能登半島地震で全壊した老舗和菓子店「多間栄開堂」が、再建に向けクラファンに挑戦！

石川県珠洲市にある和菓子店「多間栄開堂(だま えいかいどう)」が、令和6年能登半島地震により全壊した店舗の再建のため、2月14日(金)～3月31日(月)の期間、READYFORにて、クラウドファンディングに挑戦中だ。

市を代表する老舗和菓子屋「多間栄開堂」

能登大納言小豆や奥能登揚げ浜塩田のお塩、珠洲産のわかめなど地元の素材を大切にし、珠洲市の観光サイトでも市を代表する菓子店として紹介されていた、創業118年の和菓子屋「多間栄開堂」。レトロな建物は観光客の人に珍しく思われ、写真を撮らせてほしいとよく声をかけられたそうだ。

店舗は常に清潔に保たれ、孫の写真や絵画、色とりどりの花が飾られ、訪れる人が笑顔になれる空間に。

店舗の奥には、和菓子とコーヒーや抹茶を楽しむことができるスペース・和カフェもあった。

特に人気があった和菓子は、能登大納言小豆をたっぷり使った「能登大納言きんつば」、どら焼きとはひと味違う珠洲伝統のお祝い菓子「太鼓饅頭」、珠洲産のワカメを粉末にして餡に混ぜ込んだ「わかめ最中」、ニッキの香りが懐かしいお芋の形をした「いも菓子」だったという。

能登半島地震により今なお休業中

そんな中、令和6年1月1日に能登半島地震が発生。現在、震災から1年以上経過したが、「多間栄開堂」はこの震災によって甚大な被害を受け、今なお休業を余儀なくされている。

建物の倒壊は免れたものの、倒壊寸前の危険な状態であり、店舗はモノが倒れ、窓ガラスが割れ、工場の床には幅10cm以上の亀裂が入ったとのこと。

自治体からも「全壊」と判定され、令和6年7月、建物全体の解体を余儀なくされた震災から数日後、店舗の様子を見に行った際、正月用に仕込んでいた菓子が無事だったことがわかり、胸が熱くなったそう。

ちょうど取材(※)に来ていた毎日放送のスタッフと一緒に、これらを避難所へ届け、「甘いものは疲れが取れます」と言いながら渡ししたところ、みんなが笑顔に。和菓子の力を改めて実感し、多くの人に笑顔を届けられたことが何よりの救いだと感じたという。

また、店舗の解体前に救い出した「多間栄開堂」の和カフェのゲストブックには、全国各地のお客さんから心温まるメッセージが寄せられており、「多間栄開堂」のことをどれほど思ってくれているかを実感いたとのこと。

珠洲に戻るたびに、お客さんや近所の人々から、「お店の再開を楽しみにしているよ」などと、涙を流しながら温かい言葉をかけてもらい、その言葉一つ一つが心の支えとなり、励みとなっているという。

お客さんの笑顔を守るために、全力で立ち上がる

そこで、和菓子屋は地域の冠婚葬祭に欠かせない存在であり、お客さんの笑顔を守るために、全力で立ち上がりたいと考えた「多間栄開堂」。

お客さん、地域の人々、取引先の企業、珠洲市商工会議所、石川県の支援機関など、多くの人々から受けた温かい支援に心から感謝し、歴史を誇る「多間栄開堂」の再建に尽力するべく、クラウドファンディングに挑戦することとなった。

返礼品には、避難所に届けた太鼓饅頭や、再建を祝うオリジナル手ぬぐい、再建お祝い菓子、中前製塩より提供された奥能登揚げ浜式塩田の能登塩「大谷塩」、和菓子作り体験、オリジナル焼印制作などを用意。

和菓子作り体験では、三代目店主の職人技を全て見ることができ、一緒に美味しい和菓子を作る、楽しいワークショップとなっている。

店舗と工場のみの建物を再建

「多間栄開堂」は早期の営業再開を第一と考え、住宅部分を除いた、店舗と工場のみの建物を再建。営業再開は、今年夏頃からとなっている。

この機会に、地元で愛される老舗和菓子屋「多間栄開堂」の再建を応援しよう！

READYFOR：https://readyfor.jp/
プロジェクト名：能登半島地震｜全壊した和菓子屋を珠洲で再建し、お菓子を作り続けたい

■多間栄開堂
住所：石川県珠洲市飯田町10-11
Instagram：https://www.instagram.com/damaeikaido/

(※)石川県能登半島地震：取材リポート(MBSニュース)2024年1月10日 長澤清導記者の記事：https://www.mbs.jp/news/column/scene/article/2024/01/098463.shtml

※画像は、サカスタジオ、中前製塩、季刊『能登』編集室、珠洲市役所、毎日放送、NAVICOより掲載許諾を得て掲載。

(佐藤ゆり)