「鉄は熱いうちに打て」とはどんな意味?その由来は西洋のことわざ!?
2つの意味を持つことわざ、それが「鉄は熱いうちに打て」です。
しかし、この言葉にはどのような意味があるのでしょうか。
そもそもなぜ鉄は熱いうちに打つべきなのでしょうか。
今回はそんな「鉄は熱いうちに打て」の意味について、由来と併せて解説します。
「鉄は熱いうちに打て」とは
ここでは「鉄は熱いうちに打て」の2つの意味について解説します。
「鉄は熱いうちに打て」の意味①
「鉄は熱いうちに打て」は、精神が柔軟で吸収する力のある若いうちに鍛えるべきであるという例えです。
実際に若いうちの方が物事を次々に吸収して成長できます。
逆に年齢を重ねると柔軟性が失われてしまいます。
だからこそ何かを鍛えるなら若者でいられるうちがおすすめです。
「鉄は熱いうちに打て」にはそういった意味が含まれています。
「鉄は熱いうちに打て」の意味②
「鉄は熱いうちに打て」は、物事は関係者の熱意がある間に事を運ばないと後では問題にされなくなるという例えでもあります。
実際に始めようと思った時に始めないと何も始められません。
どれほど熱意があっても時間が経てば「そういえばそんなこともあったね」と冷めてしまっているもの。
だからこそ何かを始めるなら熱意がある間に限ります。
「鉄は熱いうちに打て」にはこのような意味も含まれているのが特徴です。
「鉄は熱いうちに打て」の用い方・例文
「鉄は熱いうちに打て」はタイミングの重要性に対して使用します。
・例文1:若手を育てるなら早いことに越したことはない。鉄は熱いうちに打てというように若い頃の方がなんでも学んでくれるからだ。
・例文2:やりたいことが見つかったら即行動に移そう。鉄は熱いうちに打てというようにチャンスを逃すと何もできなくなってしまう。
・例文3:面白い企画が思いついたならすぐに計画書を作成すべきだ。アイディアは情熱がある間に練らないと枯れてしまうのだから。
このように「鉄は熱いうちに打て」は何かをする時期について使用します。
ビジネスシーンなどでもタイミングが大切であることを説く場面で使用されるのが特徴です。
ちなみに「鉄は熱いうちに叩け」と使用されることもあるものの「叩く」という表現は誤用なので注意しましょう。
「鉄は熱いうちに打て」の由来
ここからは「鉄は熱いうちに打て」の由来を紹介します。
原型は西洋のことわざ《Strike while the iron is hot.》
「鉄は熱いうちに打て」の原型は西洋のことわざにあるとされます。
そのことわざというのが《Strike while the iron is hot.》です。
これは直訳すると鉄は熱して軟らかいうちに鍛えよという意味となります。
転じて、精神が柔軟で吸収する力のある若いうちに鍛えるべきであるという例えや物事は関係者の熱意がある間に事を運ばないと後では問題にされなくなるという例えとして使用されるようになったそうです。
日本では西洋のことわざ《Strike while the iron is hot.》がそのまま直訳されて「鉄は熱いうちに打て」という言葉として広まりました。
なお、日本では「物事の時期を逃さないように」「感心や興味があるうちに着手すべき」というニュアンスで使用されるのが一般的です。
「鉄は熱いうちに打て」の類義語
ここからは「鉄は熱いうちに打て」の類義語を紹介します。
善は急げ
「善は急げ」は、良いと思ったことは臆したり躊躇ったりせずに急いで実行すべきであるということの例えです。
善行はすぐにでも実行せよという教訓とされます。
その点が「鉄は熱いうちに打て」と似ているのではないでしょうか。
ただし「鉄は熱いうちに打て」は善悪に関係しない言葉となります。
「善は急げ」は後ろに「悪は延べよ」という言葉が続くなど善悪のニュアンスが強いのが特徴です。
矯めるなら若木のうち
「矯めるなら若木のうち」は、人は幼いうちに教育しておかないと成長してからでは間に合わないことの例えです。
言葉自体は自分の思ったように枝ぶりなどを直したいなら、柔軟な若木のうちに手を加えなければならないということを指します。
その点が「鉄は熱いうちに打て」に通ずるのではないでしょうか。
老い木は曲がらぬ
「老い木は曲がらぬ」は、人は年をとると体だけでなく心も弾力性がなくなってしまい、生き方や考え方を直そうとしても困難であることの例えです。
言葉自体は老い木は弾力がなく曲げようとすると折れてしまうことを指します。
その点が「鉄は熱いうちに打て」と重なるのではないでしょうか。
まとめ
「鉄は熱いうちに打て」は「何かを鍛えるなら若いうち」「何かを始めるなら熱意がある間に」という2つの意味があります。
どちらもタイミングの重要性を説いているのが特徴です。
「鉄は熱いうちに打て」はそういった時機に関する言葉と言えるでしょう。
日常生活でもこの言葉を覚えておくことで「先送り」「後回し」を避けられるので、ぜひ覚えておいてはいかがでしょうか?
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