×1080)以上
カメラ:1080p以上かつノイズ低減機能内蔵
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左右に合計2口のUSB 3.2 Gen 1 Type-Cポートと2口のUSB 3.2 Gen 1 Type-Aポート、microSDカードスロットを搭載し、拡張性が高いのも大きな特徴。
AIサポート機能を設定
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Chromebook Plus上でAI関連機能を利用するには、事前に設定作業が必要です。ブラウザを開いた状態で余白部分を右クリック、あるいはタッチパッドを2本指タップしてコンテクストメニューを表示すると、「Google AIによる文書作成や読み取りのサポートを使用する」のダイアログが表示されるので、「使ってみる」をタップします。
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設定メニューの「検索とアシスタント」から、「文書解析サポート」「文書作成サポート」のON/OFFを切り替えられます。
各種AI機能を試す
文書作成サポート
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「文書作成サポート」は、テキスト入力時に右クリック(タッチパッドは2本指タップ)で表示される「文書作成サポート」ボックスにプロンプトを入力して文案を作成してもらう機能。プロンプトには「月曜から金曜までの作業予定を一覧できるタスクリスト」と入力するとテンプレートを作成してくれたり、「自分の誕生日パーティーの招待状」と入力してメールの文案を作ってもらえるなど、仕事でもプライベートでも役立ちそうです。右クリック一発で呼び出せるのは便利。
文書読解サポート
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「文書読解サポート」は、PDFやウェブサイトを右クリックメニューから要約する機能。要約の中で気になる項目があれば追加で質問して、さらに詳しく内容を知ることができます。
リアルタイム翻訳
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「リアルタイム翻訳」は、MeetやZoomのビデオ通話やYouTube動画にGoogle AIが翻訳した字幕を表示する機能。
ビデオ通話の画質と音質の向上
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「ビデオ通話の画質と音質の向上」は、ビデオ通話時のノイズキャンセリングとマイク音声の向上、照明や明るさの自動調整といった機能が利用可能。
編集マジック
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「消しゴムマジック」に加えて、選択した被写体の拡大・縮小、位置の変更や背景の変更が可能になった「編集マジック」の機能は、Google Photoアプリから利用できます。
Gemini 2.0の実力をチェック
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Chromebook PlusにはGeminiアプリがプリインストールされていて、2025年2月からは日常的なタスクをサポートする「Gemini 2.0 Flash」、多段階の推論に適した「Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental」、Googleアプリケーションにおける推論に使える「Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental with apps」の3モデルを選択して利用できます。
「Chromebook PlusのAI機能を紹介する記事を書きたいです。どのようなポイントを押さえるとよいでしょうか」とプロンプトを入力して、Gemini 2.0 FlashとGemini 2.0 Flash Thinking Experimentalのそれぞれのモデルで出力してみました。
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2.0 Flashの回答は、記事作成のポイントとして「Chromebook PlusのAI機能の概要」「主要なAI機能の詳細」「実際の使用例やメリット」「読者層に合わせた情報提供」「最新情報の提供」「競合製品との比較」の6点を挙げ、記事構成例を示してくれました。
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2.0 Flash Thinking Experimentalの回答は、まず「Chromebook PlusのAI機能を紹介する記事作成、素晴らしいですね!」とほめてくれたうえで、執筆のポイントを「ターゲット読者を明確にする」「Chromebook PlusのAI機能の全体像を把握する」「各AI機能の具体的な利用シーンとメリットを強調する」「Chromebook Plusならではの強みを明確にする」「競合製品との比較(必要に応じて)」「記事の構成を工夫する」「視覚的な要素を活用する」「最新情報を常にチェックする」「読者にとって本当に役立つ記事を意識する」と整理。これらのポイントをふまえることで読者にとって有益でAI機能の魅力を最大限に伝えられる記事が作成できるとして、「頑張ってください!」と励まされてしまいました。イメージ画像も参照しつつ、より手取り足取り、詳細なアドバイスをしてくれる印象です。
AI PCの入門機によさそう
WindowsではCopilot+PC対応のAI PCが続々と登場していますが、今のところまだリリースされていない機能もあり、AIの恩恵をすべて享受できる環境にないというのが正直なところ。
Chromebook PlusならCopilot+PC対応のWindows機と比べて手ごろな価格でGoogle AIの最新機能を一通り利用できることから、AI PCの入門機として入手してみるのもよさそうです。Acer Chromebook Plus 514の記事執筆時点での参考価格は7万9800円(税込)です。
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宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
ウェブサイト: http://mogera.jp/
TwitterID: shnskm
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