大貫憲章、半生を綴った回顧録を40年ぶりに出版

大貫憲章、半生を綴った回顧録を40年ぶりに出版

音楽評論家/DJの大貫憲章の半生を語り下ろした書籍「HISTORY OF KENSHO ONUKI 大貫憲章 回顧録|人生夜話」が、音楽評論家を始めて55年の節目にあたる今年、出版された。

大貫はこれまで数々の著作を出してるが、自伝/クロニクル本は1985年9月に出版した「大貫憲章のROCK快楽主義」以来、40年ぶりとなる。

本書ではザ・ベンチャーズやザ・ビートルズを聴いて育った幼少期の思い出から始まる。音楽番組「シャボン玉ホリデー」でザ・ピーナッツや中尾ミエらが歌うカバー曲を聴いて元曲となった洋楽に興味が沸く。高校に入ると時代はGSの全盛期。和製ヤードバーズとも言われたGSバンド、ザ・ビーバーズらが演奏するジャズ喫茶に入り浸り、時にはボウヤ(現在のローディ)としてバンドの演奏を裏方で支えた。また、この頃からイギリスのマージー・ビートやブルースロックに傾倒。試聴が出来る道玄坂のYAMAHA渋谷店に通って、少ないお小遣いから毎月LPを2~3枚購入。周囲からブリティッシュの大貫と呼ばれるようになる。

1970年、大学に入学すると平凡出版(現マガジンハウス)のanan編集部に出入りするようになり、松山猛(作詞家/編集者)からミュージック・ライフを紹介されエマーソン・レイク・アンド・パーマーのレコード・レビューを書く。これが大貫の音楽ライター/評論家のスタート。大貫の名前が知られるようになったのはクイーン。1973年夏、ロンドンのレコード店でクイーンのポスターを見かけたことがきっかけで、クイーンのファースト・アルバム(1974年3月・日本発売)のライナー・ノーツを手がける。その後、彼らをラジオや雑誌で積極的に推し、当時「クイーンの大貫」と呼ばれた。

1976年からは、それまでの活字媒体から軸足をラジオに広げ、NHKラジオ「若いこだま」でDJ(ディスク・ジョッキー)を始める。折しもイギリスではパンク・ムーブメントが台頭。自身の番組でセックスピストルズをかけると翌日、『NHKでパンクを流すなんてけしからん!』と苦情が殺到。大貫はNHKで最初にパンクをかけた伝説の男となった。

さらに大貫は(ラジオ)DJから(クラブ)DJへ鮮やかに転身する。1980年、クラッシュの英国ツアーに取材で同行した際、客入り時間にステージ横でレコードを流すDJと出会う。当時は開演前にカセットテープでBGMを流すのが一般的だった中、DJの存在に衝撃を受けた大貫は『自分もあんな風にレコードを流したい!』と帰国後、都内でDJが出来る場所を探しはじめる。当時の東京はまだまだディスコが中心で、クラブ・カルチャーは知られてなかった時代。そんな中、”ロックで踊る”をテーマに新宿ツバキハウスで1980年6月に誕生したのがクラブ・イベント「ロンドンナイト」だ。回を重ねる毎に客は増え続け、ここから数多くのミュージシャンやファッションデザイナーが巣立っていった。本書ではそんな大貫の半生が時系列に沿って綴られていく。

各チャプターの間に大貫の人生に影響を与えた内田裕也、松任谷由実、渋谷陽一、伊藤政則、忌野清志郎らとの交流エピソードもコラムとして挟まれる。大貫憲章の「HISTORY OF KENSHO ONUKI 大貫憲章 回顧録|人生夜話」はレコード・ショップや一部書店のECサイトで発売中。公式オンラインショップでも購入出来る。

また、大貫は音楽家のROLLYと共に2月27日に渋谷・LOFT9 Shibuyaで開催される、70年代のブリティッシュ・ロックを語るトークイベント「大貫憲章とROLLYの甘美なロッキン放談」にも出演する。

書籍情報

HISTORY OF KENSHO ONUKI
大貫憲章 回顧録|人生夜話
判型:四六判変形(123×187mm)/ 頁数:220ページ
定価:2,500円(本体2,273円+税)
発行:KENROCKS, TOU-TOI BOOKS
<本書内容>
■PROLOGUE – 音楽の原体験
幼い頃の記憶と、音楽との出会い/ベンチャーズとビートルズ
■CHAPTER 1 – 音楽を欲する
グループ・サウンズの時代/ジャズ喫茶に入り浸った日々/本格的なロックの時代の到来
■CHAPTER 2 – 音楽を仕事にする
大学入学と同時にアンアン編集部へ/音楽評論家としての第一歩/初渡英で出会ったクイーン/自分には何ができるのか
■CHAPTER 3 – 音楽を伝える
パンク・ムーブメントの渦中へ/若いこだまと全英TOP20/クラッシュのツアーで目にした光景
■CHAPTER 4 – ロンドンナイトの誕生
ディスコからクラブの時代へ/ロックで踊る/ロンドンナイトの日常/ツバキハウス時代の終焉
■EPILOGUE – ツバキ・ロンナイ以後
各地を流れて、再び新宿へ/時代の移り変わりにあって/人生を振り返って思うこと
■EPISODE – 内田裕也、松任谷由実、渋谷陽一、伊藤政則、忌野清志郎
公式オンラインショップ;
https://kenrocks.thebase.in/items/95571638

イベント情報

〈大貫憲章とROLLYの甘美なロッキン放談 〉
2025年2月27日(木)東京渋谷・LOFT9 Shibuya
開場 18:00/開演 19:00
チケット価格(税込/自由席):4,500円+ドリンク・オーダー ¥600
公演HP
http://www.cittaworks.com/event/queen-bangaihen/

大貫憲章、半生を綴った回顧録を40年ぶりに出版

大貫憲章、半生を綴った回顧録を40年ぶりに出版

フォトギャラリー

フォトギャラリーはこちらからご覧いただけます

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. 大貫憲章、半生を綴った回顧録を40年ぶりに出版

OTOTOY

ハイレゾ音楽配信/メディア・サイト。記事も読めるようになったアプリもよろしくどうぞ。

ウェブサイト: http://ototoy.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。