【青森県五戸町】なつかしい道を思い出しながら走る
日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、青森県五戸町を写真とともに紹介する。
Vol.377/青森県五戸町
8月になったばかりの日の旅だった。朝5時前に八戸市を出発し、旧五戸町を目指した。ピンクが淡くとけたような朝焼けで、8月でもちょっと肌寒いぐらいだった。ほんとうに寒いの? と疑う人もいるかもしれないが、朝の温度表示は20度前後で、山道は冷えているのである。
最初にやって来たのは五戸町で、隣の旧倉石村が2004年に編入している。八戸よりもやや東の内陸部に位置し、地形は比較的平坦だ。田んぼが一面に広がる姿は美しく、まちなみはたっぷりと朝の日差しを浴びていた。見上げれば鳥たちが自由に空を飛び回っていて、いかにも穏やかな朝そのものであった。
市街地方面へ進んでいくと、見覚えのある道も通った。一直線の道路ではあるけれど、起伏があり、その道の両側には家並みが連なっている道だ。訪れてみて、前回の市町村一周の旅でも通過したことを思い出した。前回の旅は5年前になるわけだが、その場の空気感みたいな感覚が蘇ったのだ。Googleのストリートビューで走っていても、この感覚までは取り戻すことができない。やはり直接その場にいるとき、言葉では説明できないような、体で体感した景色があるのだと感じられる。
カブを止めて少し歩いてみると、日差しを浴びた家並みが眩しく、家や屋根の形がこの地方らしい姿だと感じられた。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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