【魚界の大谷翔平】究極の美味なのに激安でコスパ最強だからこの魚は見かけたら絶対買ったほうがいい!!!!【カイワリ】

みなさま、カイワリという魚はご存じでしょうか?

最近話題になりました、「株式会社さかなドリーム」が取り組む「世界一うまい魚」を生み出し安定的に供給すべく「極めて美味な魚」と「養殖しやすい魚」を掛け合わせて品種改良し養殖するプロジェクトを、ニュースなどで目にした方は多いと思います。

そのプロジェクトで「極めて美味な魚」として選ばれたのがカイワリです。

日本に生息する4000種以上の魚の中で「旨い魚」代表に選ばれたのがカイワリなのです。

それだけ美味しいにも関わらず、知名度が低く競争が起きないため安いのです。

小さめの魚なうえにまとまった量がとれず一般流通にのらないため、「幻の魚」なんて呼ばれることもあるみたいですが

地魚・未利用魚コーナーに普通にいたりします。そんなに珍しくない子です。

ちなみにこの時は100円(購入総額から1尾の価格を算出)で買いました。

今回はそんなカイワリを食べたいと思います!

カイワリの評判

魚界のゴッドファーザー・ぼうずコンニャク氏のサイトを見てみると

魚界の鉄板的存在とはなにか? カイワリではないだろうか? 他の魚はどんなに高い魚でも大小や、季節や漁獲方法によって当たり外れはある。その点、カイワリは絶対に存在しないとされる4割バッターのような、特殊な存在ではないかと思う。

と説明されています。まさに魚界の大谷翔平選手のような存在ですね。大谷選手と違って知名度はないですが(^^;)

カイワリの旨さは最高級魚のシマアジと互角とも言われています。

でもシマアジと違ってカイワリは無名で安いためにかなり雑に扱われて売りに出されます……。市場に出回るのはほぼ野締め。活け締めなんて手間がかかることはしてもらえません。

「丁寧に扱った最高の状態のカイワリを食べてみたいなぁ」と思っていたそのとき、行きつけの魚屋「海鮮市場マルモト」(神奈川県伊勢原市伊勢原1-3-37)に行ったら生け簀に泳いでいるのを発見!

即決で活け締め&血抜きをしてもらい買ってきました。

ちなみに値段は350円でした。28cmの結構大型で、血抜きだけじゃなく、たぶん神経締めまでしてくれてたのに350円……マルモトの田中店長がサービスしてくれたんだろうな、きっと。

でもそれにしても安すぎ!!

手が出せない高級魚になったら困るので無名のままでいてもらいたいものです。

カイワリを捌く

活締めカイワリは本当に綺麗。ホログラムのように見る角度によってさまざまな色が現れては混ざり合い、宝石のような美しさでため息が出ます。

▲個人的に尻ビレ先端の白が萌えポイント

ちなみにお口の中には高確率で「ウオノエ」という寄生虫がいます。でも美味しいらしいのでこの子がいたら当たりですね。このウオノエは冷凍保存してあるので今度食べます。

お口は下にうにょーんと伸びてそこもまたラブリー。

▲この子は野締めの100円カイワリです。

ウロコと尻尾辺りのトゲトゲのゼイゴを落としたら3枚おろしにします。皮が身に張り付いてて、少し皮を引くのが難しいです。

なんて綺麗な切り身!!!!!!!! 脂が艶っぽく、鮮烈な血合いの指し色が美しくて見るだけで分かる! これは絶対美味しい!!!!

血合骨がしっかりしているのでサクどりしてから頂きます!

本日のお品書き

・刺身
・焼霜造り
・骨せんべい

新鮮なカイワリを入手したら食べ方は刺身一択です!
今回は熟成もさせて日に日に味にどんな変化が現れるかもみてみたいと思います!

カイワリの刺身1日目

見るからにうま味が詰まってそうな乳白色な身と脂の煌めきがたまりませんね! では頂きます(。・н・。)パクッ

新鮮なのでコリコリさっくりした歯ごたえです。とても硬い食感なのでもっと薄切りにすれば良かったとちょっと反省。

脂の融点が低いので、口に入れた瞬間にバターのようなコクがある脂とその甘さが舌いっぱいに溶け広がります。

そしてうま味がすごい・:*+.(( °ω° ))/.:+

赤身魚から青魚、白身魚まで美味しい魚の味を想像してください。
そのうま味がランウェイのように次々と旨さアピールをしてくるのです。

トップクラスの個性の強いうま味が集結しつつも、トータルコーディネートが完璧なので非常に調和がとれている、そんな味わいです。

旨さのパリコレです。

噛むほどに旨みがあふれ、最後は甘エビのような濃厚なネットリした甘みで締められます。

上品でクセがないのに濃厚で力強い味わいです。

なお個人的には腹よりも背中側のほうが脂がのっていて、柔らかネットリ食感で美味しいと思います。

ただ微かに青魚の風味というか臭みがあるので、苦手な人はそれが少しだけ気になるかも。

締めたてなので本来はうま味が薄いはずなのにこの濃厚さはヤバい!!

これは寝かせたらどれだけ美味しくなるか楽しみです(゚∀゚)!

カイワリの焼霜造り

皮つきでサクどりし、皮目を炙った1品です。

皮目が非常に食欲をそそる良い香りを放出し、当たり前に美味しいです。

脂の旨みと甘さがさらに増し、皮の青魚特有のワイルドな旨さと上品な身のうま味が合わさって大変美味です。

しかし焼けた皮と身の香ばしさが目立ってしまい、カイワリの上品で豊かなうま味が隠れてしまうので、個人的には皮と身は別々に食べるほうが好みです。

カイワリの刺身2日目

すいません、写真を撮り忘れてしまいました……。

が、見た目や食感はほとんど変わっていませんでした。

うま味は一層強くなり、1日目に若干感じられた青魚の臭みは軽減され、より万人受けする食べやすい味わいになっていました。

2日目カイワリを食べた後に大好物のカレイのエンガワと和牛を食べたのですが、大味で物足りなく感じてしまいました……普段なら大満足できるのに……。

それだけカイワリはウマいのです!!

カイワリの刺身3日目

全体的に少しだけ茶色くなっていますね。

食感はコリコリサクッとした歯ごたえを残しつつも、ネットリと柔らかくなっています。

そして熟成された旨みが見事に調和し超絶美味しくなっています。1日目に感じた青臭さもこなれて美味しさに変わっています。

2日目の個性豊かなうま味が次々と主張してきつつトータルバランスが完璧という味わいも良いですが、オーケストラのように重厚感あるうま味が総動員で響いてくる3日目の美味しさも別格に良いです。

2日目、3日目ともに異なった味わいがあり甲乙つけがたいですね。

2日目は勢いがあり伸びしろたっぷりなゴン=フリークス、3日目は熟練された安定感どっしりのネテロ会長みたいな感じなので、活締めカイワリを入手した際には寝かせてみて、ぜひ両方味わっていただきたいです。

ただ少しだけ脂が酸化した香りも出てきたので、風味を損なわずに美味しく食べるためには、熟成させるのは3日が良いかもです。

カイワリの刺身4日目

さらに色あせて茶色が強くなりました。

食感は柔らかくもムチムチサクサクになっていて1番好きかも。

味わいは、特に背中側がいっそう甘みが増しうま味も熟成されて、こなれた感があってめちゃくちゃ美味しいです。

でも残念ながらやっぱり脂が酸化して風味が落ちてしまっているので、熟成は3日までが限度かなぁ? と思います。

野締めカイワリの4日熟成は……

活け締めで血ぬきしたカイワリはそうそう手に入るものでもないので、野締めカイワリでも熟成実験をしてみました。

こちらはエラと内臓をとり(ウロコは落としていない)、丸のままキッチンペーパーに包んで冷蔵庫で4日寝かせたものです。

かなり酸化した脂の匂いを放ち、風味・味わいともに90%減になりました。

味自体は美味しいのですが、「なぜもっと早く食べなかったんだ……」と後悔すること必至なので、野締めの場合は2日ぐらいで食べきってしまったほうが良さそうです。

カイワリの骨せんべい

中骨を冷蔵庫内で一夜干しし、油でサクサクに揚げました。

ゼイゴが龍のウロコみたいでカッコいい。

結論から申しますと骨がジャリジャリといつまでも口の中に残りイマイチ……。

尻尾以外はヒレも骨も一応全部食べられるし、特に背骨のエキスが絶品で、味わいだけなら揚げ物界の絶対王者・フライドポテトを蹴散らせるレベルで美味しいのですが……

飲み物と一緒じゃないと喉につっかえる危険性があるし、嚥下力(えんげりょく)に自信がない人は食べないほうがいいです。

それぐらい食感が悪いです。

骨せんべいならイボダイが圧勝ですね。

でも背骨からとんでもなく美味しいエキスが出るので、捨てずにお吸い物や出汁に使うと良さそうです!

カイワリの評価

カンスト ☆☆☆☆☆☆☆☆

安いうえに雑に扱われた野締め個体でも美味しく頂けるお魚なので、見かけたら絶対に買いです!!

丁寧に活締め・血抜きされた個体なら1尾1000円でも買いたいぐらい絶品な味わいです!!!!!!

スーパーなどで見かけることはほとんどないと思いますので、ぜひ魚屋さんの地魚・未利用魚コーナーを探してみてください!

そしてこんな美味しい魚を安定供給するために品種改良・養殖に取り組んでくださっているさかなドリーム社を全力で応援したい所存です(`・ω・´)!!

※画像は全て筆者撮影

海鮮市場マルモト
https://www.0-to.com/[リンク]
株式会社さかなドリーム
https://sakana-dream.com/[リンク]
ぼうすコンニャク氏のカイワリコラム
https://www.zukan-bouz.com/article/467[リンク]
さかなの仕入れ屋旬の魚図鑑
https://sakana-shiireya.com/zukan-kaiwari[リンク]

(執筆者: ゆずくん)

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